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ギラン・バレー症候群に罹り起きた幻覚 #3

ギラン・バレー症候群という神経の病気に罹りました。ギラン・バレー症候群ではあるあるらしいですが、自分も病気に罹ってからおよそ3週間幻覚が起きていました。なかなか貴重な体験なので興味を持たれる方もいるかと思い、この記事で起きた幻覚のいくつかを紹介したいと思います。

因みに、紹介する幻覚の本当の原因はギラン・バレー症候群なのか、ギラン・バレー症候群治療の過程で使われた鎮静剤や麻酔なのかはわかりません。

天井のカプセル

天井には半分埋まったガチャガチャのカプセルがひとつありました。色は白の半透明でそれは「ウィー」と5秒ごとに鳴っていました。「ウィー」はQueenのWe are the championsのサビ開始の音そのままです。

そのカプセルはとてもゆっくり動いていました。1週間で2mくらいの速度です。動いたあとの天井にはちょうど埋まっていたカプセル半球分のへこみができていました。当時はそのカプセルをまるで天井を食べるパックマンのようだと思っていました。(今思うとディグダグの方が近いですね。)

幻覚が消える前の数日間はそのカプセルが開いていました。カプセルはノンセパレートタイプだったようで、開いたフタは天井に埋まったカプセルの一部に繋がり落ちてきませんでした。カプセルの中身があったかはわかりません。体が動かずベッドから天井を見ることしかできない当時の自分には、落ちてきた中身を見つけることができなかったからです。

救急車のスタンバイ曲

カプセルの鳴き声以外にも音は聞こえました。その音は窓の外からです。「ピープー、パーパラパーパラパー。ドンドンドンダラ、ドンドンドンダラ、(以下、ドンドンドンダラ続く)。」と。ドンドンダラダラからは、太鼓のような音があり、ノリの良いロック調の曲でした。ピープーは救急車から流れるあのサイレン音でしたので、この曲は救急車が待機しているところから流れていて、救急車がスタンバイ中であることを示すものと考えていました。

人形劇

2日目の夜ベッドで寝ていると、天井で人形劇が繰り広げられました。それは顔のない和風な人形を使った劇と、白い紙を切り取り形作られた物が動く劇(ペープサートと言うそうです)でした。

ざっくりとした内容は、日常生活楽しかったね、でも病気に罹ってしまったね、頑張って病気治してね、というメッセージでした。劇は殆どの場面で妻と自分が出る、二人中心の内容でした。結婚式、新婚生活、病気により引き裂かれた二人など。

この病気にかかったのは、結婚してすぐでした。

劇が終わり泣いて喜ぶ僕。部屋に来た看護師にありがとうと言い、別にいいのよと言われたのを覚えています。

劇の最後には天井からひらひらと手紙が落ちてきました。手紙は看護師が拾い戸棚に置きました。何日か手紙らしきものはそこにあったのですが、気づけばなくなっていました。

どうやら劇は隣の病室の患者さんも見れたみたいです。彼は「どう感じれば良いんだよ?」と不満気味。隣の病室には看護師もいるらしく「そんなこといわないの」と注意をしていました。手紙も落ちてきたらしく、「どうすれば良いんだよ。誰か教えてくれよ。」といっていました。

病院にはこのような人形劇を見せれる設備があり、人形劇は妻が病院にお金を払いやってもらったこと、と考えてました。そして、隣の部屋にも劇が映ったのは妻が部屋を間違えて指定したからだと考えていました。

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