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最後まで「熱い」心意気            ~~小岩・照の湯

小岩・照の湯。2022年11月25日をもって閉業

手書きの文字が胸を打ちます

ある方のブログを読んで閉業を知り,駆け付けました。
その方は「照の湯」を,愛情をこめて「ボロ銭」と呼び,
愛情たっぷりに「ボロさ」を書き記してくださったので,ボクの心が動いて駆けつけた次第。

たしかに「ボロイ」

JR総武線小岩駅から大きなアーケード商店街を歩くこと8分,

照の湯がある。

到着は午後1時,開店2時間前。当然真っ暗。

しかし,住宅地にそびえる煙突。

黒々と煙が立ち上っている。

ぶれぶれでごめんなさい

「黒い煙を吐く煙突」なんて何年ぶりに見ただろうか

近くの焼肉店で昼食をとり周辺の商店街を回る。

開店時間の午後3時。おや開いているのかいないのか…。

実際はもっと薄暗がりでした


歴史の染みついた番台!

番台に誰もいない…呼べど反応なし…

どうしたらよいか分からず待つこと3分

奥から女将さん登場。

銭湯回数券を渡そうとすると「あら後でいいんですよ」

後払い!

初めてのシステムだぁ

脱衣所や浴室のボロぶりは省略。


さて浴室へ。広い!カランの数は38。

そういえば男性の下足札は108番まであった。

かつては鈴なりのお客さんで賑わっていたんだろうなぁ。

浴槽は3つ。

真ん中から勢いよく湯が噴き出して両脇に流れ出る。

おっなかなか熱いじゃないかとゆとりでいたのははじめだけ。

どんどん温度が上がってくる。44度…いや46度か。熱い!

開店してから30分もたっていない。

どこの銭湯でもふつうはまだ湯が温まり切っていない時間帯。

それなのに痛湯レベルのこの熱さ。

そうか,開店2時間前からもくもくと立ち上っていたあの煙突の黒煙だ。
開店時にはすでにボイラー全開。

一番客からしっかり温めてあげようという

女将さんの「熱い心意気」を見せていただきました。


常連さんが教えてくれたことによると,

ご主人が病気になり,

お子さんたちも後を継げなかったので閉業するとのこと。

女将さんは番台でひっきりなしのオバサントークを咲かせている。
明るく元気に見えるけれど,
切り盛りし続けるのは大変だったのでしょうね。

最後に,銭湯券を渡し,スタンプラリーの印を押してもらうと,
「江戸川のスタンプはないの?まだあったと思うわよ」と探そうとしてくれる。

銭湯お遍路の電子スタンプを押そうとQRコードをお願いすると
「それどこかへ行っちゃってねぇ…これならどう?浴場組合にもっていけば何とかしてくれるかもよ」とメモ帳にリアルスタンプを押してくれた。
(あとで浴場組合へ行き,電子スタンプをgetできました)

可愛い♡これはもう宝物!


世話好きで優しい女将さん,

お湯の熱さだけでなく,

女将さんのあったかさにも触れられてよかったです。

照の湯さん,ありがとうございます。いいお湯でした。

女将さん,ゆっくり休んでくださいね。

ご主人の恢復をボクも願っています。


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