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台にアニバーサリー、毎週ショートショートnote

毎週、たらはかにさんがお題を出して、そのお題でショートショートを書く企画です。

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「和樹、手術は、成功だ。これで、うまくいけば、多くの患者が救われるんだ」

幼なじみで、整形外科医になった隼人が、全身麻酔から目覚めて、まだ、朦朧とする僕の前で声を弾ませる。

右肩の腱板断裂。右腕を動かす筋肉の端が骨についている部分を腱板と言うが、その部分が骨から剥がれてしまったのだ。

4本あるうちの2本が切れて、1本は、損傷していた。損傷した1本も、切れるのは時間の問題。

隼人は、新しい手術法を開発した。僕は、手術症例第一号になったのだ。

内視鏡視下で、骨と切れた二本の腱板を、隼人が開発したレーザーでレーザー溶接した。
損傷した一本も人工的に切断し、即座にレーザー溶接する。

溶接なので、手術直後から完全にくっついていて、再断裂もない。

電動ポンプで、その部分に常に少量ずつの鎮痛薬が流し込まれる機械を装着してペインコントロール。

リハビリの時は、ポンプに鎮痛薬の代わりに局所麻酔薬を入れる。そして、電極シールを肩周りや腕に貼り、電気刺激装置で電気を流すと腕が勝手に上がったり下がったり、後ろに反らせたり前に伸ばしたりを繰り返す。痛みもない。

そうすれば、自分で手を動かすことなく、勝手に腕が動いて、勝手にリハビリする。動き方もプログラムされていて、考えられている。

その間、左手に持った本を読んでいればいいのだ。

隼人が微笑んだ。
「今日という日を記念日にして、毎年祝おう」
「何に、乾杯するんだい?」
「君という実験台にアニバーサリー」

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知らない人が読んだら、何のことか全くわからない妄想を書いてしまった。
上記は、出雲の現状で、こんなに簡単に治ればいいなという妄想です。
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たらはかにさん、二周年おめでとうございます!
本当にお疲れ様です♪

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