百年の佇まい~四谷・塩湯
四ッ谷駅麹町口を出て外苑東通りを渡ると,味わいのある横町が見える。
通りに入り,しばし行く。
右手に塩湯がひかえている。
こじんまりした入口,足元に手入れの行き届いた坪庭がある。
浴室はカラン15とこじんまりしている。
湯舟は4つ。薬湯(備長炭),ジェットバス,バイブラ,水風呂。
どれも2人サイズとこじんまり。
湯温は42度くらい。水風呂は22度くらい。
こちらもこじんまり(いや,おだやか)
ほんわりしながら見上げると天井はミントチョコのミント色。
東京の銭湯には多い色。壁は浅黄色のタイル。
タイル絵はアルプス的山と湖。すべて目に優しい色合い。
夕方3時半,入れ替わり7,8名,地元のベテランさんがやってくる。
さらにほんわり湯船につかっているうちに気がついた。
耳に入る音が優しい。なぜだろう・・・
あっひょっとして。耳障りな音が聴こえてこないんだ。
どこの銭湯でもザーザーとシャワーを流しっぱなしにする音,
バシャバシャと派手に頭を洗いながら水しぶきを立てる音,
そんな不作法な音が耳につくことがある。それがない。
音までこじんまり(笑)
さすが四谷はお江戸の町。地元の方々に不作法者はおらぬよう
銭湯を出ると入口にこじんまりとした掲示物を発見。「創業100年」。
いいなぁ。「百年の誇り」というよりは「百年の感謝」が感じられる。
塩湯は地元の皆さんを大切にしているんだなぁ。
そういえば脱衣場のロッカーの上と下には常連さんの「お風呂セット」がずらりと並んでいた。その数,ざっと40。
有料ロッカーじゃなくて,ただ置きっぱなし。
けれども,きれいにそろって並んでいる。
地元の皆さんも塩湯を大切にしているんだなぁ。
今日会ったベテランの皆さんは,ヨチヨチ歩きの時から塩湯に浸かっているのかも。親から学んだ湯浴みの作法。それが体にしみこんでいるのかも。
地元に愛され,地元の人を育ててきた塩湯。
こじんまりした中に,百年の佇まいが感じられる銭湯です。
塩湯さん,ありがとうございます。いいお湯でした。
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