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10:クルミを拾ってみる

ちょっと季節外れの話になるが、九月後半くらいになるとクルミがよく落ちている。もし拾っても怒られない場所で見かけたら(植物園や公園はルールがいろいろあるので各自確認)、持ち帰ってみるといいかもしれない。

「落ちているクルミ」といえば、多くの人はゴツゴツした硬くて丸っこい脳味噌みたいな形をイメージすると思うが(私もかつてはそうでした)、木から落ちたてのクルミの実というのは、意外なことに緑色で丸い。知らなければ、これがクルミだとはわからないだろう。

硬くて丸いあのクルミは、梅干しでいうところの「種」であり、可食部は種の中にある「仁」とか「天神様」と呼ばれる部分。

ドングリのように固い殻の状態で木になっている訳ではなく、緑色で激渋の果肉で覆われた状態で実り、種が十分に育つと落ちて、果肉が腐って硬い種だけとなるのだ。

ちなみにこの種は水に浮いて運ばれがちなので、川沿いにクルミの木は多い。

クルミの落ちているところで見上げてみれば、大粒のブドウのような房が見つかるはず。これがクルミの実なのである。

なんとなく南国のフルーツっぽさを感じる不思議なビジュアルだ。

クルミ拾いは意外とライバルも多いので(前に先客から「このあたりは私がもう拾っちゃいましたよ~」と言われたことがある)、種だけになったものを選んでいたら効率が悪いので、果肉がついた状態で拾い集める。

水に浸けておいたり、こっそり土に埋めたり、自分が正解だと思う方法で軽く腐らせて(わざわざ腐らせなくても力技でどうにかなるけどね)、よく洗って種だけにして乾燥させよう。

で、なんでこんな時期(三月末)にクルミを拾った話をしているのかというと、部屋を掃除していたらクルミの実が出てきたからだ。

だいぶ前に拾った覚えはあるので、過去の写真データを発掘したら2020年産であることが判明。

「クルミを拾って種だけにする」という作業工程は、なんというか達成感があって大変楽しかったが、そこから固い殻を割って可食部分を取り出して調理するという行為のハードルが高く、三年半も放置してしまったのである。

さて、どうしようかな。

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