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出資馬達の平均完歩ピッチ分析

0.はじめに(完歩ピッチとは)

完歩ピッチとは、馬が1完歩するのにかかった時間のことです。馬が加速する時は、まずピッチ(脚の回転)を速めることでスピード上げます。ピッチを速めるにはエネルギーを使うため、完歩ピッチの推移を確認することは、馬が各区間でどれだけ頑張って(力を使って)走ったのか、を推察する助けになるものと考えています。

私は出資馬が負けてしまうと非常に悔しいので、完歩ピッチを計測し、ペース配分の面での敗因や、以前のレースから成長した点、今後の課題などを分析することで、気持ちを整理するようにしています。

ペースの分析手法としては、馬毎のラップタイムを手計測するのが一般的と思いますが、素人仕事では、動画から距離を正確に測ることが難しく、また必ずしもピッチの速さ=ラップタイムとなるわけでは無いため、私はある程度正確に測ることができる、100mあたりの平均完歩ピッチを用いるのが好きです。

今回は4月に出走した出資馬のうち、未勝利馬の2頭スマイルコレクター、パンドジェーヌ、そして重賞に再挑戦したグランベルナデットの計3頭について、平均完歩ピッチの計測結果と簡単な考察を紹介したいと思います。

1.グランベルナデット

①初富士S

まずは忘れな草賞(1着)、サンタクロースS(6着)、初富士S(1着)の完歩ピッチ比較を紹介します。サンタクロースSの分析は前回のnoteをご覧ください。

初富士Sはスタートから道中の追走、最後のスパートまで非常に滑らかなピッチ推移で、かつ脚を余すことなく使い切っている考えられ、横山武史騎手のこれ以上ない騎乗であったと思います。この素晴らしい騎手と重賞へと挑戦できることになり、非常に楽しみを覚えた一戦でした。
注)完歩ピッチはコース形態にも左右されるので、他の騎手が悪いとかではなく、横山武史騎手のこの騎乗が極めて素晴らしかったと捉えてください。

グランベルナデット完歩ピッチ比較

②福島牝馬S

福島牝馬Sではシンリョクカの転倒に巻き込まれ、11着と残念な結果となりましたが、そこまでの追走がどうだったのかが気になったので、計測してみました。

スタートは見せ鞭をいれつつ、いつも通りのピッチといった感じですが、大外枠のためポジションはほぼ中団くらいになりました。そのため所々ピッチを速めてポジションを挽回している様子が確認できますが、決して大きく無理をしているわけではなく、転倒に巻き込まれた3角直前の1200mあたりでは、先行集団の外までポジションを上げることができていました。

グランベルナデット福島牝馬S平均完歩ピッチ

3角以降は全くの参考外と言えるほどの不利でしたが、直線向いて手前を替えてからもうひと踏ん張りしてますし、ラスト100mは完全に流していながら、上りは先行していた2着馬と同タイムでしたから、アクシデントが無ければと悔やまれます。外々を回ることにはなったと思うので、内前有利の馬場、展開から考えると3着くらいが限度だったかとは思いますが、今回は枠順から運がなかったです。ただ、無事に戻ってきてくれましたし、体調が良ければG3で戦えそうな感触を掴めたので次に期待しています。

2.パンドジェーヌ

4.20の未勝利戦と2.4の新馬戦の比較を紹介します。この子はあまり言うことがないですが、新馬戦と比べて前半からしっかり脚を使っていたのもあり、最後はかなり苦しくなりました。精一杯走り切ったレースとなり、続戦が難しいということは、このペース推移からも納得いくものかと思います。

パンドジェーヌの平均完歩ピッチ

レース直後、私は逃げ馬を逃がしすぎたといった主張をしてしまいましたが、間違いでした。これだけ前半に脚を使っているのだから、中間息を入れてあげないといけないという判断は正しいですし、3,4角で外から上がっていくのも無理があると思います。すぐ前を走っていた馬達がもう少し力があれば、この子の4角でのロスが小さくなって届いていたのではないかと不運に思う次第です。

正直レースレベルに疑問はあるものの、スタートでの接触による後退や3-4角中間で逆手前などもあったので、パンドジェーヌ自身に勝ち上がりの能力はあると思います。また、今回前半割と早いペースを追走した経験は必ず次走に繋がると思います。しっかり休んで、万全の態勢でもう一走できることを願っています。

3.スマイルコレクター

4.28の未勝利戦について、勝ち馬エフォートレスとの比較を紹介します。スマイルコレクターはスタートはそこそこも、二の足で前に取り付き先行しました。ピッチの推移からも前半しっかり脚を使っていることが分かります。そこから800m地点までかなりピッチを落とし、直線を向いてまた一気にピッチアップする形となりました。

スマイルコレクターと勝ち馬の平均完歩ピッチ比較

このピッチ推移は前の馬に付き合った結果ですが、急→緩→急という差し馬に向く(差し馬は序盤マイペースで、緩んだところで労せず挽回)流れとなり、後方を追走していた馬達に差されてしまいました。勝ち馬のラップと見比べてみると、どちらが効率的にエネルギーを消費していたか一目瞭然と思います。

先行馬に向かない流れとなってしまったのは確かですが、私が懸念しているのは、残り300-200mの区間で大きくピッチを落としている点です。これはちょうど坂を上り切り先頭に立ったタイミングであり、その後の区間でピッチを上げていることから、先頭に立ちややソラを使っていたのかなと思います。やけにあっさり抜かれたなとリアルタイムで見たときは思いましたが、このピッチ推移をみて納得しました。

これが、最近併せ馬をできていない弊害なのか私には分かりません。ただ、このレース内容について調教師のコメントが何も無かったので、次走も同条件を使うことに不安を感じるところです。陣営にお任せするしかありませんが、スマイルコレクターにはこんな私の不安を吹き飛ばして笑顔を届けてくれることを期待しています。

4.さいごに

長々と素人の戯言をご覧頂きありがとうございました。ネガティブなことも書いており、不快な思いをさせてしまったらごめんなさい。ネガティブなことを言うのは、予防線を張っているのだと理解してもらえると助かります。

色々と書きましたが、私はDMMバヌーシーが大好きです。DMMバヌーシーの所属馬が活躍して、皆さんと喜びや感動を共有できる機会がたくさん訪れることを楽しみにしています。

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