後手角交換四間飛車が最善の可能性

とても主語が大きくて恐縮ですが、あくまで仮説のお話です。
度々お話していますが、後手角交換四間飛車がかなり手強いのです。
特に「美濃囲いに囲わない形」を個人的に注目しています。
※まぁ、そもそもソフトは飛車を振らないのですが。

まずは、基本的に居飛車を採用するわたしが何故、後手角交換振り飛車に注目しているかを軽くお話していきます。

先手矢倉が強すぎる件

先手矢倉が厄介過ぎます。終わった所か、始まった感すらあります。
先手矢倉の厄介な点を羅列します。
・33角をしないと横歩を取られる
・33角と上がると角頭を狙われるので矢倉か雁木を作ることになる。
・そもそも矢倉にならないから経験値不足
・先手で矢倉志向して来る人は大概詳しい。
最後の二つに関しては個人的な意見も入っています。

つまり、先手矢倉が強すぎるため矢倉回避のために△34歩とするのはどうか? というのが、この旅の始まりでした。
さて、勘の鋭い読者の方はそろそろ気付くと思います。
「後手横歩の話はどこ行った?」
「!」
「君の様な勘の良いガキは嫌いだよ」

後手横歩の深淵

相居飛車の戦型は、後手がある程度選べると言っても過言ではありません。
矢倉が嫌なら、横歩を志向すれば良いのは当然の発想です。
ですが、これも完全に個人的な意見ですが先手横歩強過ぎて相手する気にならないんですよね……。
相横歩、どうかな~と考えたこともあったのですが、厄介なことに途中の変化先手に選択肢があります。

先手は77銀か77桂馬に絞って研究することが出来る
上二つがHAO、下が水匠5
200点弱の評価値だ。
72金型角交換四間飛車

さて、ご覧頂いた通り、実は飛車を振ってもさほど評価値が変わらないのである。純粋居飛車党は多分、こういう比較をしたことはないと思うが、紛れもない事実である。
ただ、これが絶対正しいというつもりは全くない。
序盤も序盤なので、一つのミスで大きく形勢が傾くのが将棋だ。

一旦整理すると、先手矢倉を回避したい。
➡横歩か角交換振り飛車の二択になった。
角交換振り飛車調べてみようかな。

と、なった次第です。
あと、この記事書きながら色々調べてみたら最近だと33角と上がらないのも市民権を得てるみたいですね。

33角と上がれと教科書に書いてあったが、現代は違うらしい。

評価値的に言えば矢倉を回避したいなら後手横歩を選ぶのが良さそうだし、先手で横歩を指すのであれば必修科目となる序盤なので最終的にはここに落ち着きそうな感じはある。
ですが、今回は角交換四間飛車の話になります。

角交換……振り飛車かこれは?

結論を先に述べると、これ居飛車になることもあります。
角交換振り飛車に対して先手(居飛車)が選択する囲いとしては、銀冠、矢倉くらいでしょうか? 相手の囲いに応じて玉の位置を後出しジャンケンしようという構想になります。
まずは、先手:矢倉(地下鉄飛車)構想を見ていきましょう。

先手:矢倉(地下鉄飛車)構想

「地下鉄飛車に組めれば角交換振り飛車は楽勝!」とネット上ではあまりにも有名ですが、地下鉄に組む上で早いですがハメ手ポイントがここです。
正しい手を指さないと急に大変になります。
地下鉄を目指すのであれば、銀や桂馬を動かす前に、38金としなければなりません。
45の地点が争点になっていて、尚且つ後手の飛車が利いています。64角+45歩のコンビネーションが煩く互角ながら受けるのが鬼に様に難しいです。

かなり不服な手が候補に挙がる。

ここでは、86角や37角を打たねばなりません。
場合によっては一発で潰れる変化なので、居飛車党各位は気を付けて、角交換振り飛車を指す方は覚えて損のない手です。

局面は進みますが、ここまで進むと後手の構想の厄介さが見えてくると思います。この陣形に対して地下鉄飛車は利きません。
本来玉の移動で使う手数を省略しているため、66銀や86銀は歩で追い返されてしまいます。
以下一例ですが、

ん?なんかこれ

角換わりじゃあねぇか~!
はい。角換わりになります。
最初から角換わりにすれば良いんじゃね、って思う方もいますが一手損角換わり対策の早繰り銀を消している意味合いがあったりします。

気になる評価値ですがこんな感じになります。
72金型の角交換振り飛車は、地下鉄飛車構想を実現させず、尚且つ一手損角換わりにも関わらず早繰り銀を消せているというのが主張です。

※ここで釘を刺しておきますが、ワタクシ後手が良くなる(勝てる)とは言っていません。意外と厄介だということを共有したかった次第です。

先手:銀冠構想

強い人、何か知らないけど銀冠好む傾向ありません?
ということで次は銀冠です。

これも個人的な意見ではありますが、58金型を構築しているのがポイントだと思います。
右金を守りに使いたいというコンセプトですね。

詳細は割愛しますが、この形で△64角は利きません。
すぐに潰れる変化もないので、しばらく駒組が続きます。
淡々と駒組を続けて下図迄進みます。

銀冠に対してソフトは右玉を最善とするらしいです。
正直な所、この銀冠が固すぎて後手作戦負けなんじゃないかと個人的には思います。
代案としては65歩の位を取るとか何かしら用意する必要がありそうです。

若干奇形に見えますが、65の位を主張としてどうか? という感じです。
銀冠は完成すれば強いですが、手数が掛かるのがネックと言えるかもしれません。

先手:矢倉+58金型構想

実を言うと、ソフト的には銀冠を推奨していません。
上図からは56銀や77銀が候補になります。
まぁ、つまりこれが最難関というわけです。

この構想なのですが先手の陣形がしっかりしているため「先手から45歩から攻めがあります」これが致命的です。
これも推測ではありますが、ソフトの最善であるにも関わらず美濃囲いが角交換振り飛車で用いられているのはこれが原因かもしれません。

先手が66銀と出来るのは、8筋に飛車がいないためです。
中央は銀が手厚く守りの銀がくっついていて、37の桂馬も跳ねられている。
先手が悪い道理が一つもありません。

少し、心境をお話させてください。
「こんな筈じゃなかった。とてもショックです。寝込むレベルですよ、これは……」
後手番KKSに可能性を感じていて、鉱脈だと思って掘ってみたらこんな結果になるとは夢にも思いませんでした。
書き始めた時は「これで後手も大丈夫だね!」って言う予定だったのですが、評価値と自分の大局観には嘘はつけません。
流石にこれはちょっと人に勧められる代物ではないというのがわかったのが今回の収穫です。

今回のまとめ

矢倉回避のために、後手72金型KKSを調べてみたが先手の矢倉+58金型が手強かった。角交換振り飛車は藤井猛しか勝たん!

結構希望を持っていたんですが、本当にショックでした。
他に戦えそうな構想お持ちの方はコメント頂けると大変助かります。
なお、諦めて後手横歩42玉型を調べる予定です。


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