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アメリカ製保健室、毎週ショートショートnote

少子化により各高校も他校との差別化を頑張っていた。

偏差値が高いこの高校は、自然とセレブが集まってきた。これなら授業料を爆上げすることで、逆に評価が上がるのではないかとの意見が出た。

差別化は成功して、全国から優秀なセレブが集まるようになった。

だが、セレブの子供たちの考え方に庶民の先生たちはついていけなかった。
「うちのお抱え医師を学校に常駐できない?」

一人ひとりの医師を常駐させる場所などなかった。

そこで、保健室を作り変えることになった。

ユニットバスのような構造のアメリカ製ユニット保健室を今の保健室の中にピッタリ収めたのだ。

医療設備が整い、医師も常駐する。

アメリカ製らしく部屋は土足だ。

廊下側の他に、校庭側にもドアがあり、校庭で怪我をしてもそのまま駆け込める。

「校内は上履きなので、保健室に入る時は、下駄箱に寄って外履きを持って行け」

先生たちの指示に、生徒たちは一斉にブーイングした。


庶民の先生たちは、使い捨ての履き物を用意すればいいことに気づかなかった。

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