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現代社会と舐達麻

先日、舐達麻に影響を受けて仕事を辞めた40代男性がいるという話を聞いた。
世の中、不景気も大概である。

舐達麻はルックスがいいから説得力がある。
故に危険だ。
いや、ルックスに伴う曲が更に危険だ。

畢竟、それは良い曲だということだ。
歌詞に書いてある内容は最低。クソみたいな心情や情景が並び、何で俺はこんなものを聴いているんだ、と思う。
その反面、聴いているうちに自分との共通項が浮かび上がってくる感覚を得る。

特に自分が調子の悪い時、共感しやすい。
うだつが上がらず、社会から無視され、蔑まれ、自分のことを誰も理解しなくなった様な、
そんな感覚を得る時、舐達麻は入ってくる。

こんな感情は経験しないに越したことはなく、エリートな連中はおそらく考えたこともないんだろ。
それがまたムカつく。ファッキュー。みたいな。
社会不適合?知らねえよ金よこせ金。みたいな。

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舐達麻は常軌を逸しているが、今の社会もそうかもしれない、と思う時がある。幾度となく。
舐達麻に憧れを抱くのは、単に格好いいからかもしれないが、根が深いところで通じ合っている人が意外と多いんじゃないかと思っている。

前述した40代男性は仕事を辞め、離婚したらしい。
さて。ラッパーになったのかまでは知らない。

最近は強盗事件が多くて、割とシャレにならない感じになってきてはいる。
舐達麻がやったことと、最近の強盗事件の違いなんて、正直素人目にはわからないし、そもそも舐達麻を擁護する文脈はどこにあるのだろうか。

バール買いに行かせたイマフジ
仕事バックれたタカハシ
中古屋事務所外 裏口
見てわかる金庫の場所
月末で週末が重要
取りに行くツレ達も一緒
パトカー追われる 前被る覆面
(中略)
どうしても 金取り繕う
諭吉は親切すべてに必要
警察は迷惑で不必要
舐達麻/FLOATIN'

何て最悪な歌詞なんだろうか。
何で俺はこんなものを何回も何回も繰り返して聴かなきゃいけないんだ。いや、聴いてしまうんだろうか。
格好いいからか。刺激的だからか。
いや、社会に絶望しているからかもしれない。


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