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ビジネス・エコノミクス

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ビジネス・エコノミクス関連のレポートを書いていきたいと思います。生煮えのものが多いかもしれませんがスピード重視で。 それから過去に書いたちょっと古いエッセイも”その後”の追加を含…
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#ビジネス

#238 早い者勝ちとは限りません(非IT編)

前回の続きです。 今回は非IT系です。 リース業   オリックス(1964)、日本リース(1963)←米U.S.リーシング (1952) クレジット・カード 日本ダイナース(1960)←アメックス・VISAの前身(1958)、ダイナース(1950)←紙製カード(1910年代)←ペイメントカード(Frank)(19世紀後半)←エドワード・ベラミーの小説(1887) フランチャイズ方式 セブンイレブン・ジャパン、モスバーガー  ←ダスキン(1963)、不二家(1963)←米ケ

#237 早い者勝ちとは限りません(IT編)

「先発優位」「後発優位」の議論ですが、 二番手でも勝ち続けられます 技術革新のスピードアップや製品ライフサイクルの短命化から「後発の優位性が薄れてきている」という意見もありますが、 GAFAも一番乗りではありませんでした それぞれのビジネスや商品・サービスの先発を挙げてみます。 多くはその前に似たビジネスが必ずあります。少なくともゼロから生み出されたものとは言えません。 逆に、死屍累々の追い越された会社。その屍の上に成立しているんですよね。 Google  

#187 日本の中小企業の実態は

日本の経済政策を考えるうえで中小企業の存在を忘れてはいけません。 数はどのくらい占めるのでしょう。 2021年中小企業白書によると、平成28(2016)年で、なんと99.7%が中小企業です。 従業者の割合は 68.8%の人が中小企業で働いています。大企業は大きいからね。 規模別の企業数でみると、4人以下がほとんど。 付加価値でみると、 52.9%に下がります。儲けていないな。 中小企業の売り上げの分布をみると、 売上高の中央値は1,500万円で、売上高1,0

#181 「起承転結」人材論

人の性格は「デット型」と「エクイティ型」に分けられますね。 ローリスク・ローリターンの人。公務員とか ハイリスク・ハイリターンの人。ベンチャー起業家とか これはパーソナリティだけど、人材となればもう少し動的に考えたい。 竹林 一 氏(オムロン株式会社)さんは「起承転結」で分ける 起:0から1を仕掛ける、アイデアを妄想し、行動する人材 承:1をN倍化(10、100、∞)する事業の構造をデザインする人材 転:1をN倍化する過程で効率化、リスクを最小化する人材 結:仕組み

#180 国民年金は積み立てではありません。じゃあ何よ。

#179 で国民年金を積み立て保険かのようにいいました 年金の方式は大きく分けて2つの方式があります。 (1)自分たちの現役時代に老後の年金の原資を蓄える「積立方式」 (2)現役世代がそのときの高齢世代を支える「賦課方式(ふかほうしき)」 (1)はわかりやすい。運用もできます。しかし、インフレに弱く成り立たないことが多い。 よって多くの国で(2)となっています。 日本の公的年金は、積立方式でスタートしたのですが賦課方式に移行してきました。 良く読んでください。「

#179 国民年金の保険料100円だったので1940年世代は年金もらいすぎ

#170 では、1973年以前は年金で老後を生きるという意識は無かったと書きました。 現在、保険料は16,610円/月です。 20歳になったら国民は払わないといけません。 世代格差がいわれます。 昔の保険料はいくらだったのでしょうか? 年金機構のページにあります。 グラフにしてみた 昭和41(1966)年12月まで、35歳未満は100円/月、35歳以上は150円/月。 安い! (もちろんインフレを考慮しないといけませんが 2020年/1965年=4.2倍 ⇒

#178 日本の特許出願数はどうか

#177 は科学論文でした。科学技術はどうでしょう。 特許数で見てみましょう。 WIPO (世界知的所有権機関)「特許出願数(自国を含む世界で出願した特許の総件数)」 バブル期の1990年。「日本」の特許出願数は33万2956件で世界トップ。第2位は「米国」で9万910件と、圧倒的な差が開いていました。 それが2011年まで一度も世界1位の座を譲ることなく、日本は世界一の特許出願大国でした。 2011年。「日本」で47万5070件の一位の出願でした。2位「米国」で4

#177 Q:日本は科学は強いはず?

ノーベル賞を取るんだから、日本は科学論文は強いはず コンピュター科学はアメリカが断トツ? A:いいえ。中国にとっくに抜かれて追えません。 日本は2005年がピークでジリ貧です。 コンピューター科学は中国が世界一です。 中国はコンピュータの現実社会への実装も世界一です。 コンピュータ科学を学ぶなら中国へ留学することになりそうです。 日本の科学技術振興機構(JST)の分析によると、中国が発表する質の高い論文の数と研究領域が激増しています。 領域は、物理、化学、生命

#176 研究開発費は中国が急伸

日本の研究開発費は15兆円くらい。 あまり伸びていません。 中国は急伸しています。 ちょっと古いデータですが、アメリカに並んでいます。 アメリカ、中国、EUがダントツで、ちょっと差を付けられています。 国の大きさが違うので、対GDP費で見てみましょう。 日本はGDP比で少ないわけではありません。 まあ、国の経済規模が伸びていないのも原因です。 成長しないので、研究開発費が出せない。研究開発費が少ないので成長しない。 悪循環ですね。

#175 日本のデジタル競争力28位、過去最低

スイスのビジネススクールIMDが公表した2021年の「世界デジタル競争力ランキング」で、日本の総合順位は64カ国・地域のうち28位でした。 9月29日の発表です。 17年に調査を始めてからの最低。 #125(9月15日) で世界競争力ランキング31位と書きました。このデジタル部門です。 「」内はIMDの高津尚志・北東アジア代表のコメントです。 「デジタル競争力とは行政の慣行やビジネスモデル、社会の変革につながる形として、どの程度デジタル技術の活用や展開ができているか

#174 化石賞も頂きました、ニッポン。

COP26 が2日目を迎えた11月2日、日本が「化石賞」を受賞 日本の受賞理由は、首脳級会合に登壇した岸田首相が、水素やアンモニアを利用した「火力発電のゼロ・エミッション化」の名の下に、石炭をはじめとした火力発電の維持を表明したこと 日本は2019年のCOP25でもこの不名誉な賞を受けています。 COP25は、当時の小泉環境大臣の演説などで「化石賞」に選ばれていて、2回連続の不名誉な受賞となりました。 化石賞Fossil Award 国連気候変動枠組み条約締約国会議

#173 日本の無形資産は大きいの?重要なの?

無形資産に対する投資は上昇しています。 米国の無形資産に対する投資は、2000 年以降有形資産に対する投資を上回っており、 2003 年では GDP の約 13%にまで増えています。 それに対して、日本は 5%まだ低い。 しかも、革新的資産投資(研究開発費)>情報化資産投資>経済的競争力投資(ブランド、ビジネスモデル)と偏っています。

#172 無形の価値って何?

財務データ(モノ、カネ)、セグメント情報にも表れない非財務データ 人の能力、組織のノウハウ、ビジネスモデル、社風、蓄積データ、信用・評判 自社開発ソフトウェア、OJT、ブランド、ガバナンス、知的財産権 知的資本 こんなのも KPI:顧客満足度指数、社会的責任CSR、環境負荷、CO2削減 ESG経営(Environment,Social,Governance:環境・社会・ガバナンス) SRI(社会的責任)投資 特徴は、 担保価値がない 目に見えない(インビジブル) い

#171 Q:日本人は手先が器用なのは本当?

A:はい。江戸時代からの職人気質があります。 ベトナム、日本、韓国、台湾、中国の順に手先が器用と言われます。 外国の医師に聞いても、「日本人が一番手術がうまい」という意見が多い 日本人の投手の活躍。 初生雛鑑別師(しょせいひなかんべつし)ひよこ鑑定士に日本人多い。 この理由を考えてみました。 (1)箸を使っている (2)指紋が密 ①渦状紋、②蹄状紋(流れ形)、③弓状紋の3種類 隆線は渦状紋が一番密 触覚に関係する末端神経がきていて、かなり細かいものまで感じる事ができ