絵本『てぶくろ』を語る 2
第2話 増築の手法
(根本)『てぶくろ』は本を作る者からすると、ほんとに理想的な内容です。このお話、常識的に考えると、“うそ”のお話なんです。いのししは手袋には入らない。でも、子どもからしたら本当に感じる。そういう仕掛けが見事にされている。昔話を絵本化するというのは非常に難しいんです。言葉でいうと、手袋の中に何でも入る、言葉だったら。でも、それを絵にした時に、子どもに本当のことだって思わせるというのは非常に難しい。『てぶくろ』では、「増築」の手法を使っています。何となく大きな