見出し画像

偏見まみれの色眼鏡かけて今日も視界良好

友達を作るのが下手すぎる。
コンビニ、居酒屋、レストラン、ショップ店員、外回りの営業、内営業、会員制スナック、ありとあらゆる接客業を経験し、やっぱり接客業が天職だな……と思うところまで来たのに、業務外だとマジびっくりするくらい喋れない。特に集団が苦手だ。出来上がっている輪の中に入っていけない。大学3年の時に働き始めた居酒屋では店に馴染むまで4ヶ月を要し、8月に入社したのに10月他の従業員の誕生日をみんなで祝っているのを遠くから見つめていた。怖い。大学デビューに成功したっていう話だったと思うんですけどバリバリ嘘じゃないですか?

打ち解けていない間柄でこちらから話を振るという能力が著しく欠如している。人と話すの、怖い。仲良くなったらいけます‼️むしろ仲良くなったら自分の話ばっかりする。それはそれで立派なコミュニケーション障害ですお疲れ様でした。

それに加えて、本来なら一番社会性を育てるべきであった10代後半を拗らせて過ごしてしまったせいで、第一印象を元に相手を雑にラベリングしまうという最悪の癖がある。使い込みすぎてドブ色になった色眼鏡を捨てられないまま28歳になった。どうにかしてくれ!鼓田ミナレもカテゴライズは理解から最も遠い作業だっつってたよ。本当にそう思う。

実写ドラマの平野綾が1人だけアニメの中から出てきたみたいでめちゃくちゃ良かった



たった1年しかなかった福岡生活で、「第一印象が悪かった人とめちゃくちゃ仲良くなる」という経験を二度した。

1人目はバイト先の女の子。出会ってすぐ、やや不躾で不用意な言葉の選び方をしている場面に何度か遭遇して、ソッコーで心のシャッターを下ろしてしまった。何様なんだおれは。書いてて思ったんだけど心の防衛本能が強すぎんだよな、傷つけられる予感が1mmでもしたらすぐ線を引いてしまう。
で、ある日、2人で店のインターホンを設置している最中、手間取ったその子がでっけえ声で「かーーっしゃらくせーーー‼️‼️」って叫んでんの見てちょっと好きになった。なんだこの話。
ちゃんと目え見て話してみたら普段抱えてる不満とか怒りとかの形が似てることに気がついた。「今度ボトルのネームプレートでクソ客デュエルしようね」とか言うから手叩いて笑ってしまった。じゃあ飯でも行こうかっつってサイゼで待ち合わせたら上下ジャージで現れて、その姿見てもっと好きになった。簡単にいらん一線引くくせに好きになるきっかけも簡単なんだよな。

仲良くなってから再び不躾な発言に遭遇して、しかも悪気なくわたしの好きなバンドを貶すような雰囲気の内容で、お客さんの前だったので笑って誤魔化したらすぐに困った顔で「ねえごめんね、四月ちゃんと仲良くなるまで時間かかったの私のこういうところだったんだなってすごい思った、嫌いにならないで」って言われて、いやめっちゃ可愛いなと思った。めっちゃ可愛いなと思えた自分が結構嬉しかった。この子のこと好きなんだなあと思った。
ちなみに異動が決まった時に一番泣いてくれたのもその子だった。「昔の彼氏に振られた時より泣いてる」って言ってた。可愛いな。

2人目は、サークルの同期だった子。偶然福岡に住んでいた。
大学時代、マジですっげえ苦手だった。多分高校の時に一番敬遠していた「クラスの中心にいるなんだかずっと楽しそうにしてるやつ」みたいなオーラが同期の中で一番あったからだと思う。苦手っつーか怖かった。勝手に卑屈になって勝手に馬鹿にされてんだろうなと思い込んでいた。ああいうやつらに馬鹿にされてきた10代だったっていう、その子にはなんの関係もない因縁で。ていうか多分フツーに「ああいうやつらに馬鹿にされてきた10代だった」っていうのがそもそも勝手な思い込みなのに、今思えば誰にも馬鹿にされてなんかなかった、てか誰もお前のことなんか見てねえ。自分のこと一番馬鹿にしてたのは自分だと思う。
サークル、2年の夏から3年の冬までハチャメチャ幽霊部員で、4年生になって突然出戻ったんだけど、前述の通り人の輪の中に入っていく能力が壊滅的なので同期の元にも戻れなかった。新入生にばっかりちょっかいかけてた、新入生はおれが幽霊だったことも君らが入部すると同時に出戻ったということも知らないので接しやすかったです………あと新入生の中に実の弟がいたので溶け込みやすくて…………。逃げすぎ。ダッサ。

まあそんな感じだったのでその子ともほとんどまともに話すことがなく4年間の大学生活を終えた。追いコンライブ後の飲み会で「待って!!!!うちらもう二度と会わないんじゃない!?!?てかうち四月の顔好きだったんだよねーーー!!!!!」って言われた。テンション高くてこえーーーと思った。

で、彼女のいる福岡にわたしが引っ越してきて、連絡をくれたので春に2人でご飯に行った。
昼に待ち合わせして、怖いし緊張するので夕方には帰ろう……と思ってたのに気がついたら22時だった。どんだけ指折り数えても9時間一緒にいた。どっかでタイムスリップした?
なんか話せば話すほど好きになった。彼女はすごく聞き上手で、彼女といると考えがまとまらないまま話し始めても話している最中にゴールが見つかるような、点と点がどんどん線になっていくような感覚を持たせてくれる人だった。すげえうるさいやつだと思ってたのにな‼️いやマジでごめん、誤解だった、一緒にいるとむしろわたしの方がうるせえ。

何度かうちに遊びに来てくれたんだけど、なにをするでもなくひたすら何時間も話し続けるわたしと彼女を見て、配偶者が「四月ちゃん、あの子といる時が一番お喋りだし一番素だね」と言った。本当にそうだな、毎月会ってたのに毎月タイムスリップしてた。
彼女は異動を知っても泣くことはなく(わたしは1人で家で「あんな友達もう二度出来ないよ」っつって勝手に泣いてた)、最後に会った日もいつも通りで、マジで最後!?ウケんね!?って言いながらバイバイした。走りゆくバスを見送りながら、この子と仲良くなれたのが福岡最大の財産だったなと思った。

学生時代わたしが彼女を怖がっていたのを知っていた弟が一番困惑していた。わかんねえけど多分SNS見てるサークルの人らも困惑したんじゃないかと思う。くだらねえラベリングの意味のなさを本当に痛感した。

あー馬鹿だったな。彼女と仲良くなれたことで、あの時もっと勇気を出して同期と仲良くしていたら、と思うことが増えた。みんなにどう思われてたかはわかんないけどわたしは結構みんなのことが好きだった、可愛いな良い子だな楽器上手くてすげえなあ、それぞれに好きなところがあった。終ぞ最後まで誰にも伝えられなかったが。



出身がどこだとか血液型がなんだとかギャルっぽいとかサブカルっぽいとか、そういうラベリングと同時に、「わたしのことを受け入れてくれそうかどうか」みたいな選別をずっと他人にしてきた。キモ……。受け入れてもらうための努力もしてないくせになんなんだてめえは、ずっと引きこもってろ。いや引きこもってんのが嫌だから大学デビューを誓ったんだろうが!自意識過剰も被害妄想も自己顕示欲の大暴走もいい加減にシナサイ🎶

結局向こうから扉を開いてくれないとドアのひとつもノック出来ない。ずっとこうだな本当に。note書くとき、「あの時のわたしは馬鹿で痛くて最悪だった、今はややマシ‼️」という流れで書くことが多いけど、この話に関しては今もなんも変わんない。少しでも好意を示してくれたら全力で飛びつく癖に。
冒頭で書いた10月生まれのバイトの子とは翌年の夏には2人で旅行に行くくらい仲良くなった。結婚式のスピーチもお願いした。でもそれも確か名札のピンを壊したわたしにその子がピンをくれたのがきっかけだった、そんな些細なきっかけをいつもいつも狂おしいくらい待ってる。尻尾振って飛び付くかんね。キモ。誘い受けお疲れ様です。

同期の子と福岡で最後に会った時、電車の中で「引越し先での人間関係が一番不安」と言ったら「四月はどこ行っても友達作れるでしょ」と言われて、「あなたと仲良くなるまで9年かかってんのに……?」っつったら「そうだったね…………」って言われて笑った。そうなんだよ。どうなってんだ。どないせえっちゅうねん。

もう自分はこういうもんだって諦めた方がいいんかな。どうなんですか?その代わりと言っちゃなんだけど仲良くなったらすげえ愛情を注ぎますよおれは、それで許してもらえませんかね?誰に許されたがってんだ。好きな人たちのことが本当に好きだから、一番最初をびびって相手任せにしてしまったことがずっと微妙に心苦しい。

せめて嫌なラベリングすんのやめてえなって思う。同期の子と会った帰り道いつも思ってた、もうやめてえな、だってもっと早く仲良くなりたかったもんなあ。どこ出身でも何型でもギャルでもサブカルでもなんだっていいだろうよ、受け入れてくれそうかどうかなんて自分本位な選別すんのやめろよ。頑張れよお前は、気張れ‼️いやでも………頑張るのってどうやるんでしたかね、もう傷つきたくないしっていう気持ちが延々とぐるぐるしている。ずっと思春期の傷引き摺り芸やってきたけど思ってるよりちゃんと引き摺ってんだな、ウケる、いやウケないです………。
人生で多分一番勇気出した瞬間が、18の時クラスメイトに「わたしも一緒にお弁当食べていい?」って聞いた時だった。あれは頑張ったなあ。何回も書いてるけどあの子らわたし抜きで卒業旅行行ってたな。10年も経つのにあれからずっと怖い。ずっとずっと怖い。

怯えずに人と話せるようになりたい。だせえ色眼鏡は生田川にぶん投げて、人と目を見て話がしたい。バカ騒ぎしたいし男女問わず仲良くなりたい、ホントはバーベキューも行きたい‼️
そんなことを思いながら、新しいバイト先で誰とも会話せず黙々とこれを書いている。いやまだ全然駄目そうで笑う。笑ってやってくれ。じゃあまたね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?