見出し画像

仕掛け絵本ゲー GRIS

深く傷つき、声を失った少女の心の旅路。PC版以外では、PS4、Switch、iOSがあります。水彩で描かれる繊細な画面が本当に美麗なので、個人的にはモバイルならそのままでプレイするよりも大きなディスプレイに接続することをお勧めしたいです。(iOS版は持ってないので拡大に耐えられるかどうかわかりませんが)

横スクロール型アクションADVという括りになるのかな。特に難しい操作もないし、UI以外でセリフや文章は登場しません。どちらかというときれいな絵と装丁の絵本を眺めるようなゲームです。

とにかく美しい

無駄を削ぎ落して必要最低限の説明に留め、直感で操作する設計のこの作品を、「こんなゲーム」と言葉にして具体的に説明するのは野暮になりそう。そんなわけで、説明は冒頭の概要のみに留めておきますね。いろいろな解釈や感情を呼び起こすモチーフや演出を、プレイヤーそれぞれが自由に味わうのが一番なのだろうな、と思います。
繊細な線の幾何学模様が水彩絵の具のにじみ感と対照をなすConrad Rosetさんのイラスト。それらがプレイヤーの動きに合わせて変化する映像は、ため息が出るような美しさです。類似のゲームとしてはMonument Valleyが挙げられるかな?あのシリーズも美しくて詩的で、大好きな作品です。

なんかレビューを放棄してるみたいであれなんですが、画面見てもらうのが一番いいと思うんですほんと。だってきれいなんだもん。

画像2

画像1

絵や写真や映像というものは光と陰でできているんだなあと再認識したり

画像3

画像4

デジタルとアナログが気持ちよく融合した水彩の表現だったり

こんなのいくら言葉を並べ立てても無駄ではないですか。買うしかないんですよ!!(机バーン
しかし、もう少しだけ頑張って補足してみましょう。BGMはピアノを基調としたメランコリックな旋律。ゲームの進行に従って変化していく画面と音楽のシンクロ度合いもまた、えも言われず美しいのです。最後に訪れるカタルシスは、ぜひご自身で体験していただきたいの。うん、頑張った。

GRIS、ここがいい

・きれい
他に何も言うことがないんだ。きれいなんだとにかく。全部きれい。
洋ゲーで心の奥底を探るみたいなテーマになると、大抵Alice in Nightmareみたいに最後に行けば行くほど肉肉というかモツモツしてくるのが多かったじゃないですか。このゲームはそういうテイストを一切使わず、夜明け前が一番暗い的な表現も、とにかくスマートで圧倒的に美しかった。アリスも好きですけどね。
先日剽窃騒動(婉曲表現)がありましたけれども、こんなに印象的な画面を見ちゃって「おおっ」ってなる気持ちは理解できるんだけど、印象的にもほどがあるこの作品をあんだけ真似たらそら怒られるわと思いました。リスペクトしてたらいいというものではない。ちゃんと言い分が認められてよかったです。
そう言えばこれ、このスタジオのデビュー作なんですよね。Disco ElysiumのZA/UMと言い、このNomada Studioと言い、昨年はドーンとすごいのをデビュー作に持ってくるインディーレーベルが目立った印象。今年はどんなのが出てくるかなーって思うと楽しみですね(って思ってたのにE3 2020キャンセルとか…!ウワーッ!!)。世界中のゲームクリエイターの皆さんが、風邪をひかずにおいしいもの食べてよく寝て元気でいいお仕事ができることを祈っていますよ。
・手軽
このアクション下手がキレることもなく3~4時間程度でクリアしているのでちょっとした息抜きに最適です。実績コンプを狙うと少々手間取るかもしれませんけど、クリア後はチャプター指定できるので大丈夫。ストーリーは一本道でもセリフなどがない分飽きがきにくく、本棚にある仕掛け絵本のあのページを見よう、ぐらいの気持ちでいつでもプレイできる、ほどよい難易度がやさしいゲームです。

まとめ

残念なとこ皆無なのでまとめ。
・この美しさで2000円しない。iOSに至っては610円。買いだ
・きれいなものが好きなら持っているべき
・心がすさんだ時に役立つのでマストバイ
・日本語も入れてくれた有望なスタジオを応援する意味でもマストハブ
美しさは正義。マジで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?