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「リアルでは絶対に嘘がつけない」qutori代表・加藤翼が語る真実の瞬間

コーヒースタンドを起点としたサービスを展開するHYPHEN TOKYO。

OPEN NAKAMEGURO〔中目黒〕、000Cafe〔渋谷桜丘〕、SWITCH KOKUBUNJI〔国分寺〕の直営店運営の他にも、クライアント様の「やりたい!」に寄り添い、コーヒースタンドをきっかけとした場づくりのプロデュースやサポートも行っています。

▼ HYPHEN TOKYOとは
コーヒースタンドを起点とした場づくり。
私たちは、人が往来する為に必要な機能はコーヒースタンドだと考えます。
その機能が内包された場は、つまりカフェ。
HYPHEN TOKYO ができることは、「統一感のあるチェーン店」のように、店舗設計や運営方法を一定のフォーマットで固めて、「個性豊かな個店」のように、そこに関わる人のアイデンティティで変化が生まれる仕組みをつくること。
幅広い世代や属性の方が集い、誰でも日常の一部として利用できて、個人・法人問わずPRや表現の場として活用されるカフェの新しい在り方。
そんな多様性を持った、ヒト / モノ / コト の個性が最大限に発揮できる場所を一つでも多くの地域に展開していくことで、そこにしかない価値を生み出していきます。

今回の『HYPHEN TOKYO "BEHIND THE SCENES"』では、HYPHEN TOKYO の直営店舗である OPEN NAKAMEGURO で毎月開催されるポップアップイベント『hello, popup』を運営する株式会社 qutori 代表の加藤 翼さんにインタビューを実施しました。

▼OPEN NAKAMEGURO
コンセプトは[開かれた場所]。
中目黒という街にも、そしてこの場を活用して表現をしたい人にとっても、開かれた場所をつくりたいという思いから誕生しました。
WEB
instagram

前後編に分けてお届けする前編では、コミュニティマネージャーである加藤さんがどのようにして今のお仕事に辿り着いたのか、そしてなぜ POPAP[ポップアップ専門メディア]を立ち上げ、『hello, popup』の企画から運営までを行うに至ったのか。その背景をお届けいたします。

中学生の時の将来の夢は、「あんまり忙しくない国家公務員」だった。

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今でこそ “コミュニティマネージャー”として第一線で活躍している加藤さんですが、幼い頃から大きな夢があったという訳ではなかったようです。

「親から口うるさく言われることもなく、伸び伸びとした環境で育った」と話す、加藤さん。サッカーと勉強に熱中する日々の中で、理系の難関大学を目指すようになります。しかし、浪人時代に哲学に出合ったことがきっかけで人間の面白さに気づき、早稲田大学文学部にある哲学コースに入学しました。

加藤さんが、初めて"コミュニティ"のようなものに関わったのは、大学1年生の時でした。それは偶然、大学のメーリングリストで流れてきた、サッカーを通じて難民の方と交流するプロジェクトに参加したことでした。

「そこが割と居心地が良くて。何を言っても許される、心理的安全性が担保されている場みたいな」と、当時を振り返ります。そこから色々なコミュニティを転々としていくと、大学4年の時には日本の国際協力団体代表までになっていました。

また、アメリカ留学時代には「世の中にはグレーなところとかたくさんあって、それはクリエイティブの力で解決できる」ことに気づき、「将来は、それをやりたいと思うようになった」と言います。

帰国してからは、外資系のデザインコンサルファームで働きながら、京都造形大学で空間デザインを勉強するようになります。

その後、クリエイティブ・カンパニーのロフトワークや、ロフトワークがパナソニックと運営する「未来をつくる実験区」の100BANCHを軸に、活躍の場を広げます。仲間に「肩書き何にする?」と聞かれたのをきっかけに、初めて"コミュニティマネージャー"の存在を知ったそうです。

「コミュニティマネージャーになりたくてなったというよりは、大学に入ってずっと続けていたことが、コミュニティーマネージャーだった」
と語る加藤さん。彼の行動力と偶然の出会いが、今に繋がっているのでしょう。

POPAPのはじまり

2019年4月23日にIWAI OMOTESANDOで開催されたイベント『さよなら、平成。おめでとう、ぼくらの新しい時代』のイベント運営のサポートを行った加藤さん。そこで初めて、リアルの空間でプロダクト(モノ)を販売するポップアップに出合います。

「ブランドさんと参加者との距離感や、”みんなが主役”みたいな時間が流れていて、そのフラットな場のあり方が、とてもよかった」と、当時受けた衝撃を振り返ります。

しかし、「こんなに良いブランドがたくさんあるのに、なんで世の中に知られてないんだろう?」と感じたことをきっかけに、個人のクリエイティブを世にもっと発信し、かつビジネスとしての成立する切り口を閃きます。

それは、個展やギャラリーで開催されるアートイベントや、カフェの隅で一時的に販売する出店形態などを含めて、「ポップアップという文脈で捉えればいいのではないのではないか」という事でした。

例えば美術館で行われている展示は、常設展ではなく企画展だけというケースもあります。こういった企画も美術館という場で行われるポップアップの1つの形態と捉えることができるかもしれません。

「様々なジャンルの企画を全てポップアップに包括すれば、アートの展示会も、アパレルの販売も、フードトラックでの出店も、お出かけ体験の一部としてフラットに見せることができます。」

「お出かけをわくわくさせてくれるような新しいメディアを自分たちが運営して、個人で努力する注目のクリエイターやアーティストを世に出していけば、実績がこれからのブランドでも、マスブランドとスクリーン上では平等に比較をしてもらえるのではないか。また、マスブランドを検索して流入した人が、今まで知らなかった新しいブランドに出会ってもらえるのではないか。」

こうして、POPAPが誕生したのです。

2019年12月、POPAPとして初めてのポップアップイベント『POP-UP NOW』を開催します。ファッション・ライフスタイル・フード・アートの4つをテーマに、30以上のブランドやアーティストが集結しました。結果は予想以上の反響。「これはちゃんと世の中の価値になるという自信がついた」と、当時の心境を振り返ります。

ポップアップは、嘘をつけない「真実の瞬間」

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ポップアップイベントをディレクションをする中で、「時間のデザインがとても重要」であることに気づきます。

「単に仮設的につくるイベントというよりも、これまでに作ってきた時間軸や歴史、ファンやユーザーが認知しているブランドの世界を”リアルの場”に、しかもその日しかない刹那性のもとにどう具現化するかというのが大切だと思う」と加藤さん。

「全てが総体としてブランドを表してしまう」からこそ、最高のクオリティでポップアップイベントを開催をしたい。そんな覚悟が伝わってきました。


後編では、HYPHEN TOKYOとの出会いや、OPEN NAKAMEGUROでPOPAPが開催している『hello, popup』でのエピソードをお届けします。

(取材・執筆:金子 志緒梨)

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