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1年間ポケカをやってみて

ポケモンカードを1年間やってみて、思ったこと。

もともと僕はポケモン自体が好きで断続的にポケカも買っていた。
旧裏の発売日から買っている古の存在でもあり、最近だとXY時代とかSM〜剣盾時代も友達とカジュアルで遊んでいたんだけど、今年に入ってからのSVレギュで初めて大会に出て、競技レベルのポケカの世界に足を突っ込んだ。
この1年で参加した大きめの大会は、CL横浜とシティリーグS1。
結果はCLが3-3、初シティリーグは思った以上の好成績で準決勝まで残り、64人中TOP4となった。

ポケカHPにデッキリストが載るのちょっと嬉しい

正直言ってもともと僕がポケカに持っていたイメージは、「広い世代に愛されているカードゲーム」であると同時に「誰でも楽しめる大味なゲーム」もっと言えば「運ゲー」というモノだった。
しかし1年やってみて、ポケカのイメージは大きく覆された。
ポケカは、誰でも楽しめる間口の広いゲームであると同時に、一つの選択ミスが勝敗に直結するような極端にシビアなゲーム性を持っている。

自分はTCGの元祖「マジック:ザ・ギャザリング(MtG)」を6年ほど遊んでいて、(「リミテッド」という限定的な遊び方だが)大会に出たりもしてきた。
たまに100人規模の大会でTOP8くらいにはなり、大会のために(旅行も兼ねて)タイに行ったりもした。それくらいMtGも好きだ。
「MtG」の特徴は「相手の行動に割り込んで行動できる」ことで、プレイ中には常に無数の選択肢が存在し、時にお互いの複数の行動が連鎖するかなり複雑なゲームになる。

それに対して、ポケカは相手のターンに行動することができない。
基本的には自分の行動だけに集中していれば良いわけで、「自分の行動にしか思考リソースを取られない」シンプルなゲームになると考えていた。
実際、カジュアルでポケカを遊んでいた時は、「お互いのプランの押し付け合いで、単純なゲームだな…」とうっすら思っていた。
だが遊んでいくうちに、ポケカは同時に処理しないといけない情報がとてつもなく多い恐ろしいゲームだとわかってきた。

ポケカ最大の特徴は、ドローとサーチが他のカードゲームの追随を許さないほど強いという点にある。
他のカードゲームだったら全員が撃った瞬間に失禁しそうな「7枚ドロー」というブッ壊れカードが毎ターンノーコストで使用可能だし、「60枚のデッキを引き切る」こともザラにある。
さらに「サーチ」も強力で、デッキ内の特定のカードを自由に呼んでくるカードが数多く実装されている。

ちなみに僕がポケカをちゃんとやりたいな、と思った一つのきっかけは、この「サーチ」にある。具体的には「アルセウスVstar」のVstar技「スターバース」という技を見た時だ。「ゲーム中で一回だけ、好きなカードを2枚手札に持って来れる」という技で、これはカードゲーマーの夢が詰まったような文字通り「魔法」の効果だ。仮にMtGだったら7マナというゲームエンド級の激重スペルになる。それが最速2ターン目からノーコストで打てるのだ。カードゲーム好きとしては、「とにかく撃ちたい」と思うのは仕方ないでしょ?その後、事前準備は大変だが毎ターンサーチができるという「狂った鳥」ピジョットexも登場し、アルセウスVStarとピジョットex入りのデッキでシティリーグを勝ち抜けたのは、個人的には嬉しかった。

それだけ自由に山札に触ることができるために、デッキ内に「不確定にしておいて良い情報」というのがほとんど存在しない。
つまり「引いたカードでどうするかを考える」というゲームだけでなく、「次に必要なカードをどうやって引くか」というゲームが同じくらいの重要度で同時に進行していて、とにかく処理すべき情報が多い。
デッキ内に残っている8枚のエネルギー、3枚のドローカード、4枚のポケモン、1枚だけのグッズ……、こうしたカードが常に処理しなければならない情報として存在している。
極端に言えば、山札≒手札と言っても良い。
ポケカはそれに加えて、目に見えるトラッシュ(墓地)と、さらにサイドカードと言われる6枚の不確定カードまである。

さらにさらに、この処理は相手のデッキにも適応される。
相手のデッキに何枚のカードが入っていて何枚のカードが残っているかという「情報」が、非常に重要なのだ。
その情報を元に、妨害札にたどり着くための最適の行動を割り出すには……。
こうなってくるともう気が遠くなってくるが、でも突き詰めるとそういうシビアなゲーム性をポケカは持っている。
僕が思う「ポケカが強い人」は、こうしたデッキ内の情報を自分の手足のように把握し、的確な確率を割り出せる人だ。
そして、お互いがこういうシビアなゲームをしている中だと、「なんとなくで処理して良い情報」というのが本当に無い。マジで無い。
だから「一つの選択ミスが勝敗に直結する」というわけだ。

もちろん実際にはもっと色々な要素が絡み合っているし、セオリー化されている部分も多い。
そもそもカードゲームなので、運の要素も大きな割合を占めていて、何も考えなくても勝てる時は勝てるし、負ける時は負けるだろう。
だが、先述のシティリーグで負けた2戦は本当にギリギリの接戦だったのだが、1戦は情報処理を的確にやっていたら、1戦は予測可能な正しい選択を選んでいれば勝っていた。
戦いの中でそれに気づいた時に、ポケカの面白さと、その深淵に触れたような気がした。

そういうわけでポケモンカード、かわいい顔して恐ろしいゲームだぜ!!
これがポケカを1年やってみて思ったことです。


オマケ
最後に、昨年末にポケモンカードCMの音楽を作らせてもらったので、貼っておきます。日本国内では放送されていない&かっこいいので、見てね。
こちらは香港台湾バージョン。

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