アメリカ製保健室 其のニ、毎週ショートショートnote
秋田柴子さんのパクリ…ではなくてオマージュです。
どこが?おばちゃんが出てくるところです。
「おい、養護教諭が変わって、保健室のことをアメほけって言ってる奴がいるの聞いたか?」
「なんで、アメほけって言うんだ?」
「それが、詳しいことを誰も言わないから謎なんだ」
「アメほけって、アメリカ製保健室のことだよ、きっと。金髪に染めたグラマーな先生が、部屋をアメリカ製のインテリアで模様替えしてるんだよ」
「じゃあ!おれ、仮病で行ってみるよ」
そう言って保健室に入ってきたものの、出てきたのは確かに金髪だけど、くるくるパーマをかけて、ド派手な豹柄の服を着た小太りのおばちゃんだった。
「なんや、具合、悪いんか?」
コテコテの大阪弁だった。壁には、OPENというネオンサインが光っていて、保健室と書かれたブリキの看板もアメリカっぽい。
「ちょっと頭が痛くて」
おばちゃんが片方の口の端をあげた。
「誰にも言ったらあかんで」
そう言うが早いか、僕のポケットに右手を滑り込ませた。「飴ちゃん、あげるわ」
「あ、飴ちゃん保健室…」
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アメ横って言ったら、田舎者はアメリカ横丁だと思うんですよ。まさか、アメヤ横丁だとは思いませんて。
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