四十の手習い

来る日も来る日も猛特訓。

病気が関係しているのか、どうやら小指が動かしにくい様子で a を打つのが大変そう。でも a なんて恐らく一番使いそうだから頑張って動かすしかない。

家族の名前やら、読んでいる本の帯やら、目にするものをとにかく打ち込む練習。見ていたらなんだかとてもかわいらしい。でも鬼コーチは滅多に褒めず、まだまだだぞ!と檄を飛ばす。

パソコン教室はとても楽しいらしい。それは良かった。四十の手習い(この言葉、元々は六十の手習いだったとか?)とはまさにこのこと。

弱音も泣き言も言わず、わが夫ながらすごいなと思って見守っているけれど、たまに「そんな状況を用意してあげられる奥さんがすごいよ」なんて言われると鬼の目にも涙。そういうの弱い。

職を失い、難病の症状で体も少しふらつくことも増えてきたけれど、料理を覚えて三食用意してくれて、毎朝毎晩ウォーキングを1時間ずつ、そして筋トレ、パソコンの練習・・・結婚して恐らく今が一番頑張っているし、輝いている。そんな姿を見て、私も少しずつ精神的に強くなれるし優しくなれる。

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