日曜日の音楽 #3 / My Funny Valentine - Bill Evans & Jim Hall

この演奏はどこか異様だと思う。
初めて意識的に聴いたのは数年前のことで、場所は内科の待合室。
ジャズをBGMに流すなんてつまらないことしやがってと思っていたら、
どう間違ってもイージーリスニングにはならない奇妙な演奏が耳を捉えた。

うねうねしていると思いきや、突然跳ねたりとピアノとギターが不思議な掛け合いをしている?
かと思えば突然4ビートのニュアンスになった!と思ったらまた変わったり。。。
初めは何の曲かわからなかった。
でもとにかく気になるし、かっこよかった。

最後にギターがテーマを弾いたときにMy Funny Valentineかと気づき、
帰宅してからサブスクでひたすらMy Funny Valentineを聴き比べて演奏を特定した。
有名な演奏なのかもしれないが、私はMy Funny ValentineをうっかりMy Bloody Valentineと書き間違えそうになるような元インディロックオタクなので笑

出だしのテーマから異様な雰囲気に感じるのは、和声感が希薄だからだろうか。
ピアノはユニゾンでテーマを弾き、メロディが全音符の小節では合いの手も入れる。ギターも単旋律のフレーズを反復する。
その後は一定することなくリズムが変わっていくのだが、両者ともボキャブラリーが豊富で飽きさせない。
改めて聴いてみても、すごい演奏だと思う。

ふと構成に着目してみたくなった。
最初のテーマは上述のようにピアノが担当する。
アドリブが始まり、その後3コーラスはギターがソロでピアノがバッキング。
それからギターとピアノの役割が逆転して更に3コーラス。
最後はギターがテーマを弾く。

つまり、{Pt, G1, G2, G3, P1, P2, P3, Gt}という構成になっている。

*

さらっと書いてみたが、実は聴き取るのに少し苦労
した。笑
P2とP3の切れ目が特にわかりにくかった。
かっこよすぎて聴いてしまうからかも。。?

My Funny Valentineのテーマの構成は
A(8) A'(8) B(8) C(12)となるようだ。※()内は小節数

Bパートはメジャーキーの色が濃く、特にG1ではマイナーキーで反復フレーズを繰り返していたところからパッと明るくなるように思う。
CパートはAと関連性があるが、12小節とややイレギュラーになっている。

この辺りを意識すれば、構成を掴みやすくなった。
これを機にもっときちんと聴き込みたいと思う。(そしていつものごとく課題が積み上がり続ける。。笑)

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