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自然と文化の宝庫、丹波篠山の旅

日本の原風景と城下町が交差する丹波篠山

日本の原風景のような自然がある丹波篠山市。兵庫県の中東部に位置し、神戸空港からは車でおおよそ1時間〜1時間半、電車では約3時間の距離にあります。周囲は山に囲まれ、盆地特有の気候と土壌から生まれる農作物は、丹波黒枝豆もはじめどれも逸品の食材です。自然の恵みに加えて、城下町の歴史が合わさった地域で、篠山城を中心とした城下町は広範囲にわたって重要伝統的建造物保存地区に指定されています。

主要な観光スポットはコンパクトに集約されており、桜など四季折々の自然や旬の食材を求めて多くの観光客が訪れる観光スポットです。
そんな丹波篠山の歴史文化を知ることのできる「丹波篠山デカンショ館」と「篠山城」を中心にご紹介します。


日本遺産に第一号認定された
丹波篠山デカンショ節

「日本遺産」をご存知でしょうか?地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する制度です。2020年度までに日本各地の104の有形・無形の文化財群が認定され、丹波篠山の「デカンショ節」は、2015年に第一号認定されました。

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丹波篠山デカンショ節は、江戸時代の民謡を起源とし、今も丹波篠山の盆踊りなどで踊られています。毎年8月に行われるデカンショ祭には、国内外から約3万人もの人々が訪れています。

その丹波篠山デカンショ節の文化を紹介するのが、街の中心地にある「丹波篠山デカンショ館」です。会場では、浴衣を着た案内人がデカンショ節の生まれたきっかけや歌詞の背景、当時の丹波の人々の生活や地域性などを詳しく教えてくれます。


デカンショ節の文化を伝える
「丹波篠山デカンショ館」

デカンショ節の歌詞は、丹波篠山の地域などによって変わり、300〜500もの歌詞があるそう。当時の農業や生活のようすが歌詞となり、いかに地域に根付き親しまれてきた民謡かを知ることができます。

デカンショ館では、盆踊りの映像を流すとともに、実際に案内人が踊り方もレクチャーしてくれます。基本となる踊り方を教えてもらい、見学者全員で円を囲みデカンショ節のプチ体験。初めは少し恥ずかしいですが、繰り返し踊ると次第に体に染み付いて気づけば楽しい気分に。いつの間にか、「次は夏の本場のデカンショ祭で実際に踊ってみたい!」という気持ちにさせられます。

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さらに、デカンショ館に併設されている「青山歴史館」では、篠山藩主青山家ゆかりの品々が展示されています。中には、江戸時代に教科書を印刷するための板木や当時の服など貴重な品々もあるので、じっくりと見学してみてください。


丹波篠山の市街を見守る
「篠山城大書院」

丹波篠山デカンショ館の向かいにそびえるのが、丹波篠山の中心に佇む篠山城大書院。徳川家康によって築城された篠山城は、立派な天守台はあるものの天守は築かれず、大書院が篠山城の中核をなす建物でした。一度火災によって消失したものの復興を遂げ、市民に親しまれています。

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強固で見応えある石垣がそびえ立ち、その石垣の抜けると、壮大な木造建築の大書院が現れます。館内では、希望すれば学芸員の方に説明してもらうこともできます(事前要予約)。大書院の歴史や当時のエピソード、再現された各室の当時の使われ方など、詳しく教わることができます。

篠山城大書院で注目したいのが、復刻した数々の部屋。特に最も格式の高い「上段の間」は、煌びやかな設えが印象的で、江戸時代初期の絵師が描いた障壁画として配置している屏風絵も見どころの一つです。


地域市民に親しまれる、開かれた場

篠山城大書院では、地域市民とのつながりも感じさせます。例えば、市民が作成された歴史人物の甲冑や各城の模型が所々に展示されていて、市民に親しまれていることが伝わってきます。

また、大書院の一部は公的行事でも利用されているほか、近年は、大書院で結婚式も執り行われています。市民の行事などでも利用できる部屋もあり、地域に開かれた場になっているのも特徴の一つです。

また、篠山城跡の一帯は、桜の名所でもあります。約1000本ものソメイヨシノが咲き誇り、満開の時期は多くの観光客が訪れます。夜のライトアップも美しく、ぜひ桜の季節に訪れてほしいスポットです。

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丹波篠山は、文化施設やお食事処、カフェ、お土産屋など散策しながら徒歩で楽しむことのできる地域です。中心街以外でも、丹波焼の窯元を訪れたり、自然豊かなエリアを散策したりしても色々な発見に出会えることでしょう。ぜひ丹波篠山ならではの旅を楽しんでみてください。

記者:岩崎雅美


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