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建築といけ花

いけ花は建築である。

いけ花は花をいける技術であり哲学である。

以前華道の歴史の記事をまとめたが、

一概に華道といっても情勢や歴史的背景によって時代に合わせて変化している。

始まりは神に備える供花、そこから身分の高い者の嗜みになり、時代が裕福になるにつれ庶民の装飾へと変化していった。

室町時代以降日本の数寄屋建築が一般化し、発展した時代に、空間建築である床の間に飾る手法として華道が発展していった。

そして昭和、平成、令和となった現代。建築空間は転換期を迎えている。

いけ花の進化は止まっている。

華道がここ500年文化として定着したのには納得できる。

いけ花が建築である限り、建築が変わらなければいけ花も変わらない。

流派が派生したとしても元を辿れば同じ床の間。


だが建築は僕らの世代で大きく変わった。

海外の影響も大きく受け、グローバル化が進み、建築空間も進化した。

花はどうか。

今世にある花屋はほとんどが欧米(フランス)スタイル。

「パリでは。。」「フランスでは花を送る文化があるから日本でも。。」

いつも思う。ここはパリでもなければ花を送る文化もない日本である。

代わりに豊かな四季があり、ここにしかない色があり、香りがある。

欧米流ではダメ。華道だけでもダメ。今の日本に最適ないけ花をこれから数年かけて構築していく必要がある。

そしておそらくその答えは華道のような画一的なものではないだろう。

時代は働き方や生き方同様、多様化する。花も然り。

変わらないといけない部分は多くあれど、変わってはいけない部分はもちろんある。

花への敬意と自然への感謝

花は生きている。1本1本各々の個性を持って。

建築家のジョサイアコンドル が著書で【無秩序な花の羅列をする西洋のいけ花は、日本の華道から花への敬意を学ばねばならない】と言っている。

ただきれいに並べるのではなく、1本でも良いからいい部分を生かす。

ここは忘れてはならないと思う。

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