見出し画像

法人の正しいPC廃棄方法

使用済みPCの処分は意外と手間がかかるため、企業の執務室の片隅に古いPCが積み上げられていることも。家庭用のPCはPCリサイクルマークが貼付されていればメーカーなどに無料で引き取ってもらえますが、法人用PCは産業廃棄物になるため、その対象から外れています。

古いPCをそのまま放置すると、情報漏えいにもつながりかねません。正しい廃棄方法を今一度確認し、早めに対応するようにしましょう。

PCはリサイクルに回す

2001年4月に施行された改正リサイクル法(資源の有効な利用の促進に関する法律)によって、PCは再生資源または再生部品として再利用されることが求められています。これにより、個人のPC(家庭系PC)も、法人のPC(事務系PC)のどちらとも、メーカーが回収し、資源化することが義務となりました。

ユーザー側も使用済みPCのリサイクルに協力し、ゴミの削減に努めることが必要です。ユーザーには罰則はありませんが、メーカー側はPCの回収資源化を怠ると罰金が科せられることもあり得るため、リサイクルへの協力を心がけましょう。

回収されたPCは、データを消去した後に手作業でパーツごとに分解され、さまざまな製品や、リサイクルPCなどに利用されます。

法人のPC廃棄方法は主に次の3通りとなります。

1.  産業廃棄物処理業者に依頼
2.  メーカーに廃棄を依頼
3.  PC買取サービスに依頼

産業廃棄物処理業者に依頼する場合

産業廃棄物を処理する場合、必ず「マニフェスト制度」に準拠して進める必要があります。マニフェスト制度はPC等を廃棄する企業が、委託した業者の処理の流れを把握し、不法投棄を防ぐための制度です。

マニフェストには紙の書類と電子版があり、どちらを使っても構いませんが、いずれにせよ最終処分まで確認する義務があり、マニフェストを使わない場合は罰則が科されます。

万が一、処理業者の最終処分終了報告の確認が180日以内にとれない場合は、その旨を都道府県または政令都市に報告する必要があります。

産業廃棄物処理業者の中には、マニフェストの作成やデータ消去も行ってくれるところもありますので、そういった業者を選ぶといいでしょう。

マニフェスト制度の目的(公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター)
https://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/system/purpose/index.html

また、特に社外秘情報や個人情報を扱ったPCはリサイクルに出すまえに必ずデータを消去しておきましょう。PCの初期化だけではデータが残ってしまう可能性があるので、データ消去ソフトを用いたほうが安全です。

メーカーに依頼する場合

PCの各メーカーでも使用済みPCのリサイクルサービスを行っていますが、家庭系PCと法人用の事務系PCは窓口が異なっているので注意が必要です。また、事務系PCは家庭系PCと異なり、有料でのサービスとなっています。

マニフェストの作成/申請はメーカーまたは委託先で行います。また、データ消去サービス等のあるメーカーもありますが、機密情報漏えい防止のために、事前にデータを消去しておくことをおすすめします。

日本HP
PC3R(パソコン3R推進協会)にて回収・リサイクルを行います。リサイクル処理施設でハードディスクの破壊を行いますが、データ消去は引取前に依頼者が行います。

https://jp.ext.hp.com/hp-information/supplies-recycling/business/

DELL
リサイクル台数が1~9台の場合はPC3R(パソコン3R推進協会)にて回収・リサイクルを行い、10台以上の場合はDELLがリサイクルサービスを行っています。

https://www.dell.com/ja-jp/lp/recycle

Lenovo
IBM/LenovoのPC関連機器を受付けています。PC3R(パソコン3R推進協会)にて回収・リサイクルを行います。リサイクル・廃棄処理工程にデータ消去も含まれていますが、トラブル流出のためデータ消去を推奨しています。

https://www.lenovo.com/jp/ja/services-warranty/recycle/pcrecycle/

EPSON
PC3R(パソコン3R推進協会)にて回収・リサイクルを行います。PCだけでなく、プリンター、プロジェクター等のハードウェアは全て同様の扱いです。

https://www.epson.jp/recycle/3r/

富士通
富士通リサイクルセンターにてリサイクル処理を行っており、実際の運搬・廃棄処理は富士通が事前登録した業者が実施しています。

オプションで、データ消去サービスも依頼可能です。

https://www.fujitsu.com/jp/services/infrastructure/maintenance/lcm/service-phase4/recycle/ 

NEC
集荷回収または持ち込みにより、リサイクル処理を行います。日通NECロジスティクスが受付し、リサイクルセンターに引き渡すフローになっています。

https://jpn.nec.com/csr/ja/eco/recycle/corporation.html

VAIO
PC3R(パソコン3R推進協会)にて回収・リサイクルを行います。

https://vaio.com/pcrecycle/business/

dynabook
dynabook社製、東芝製PCの回収・リサイクルを行っています。dynabook IT機器リサイクルセンターで受付けて、リサイクル拠点に搬入します。

https://dynabook.com/assistpc/eco/re_jigyo.htm

Panasonic
PC3R(パソコン3R推進協会)にて回収・リサイクルを行います。

https://askpc.panasonic.co.jp/recy/

PC買取サービスを利用する

企業によっては、異なるメーカーのPCを複数使っているケースも少なくないでしょう。メーカーによる回収・リサイクルは原則として自社製品のみの受け付けとなっているため、まとめて複数のPCやIT機器を廃棄したいときは、それぞれのメーカーに依頼しなくてはならず、手間がかかります。また、処分する機器の台数が多いときはコストもかさんでしまいます。

そんなときに利用したいのがPC買取サービスです。

ハイパーPC買取サービスでは、機密情報をデータ消去ソフト、磁気破壊、物理破壊で確実に消去し、データ消去作業証明書が発行されるので、情報漏えいを防ぐことができます。

産業廃棄物として扱うときにかかる代金は買取代金と相殺され、廃棄よりもコスト削減できるのも特長です。

ハイパーPC買取サービスはPCやサーバー等のIT機器はもちろん、プリンター、シュレッダー等の事務機器、サーバーラック、オフィス家具まで買い取り可能。オフィス移転、ハイブリッド/テレワーク推進でオフィスを縮小するときにも便利です。

PC買取サービス
https://www.hyper-ss.jp/pickup/pickup12.html

まとめ

・法人用PCは産業廃棄物として処分する必要がある
・廃棄する前は必ずデータ消去を
・PC買取サービスならコストを抑えつつまとめて処分が可能


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?