東方神起 XV 東京ドーム2日目公演を見て。

15年も日本で地に足をつけて活動し、平日の東京ドーム3日間を満員にできるグループ。

東方神起は、そんな稀有な存在だ。

K-POPという言葉が世間に認知されるよりずっと前から、地道に活動を続けてきた。レコード会社は同じ事務所の先輩BoAのように、あくまでJ-POPの歌手として彼らをデビューさせ、活動させた。

韓国ではスーパースターの彼らが、日本ではショッピングモールのステージや大学の学園祭で歌い、踊らなければならなかった。ときに冷たい視線を受けながら、それでも一生懸命で、その一生懸命さと、パフォーマンスの素晴らしさが少しずつ認められて、人気を積み重ねていった、あの頃。

今回のツアーでは、二人ともそんな「あの頃」を懐かしく思い出すことで、今の場所にいられることの感謝を伝えたい、そう強く思ったのではないだろうか?



ステージは素晴らしかった。

冒頭から、最高に切れ味のあるパフォーマンスで、赤のライトの波を最高潮にうねらせる。

最初から最後までとにかく動き回るステージは、相当体力を消耗するはずなのに、スクリーンにアップになるときの表情は、これでもかと決めて(かっこいいだけではなく、可愛い笑顔も)くる。

全体を通して、2人が過ごしてきた15年のときを春夏秋冬、晴れた日や雨の日、雪の日の温度や風景を、歌と、映像がリンクしてもう一度味わった気がする。

そして、彼らがいろいろに味わってきたであろう感情を、曲を通してひとつずつ私たちに丁寧に届けてくれているのが伝わってきた。

「楽しかった」

「悲しかった」

「苦しかった」

「幸せだった」

だから、それを見ている私たちは、胸がいっぱいになる。曲と結びついたそれぞれの「あのとき」の「あの気持ち」を思い出し、東方神起と歩いている時間を、改めて愛おしく思える。

ユノが歌うことを提案したという「Stay with me tonight」。後ろから射し込む光でシルエットが映し出された瞬間、あのファーストツアーに私はタイムトリップした。初めて彼らを目にした感激。私にとっての「あのとき」だ。

15年を経て、今埋め尽くされたドームという巨大な空間で、恥ずかしがらずにあなたの周りの大切な人に感謝を伝えて欲しい、という彼ら。

自分たちが受けた愛に感謝するだけではなくて、それをまた誰かに伝えて、やがて世界が少しずつ幸せになる。そんな思いが込められた「Pay forward」という曲をみんなで歌いながら、彼らは本当に音楽とパフォーマンスで人を幸せにしていくのだと思った。彼らが好きで、コンサートに来ている人たちだけではなく、その周りの人までも幸せにしようとしているのだから。

より多くの人を幸せにするために、これからも次々と新しい挑戦をしていくのだろう。

だから、彼らの歩みは決して止まらない。









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