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#手袋

絵本『てぶくろ』を語る 7

わたしの『てぶくろ』 今夏、図書館1階PAOの一角で、『てぶくろ』を展示しながら、感想を募集しました。学生の皆さん、あらためて2022年の今、この絵本を読んでみていかがでしたか? この作品では手袋を「強者」である人間が与え、「弱者」であるネズミがその手袋の中で他の動物と協力して冬を越そうとする。全体として「共助」の美しさが描かれているようだが、ラストシーンで「弱者」は「強者」に勝てないという真実が浮かび上がる。まさに、現代社会の理想と現実が内包された作品だ。 ( S.N.

絵本『てぶくろ』を語る 4

第4話 絵と言葉 (須田)手袋から煙突が出ているシーンが三つほど出てきます。最初は煙が少しうっすらと描かれていて、だんだんその煙の色が白くなっていく。私、そこの場面が、非常に印象に残っているんです。彼らは手袋の中で、何か料理をしたり、あるいは暖炉を作っているのかもしれない。火を使うということ、そこに生活や暮らしというものがあるんだなっていうことを、この場面から想像できるのがいいなと思って、この絵を見ていました。礒野先生は、絵について、どんな感想をお持ちですか。 (礒野)そう

絵本『てぶくろ』を語る 2

第2話 増築の手法 (根本)『てぶくろ』は本を作る者からすると、ほんとに理想的な内容です。このお話、常識的に考えると、“うそ”のお話なんです。いのししは手袋には入らない。でも、子どもからしたら本当に感じる。そういう仕掛けが見事にされている。昔話を絵本化するというのは非常に難しいんです。言葉でいうと、手袋の中に何でも入る、言葉だったら。でも、それを絵にした時に、子どもに本当のことだって思わせるというのは非常に難しい。『てぶくろ』では、「増築」の手法を使っています。何となく大きな