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思索の愉しみ、The Cosmic Wheel Sisterhood

Starfield出る前に出してくれてありがとう。デモ版は日本語なかったですが製品版には日本語があります。とても自然でいいローカライズ。

The Red Strings Club作ったスタジオの新作って言われて買わずにいられようか(反語。デモ版もよかったし即買いです。とりあえずデモ版で遊べるとこ以降はできるだけぼかして書いていきますね。

The Cosmic Wheel Sisterhoodはこんなゲーム

あなたは占いを専門とするフォルトゥーナという名の魔女。タロットで自分が所属するコヴンの破滅を予言し、そのせいでコヴンに重大な混乱をもたらしたとして、厳格な長から罰としてタロットは召し上げられ、宇宙を漂う小惑星での1000年間の蟄居を宣告されています。200年は何とか耐えましたが、孤独と退屈でもう頭がおかしくなりそうです。
そこであなたは強大な力を持つベヒモスを召喚する禁断の魔法を詠唱してしまいました。5000年を超える眠りから目覚めたベヒモスはエイブラマーと名乗り、彼女が自由を取り戻す手伝いをすることを誓います。彼は彼女専用のまったく新しいカードデッキを作ることを勧め、それに必要な宇宙を構成する四大元素を教えてくれると言います。元素ごとに一つずつ契約を結び、3つは彼女が求めるものを与え、最後の1つはその恩恵に対する代償を選ばせるというもので、それが彼女にとってどんなに大切であっても、その代償は必ず支払われなければなりません。フォルトゥーナは自由のためならとその提案を受け容れます。
数日後、魔女のコヴン間の争いを仲裁する中立の捜査機関から、彼女に下された刑罰が厳しすぎるのではないかと調査員が派遣されてきました。事情を話すと、調査員は彼女の善性を認め、蟄居を取り消すことはできないまでも、客人の訪問を解禁するように取り計らってくれました。
彼女を訪れる懐かしい友人や、彼女の能力を頼って訪ねてくる魔女たちを新しいカードで導きながら、自由への道を模索するフォルトゥーナの挑戦が始まるのです。

インターネットがあればぼくもここで暮らせる

っていう導入なんですけど、後半全然違うゲームになるので説明難しい。もともとフォーチュナさんは人間だったんですが、素質なのか何なのかわかんないけど魔女にアセンションした人です。その辺まではデモ版でわかる。
まあこの一番最初に自分が選んだ支払う代償と、彼女の持つ特別な、本当に特別な力でコヴンをどうするかっていうのがキモになる選択と結果ゲーです。
The Red Strings Club作ったとこなんで超絶ハッピーな感じにはならなくて、めちゃめちゃ悲惨とかではないけどそこはかとなく悲しくて美しいストーリーだし、あちらを立てればこちらが立たずみたいなことを色々考えないとイカン系なのであれが好きだったらこれをやろう。Disco Elysium好きな人も好きじゃないかしら。

The Cosmic Wheel Sisterhood、ここがいい

・ドット絵
もう美麗。安定の美麗さ加減。もう好き。

主人公出会いの図。エイブラマーさんの体の模様は金継ぎなんですってよ

・エイブラマーさん
薄い本いっぱい出てほしい程度に尊い。好きすぎる。すべてが良い。好き。2周めは何とかしてこの人をこませないかと思ってそういう方向でがんばっている程度に好き。
・さりげない日本要素
金継ぎとか床の間とか茶の湯とかさらっと出てきて用法も正しいので親しみが持てる。中国もちょっとだけあるし、ちょっとずつ現実の要素を取り込んで作ってあるからうるさくない程度にリアリティが強化されててよいです。日本語だと名前もじってあるけど英語はマイクラとかわりと直球で入ってる。
・カード制作
背景と、主になるモチーフと、アクセント的な3つの要素をドラッグアンドドロップで並べて1枚1枚ええ感じに作っていくのですが、中二心を刺激されて大変楽しいです。背景拡大縮小できたら最高なんだけどなー。

占いそんなに好きじゃないけどカードはきれいなので好きです
イケおじ愛好家的に出来がいいやつ。イケおじには花がよく似合う。

・ゲーム内書籍楽しい
寓話っぽい示唆に富む内容があるんだかないんだかわからない感じのインタラクティブ小説がいくつか読めます。こういうの読むの好き。ゲーム内書籍が充実しているゲームはいいゲームなのだ。
・エンディングまでの展開が多いっぽい
基本的にはパーツの組み合わせでカードの内容が決まるし、得られる恩恵や支払う代償である程度決まるとは思うのですが、EDに至るツリーがかなり細かく作り込んであるんちゃうかなって感じがします。何がベストEDなのかは人によって違うかも。とりあえずダッシュで2周めを駆け抜けましたがエイブラマーさんを落とせる展開が見つかるまでのんびりやり込みます。【追記】現時点ではないっぽいうおおおおおおおおお【追記終わり】
・女子によるDisco Elysiumだこれ
と言ってもUMAを見つけるわけでもないしメガネのクールなパートナーが助けてくれるわけでもないのですが、世の中のいろんなことを考える機会という点においては毒気控えめなDisco Elysiumみがあって私向きでした。必ずしも何が正解かを押し付けてこないところも好感度高かった。

The Cosmic Wheel Sisterhood、ここが残念

残念っていうかまあ好きじゃないなあってとこかな。

・2周め以降がバギー
ここは純粋に残念なとこ。1周めを引き継いで2周めに行くと、いろいろと1周めの要素が混ざって挙動がおかしくなるのは早く直してほしいです。このあと書くピザの話もヴィーガン用作ったのにチーズもペパロニも入ってるって文句言われてブチ切れたので新規でやり直したし。
・女子女子しすぎていてつらい
基本男性は魔女になれないので出てくる人はエイブラマーさん以外全部女です。性自認が女だったら男でもなれるとか魔女だけど全然女っぽくない見た目や口調とかいかにも女子力じゃないんだけど、とりあえずなんか女子女子したウェットさが苦しい。ぼくこのテンション苦手。
先述したようにジェンダー的な話はあるにはあるものの、お前もそう思うだろうプレイヤーよ!!!な!!他の選択肢は用意してねえから!!!みたいな暑苦しさはないから大丈夫です。
・食べ物にはセンシティブなものですから
ここのゲームはわりとナントカ棍棒成分が強めでちょいちょい引っかかる部分はあるのですけど、そこまで押しつけがましくなくて流せる程度。とはいえピザのとこはなにそれ腹立つと思いました。
その前の女子トークで意識高い人が隣にいるとしんどいって言ってたからウザさ表現だったのかそれをウザいと思うお前は狭量って言われてるのかわかんないんですけど、チーズ食ってから文句言うならそもそもピザいらんって言えやと思いました。だってぼくヴィーガンのこの子のために半分はチーズ乗せんといたろ!って作ったのに、乳脂肪がクラストにしみるのもあかんかったらピザ食いたいって言わないでほしいし合わせてもらうの悪いから果物持ってきてたらピザでええとか言わんと最初から果物食え。メシ作ったって文句言われるのまで我慢せねばならないなら狭量で結構ですぷいっ。

そんなわけで2周めはチーズも乗せませんでしたが、これはピザじゃなくてトマト味きのこオリーブルッコラ乗せ薄焼きパンでは…?ピザじゃないのでは…?

これだけで完成させると一応感謝はされるんですけどなんか納得いかん。あとたまにチーズぐらいは食べたいとか言うのもイラっとする。ほんなら出された時に文句言わんと食え。アレルギーとか体質とかはわかるが言ってみれば偏食に過ぎないもので周りに必要以上に気を遣わせたり気を遣って当然みたいなこと言われると(´・ω・`)知らんがなと思うやっぱり。人に作ってもらって文句言わんと自分で好きなもん作って食べ。

まとめ

・安定の抜群美麗ドット絵だし
・The Red Strings Clubとは違う切り口で色々示唆に富み
・やっぱりどこか物悲しく美しく
・独特の余韻がいつまでも後味に残るし
・エイブラマーさんくっそ最高だし
・主人公のおねえちゃん好きだし
・お手頃価格だし
・全周回するならスルメゲーだし
・前作とタロット的なの好きな人は買っときなさい
・まあ若干のポリコレみはあるが
・続き物なのに主人公不細工になるとかじゃないんで
・個人的には許容範囲

あとついったでデモ版に言及したら日本語あっから!!ってSSまで送ってくれた親切な開発さんありがとう。今作も大変楽しんでおります。

ええ人か―

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