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【ラブライブ】ミュージカル未体験勢がスクールアイドルミュージカルを見てきた話【スクミュ】

スクールアイドルミュージカル、通称スクミュ
ラブライブ!が2023年に始めた「ミュージカル」プロジェクト。

ミュージカルなんてこれまで見たことなかったんですが、やれ「スクールアイドル0/始まりのスクールアイドル」だとか「理事長百合がすげぇ」だとか噂が耳に入ってきて、たまたま空き時間にチケットが普通にとれたので、軽い気持ちで行ってきました。

スクールアイドルミュージカル

そもそも異次元フェス現地でパフォーマンスを見たくらいしかスクミュの予備知識はなく、その異次元フェスも「フォーメーションは面白いな」くらいにしか印象が残っていませんでした。キャストについても一人も知らず(10キャラ+理事長2人がネームドのメインキャストで他はバックダンサー的な存在であることすら知りませんでした)、歌も「きらりきら~」をちょっと知ってる程度。
なので、ほんとに「チケ代くらい元がとれたらいいなぁ」くらいの軽い気持ちで言ったんですよ。

いや、軽い気持ちだったんです、ほんとに……

まさか、スクミュがこんな化け物だったとは……

構成は1幕(1時間)→休憩(20分)→2幕(1時間10分:ライブパート含む)で、シナリオとしては「セミプロからプロとして活躍の場を広げようとしている芸能コース選抜アイドル部の人気で話題沸騰中の新設校」のアイドルたちとそんなアイドルたちのパフォーマンスに沼った「成績第一をかかげてきたが徐々に人気を落としつつ伝統ある名門進学校」の生徒たちが、それぞれの「理事長の娘」を中心に交わり、アイドルとして活動を展開していくという感じでした。

さて始まってまず感じたのは近さ。自分はSS席の後ろの方だったのですが、普通に顔がばっちり肉眼で見える。最前列とか下手したらキャストに触れるレベルなんじゃないかという近さでした。
そして近いので、歌だったり、声だったり、動きだったり、表情だったりがダイレクトにすごく伝わってくるんです。

で、一幕なんですが、ミュージカル未体験者なので、基本歌で会話が進んでいくミュージカル形式(当たり前)に結構面食らいました。加えて、なんとなくアカペラ的に歌うのかなと思いこんでいたので、ラ!のライブと同じスピーカー音楽&ヘッドセットマイク形式だったのもちょっとびっくりしました。
それも少しずつ慣れていき、一幕が終わった時は、「ネタ的な要素も含めたシナリオやパフォーマンスの緩急が良かったなぁ」という、シンプルに初体験ミュージカル結構おもろいなというくらいの感想でした。

そして20分の休憩でとりあえず物販軽くながめたあとに、はじまった二幕。
この二幕がやばかったんですよ……

一幕でミュージカル初心者をミュージカルに慣らせて、二幕でスクミュに落とす。そんな意図すら感じる怒濤の展開と、その展開をさらに強固にする演出とパフォーマンス。クライマックスは涙なしには見られず、最初はまわりの人にあわせて場面転換で形式的にしていた拍手を、二幕の最後にはいつの間にか自ら率先して大きな拍手をしてしまうくらい完全にスクミュの世界に落とされていました

特に『君と見る夢』が強すぎましたね……いや、あの演出と展開、そしてあの歌詞は卑怯ですよ。卑怯。

そしてスクミュのテーマがぎっしりと詰まった『ゆめの羅針盤』。

「それがスクールアイドル」

個人的には今回のスクミュは「『スクール』アイドルとは何なのか?」という問いに対して一つの回答を示すことがテーマだったと感じました。「プロのアイドル」と「スクールアイドル」の違いという、ある種ラブライブ!世界で描くことが避けられてきた部分に踏み込んだこのスクミュの取り組みとお話は、シンプルに出来が良かったです。

本編が終わった後には「ペンラ使用可能なライブパート」が数曲あったのですが、こちらは本編での歌唱やパフォーマンスとまた違った、よりラブライブ!的なパフォーマンスでした。とにかくめちゃくちゃ近いのでばっちばちにファンサがきます。エグい。パフォーマンスも普通につよつよでしたし、観客は全員着席でペンラorうちわを胸の高さまでしか挙げてはならずかつコールなども一切なかったので、パフォーマンスを純粋に楽しめたのが最高でした。厄介がいないって素敵……
あと、鑑賞前はほぼ知らない曲しかなかったのにそれがライブパートで「意味のある知ってる曲」になっていてめちゃくちゃ楽しめたことが、何よりスクミュ本編の強さの証明だと感じました。
なお、帰ってきて速攻、今週末に開催されるライブのみの後夜祭のチケットを購入しました。

まとめると、スクミュ、くっっっっっっっそ良かったです
なんでもっとはやくこれを見に行かなかったんだ…………

個人的にスクミュを一言で表すと、

ラブライブ!に新たな深みを出す作品

です。
それは単なるミュージカルであることだけでなく、設定やシナリオがラブライブ!の薄かった部分を厚くしていたと感じたからです。ニジガクが「ラブライブ!を目指さない」・「ソロ」という軸でスクールアイドルに深みを出したように、スクミュはスクールアイドルの存在意義という軸でさらなる深みを生み出しました。
誇張ではなく、

スクミュはラブライバーの必修科目

だと思います。
スクールアイドル0/始まりのスクールアイドルと言われていた意味がよく分かりました。

惜しむべきは、2024年本公演が今日で千秋楽だったため、未履修ラブライバーのスクミュ履修機会がもうないことです。
そして、自分が参加した公演は残念ながら客の入りが良くなかった(SS席・A席・B席は結構埋まってましたが、S席はガラガラでした)ことから、ビジネス的に今後の展開に期待するのは難しいのかもしれません。

それでも、スクミュすごかったぞ!!!!!と鑑賞者が積極的に発信していくことでスクミュ再々演や新作を求める声につなげられればと思い、今回この感想をつらつら書きました。

この素晴らしい新しい「ラブライブ!」シリーズが、ここで終わりとならず、この先も続いてくれることを心から願っています!!!!

おまけ:
理事長sはマジでパフォーマンスが強すぎました。そして理事長百合の意味も理解。あの年代の学生時代から続く戦友(ライバル)百合設定は良いものです……
キャストはみんな甲乙つけがたいくらい良かったのですが、ショートカット優等生部長のミスズちゃん役の南野巴那さんに個人的には心を打ち抜かれました。長身美人のばっちばちファンサパフォは刺激が強すぎる……

買わざるを得なかったうちわ

終わったあとの物販で、これまでの全種のパンフやペンラ、うちわ(初めてうちわを買った)とか気づいたら買ってました。



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