リーンマネジメントの教科書 を読んだ

TLで流れてて気になったので手にとってみた。大企業の中で如何に新規事業を進めるか、という問いに対してすぐ使えそうなハウツーが書かれている。さくっと読めて良い。会社内での立ち回り、マネジメントみたいなところは自分の状況的に参考にならなかったが、前段となる「未知の課題にどう取り組むか?」という点について頭が整理されてよかった。

個人的に面白かった箇所のメモ。

構造から伸びしろを探す。そのために 今大事にしているものを否定する

逆説的に考えると、今行われているすべての施策は、自社が大事にしたいと思っていることを中心にして、それを強化するような形で行われているはずです。つまり、大事にしていることは「不可侵の聖域」で、それ以外で何ができるかを必死に考えていくという暗黙のルールがあるのです。

ついつい「本質的に提供したい体験は何で、それを強化するためにはどうすればよいか?」というところから考えてしまいがちだが、それによって思考の幅は狭まってしまう。一度その制約を外して考えてみるのは確かに有効そう。

複数の案件を持っていないと「損切り」ができない

なぜ多くの人が損切りできないのかというと、複数の案件を持っていないからです。1個しか持っていないと「これが潰れたら自分の仕事がなくなる」という恐怖心が働きます。

仕事がなくなる云々はあまり良く分からなかったけど、選択肢がないことによってサンクコストに囚われやすくなってしまうのは確かにあるなと思った。アイディアを捨てるのが上手な人にコツを聞いたときも「アイディアは常に複数ストックがある状態にしていて、これがだめだったら他を考えればよいか〜という気持ちなので、1つにあんまり強く執着することがない」という回答が返ってきたことを思い出した。

バイアス(みんなが考える良さ)をブレイクする

イノベーションの作法 で有名なバイアスブレイクのやり方が少しアレンジされた形で紹介されていた。「みんなだったらどう考えるか」から考えはじめて、そこから逆張りにしていく というアプローチは確かに使い勝手良さそう。また、アイディアを考える際に「自分の偏愛を乗せる」ということに触れていたのも良かった。多少なりとも自分ならではの思い入れがないとアイディアを実現させる上での粘りが生まれない。

身銭を切るアクションで判定する

顧客はアンケート調査には無意識に嘘をつきます。(中略)そういう嘘を防ぐにはどうすればいいかというと、顧客に身銭を切ってもらうことです。

嘘を付くというか、適当に答えるのはあるあるなので(自分もそうすることあるし)アンケート結果とかはまぁ2〜3割引で見るように意識はしていたけれど、回答するためのコストを上げることで精度を上げるというのはなるほどと思った。回答率ばかりを意識してしまうけれど、そういう設計を考えても良いかもしれない。

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