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ピックの改善法とカード評価の考え方

はじめに

スクロマンス環境が始まってから「ピックは重めがいいですか?」などピックの方向性を聞かれることが増えました。それに対して「強いカードを取ればいい」ぐらいにしか答えていないのですが、この記事ではそのように答えている理由を書くとともに、ピックの改善方法とカードをどのように評価すればいいのかを書いていこうと思います。

"環境"という言葉について

ピックの方針(プレイヤーのピックへの意識?)を定めるものとして「テンポ環境」や「リソース環境」という言葉をよく耳にします。その意味自体は正しく使われていて、当然今までの環境などと比べた相対的な表現として使われていると思います。ただ、ピックを改善したいと考えている人に対して「テンポ環境だから〜」とアドバイスするのは正しいとは思えず、そもそもピックの良し悪しは環境というよりその人自身の問題で、環境を理解出来ていないからピックがうまくいかないなんてことはないと考えています。例えば、「リソースに寄せたピック」の基準は人それぞれで、私の考えている基準とその人の基準が異なれば全くアドバイスにならないため、結局はその人のピックを見てみないと何もアドバイスすることができません(そのため強いカードを取りましょうくらいにしか言わないようにしています)。つまりピックは自分自身で気づき、上達しなければいけないという要素がかなり強く、アリーナで平均勝利数を上げる難しさに繋がっていると思います。

ピックの改善法について

まず、ピックで問われているものは大きく分けて以下の2つです。

①3枚のうち最も強いカードを理解しているか
②デッキのバランスも考慮できるか

基本的に前半のピックでは①のみ出来ていれば大丈夫で、後半から②を考えていきます。おそらく①が完璧であれば②が苦手でもピックは平均7勝到達可能ラインだと思います。ただ、①を理解出来ていないとただただデッキを弱くし続ける(正しいピックをした場合と比べて)だけになってしまうので、どんなにプレイがうまくても勝てない試合を増やしていることになります。そのため、カードの強さを理解すること(全順序にするのは難しいのである程度で良いですが)がまずは最も大切です。

強いカードを把握する際によく使われているのがハースリプレイの勝率だと思います。結論から先に述べると、ハースリプレイの過度な使用(勝率を見て高いものをピックすること)はプレイヤーの成長を妨げていると考えています。もちろん何も見ないでピックするよりはその瞬間強いカードを選べている人がほとんどで、勝つためには何も間違ってはいないのですが。これは先程の②とも関連していて、ハースリプレイの勝率はデッキのバランスなど一切考慮しておらず(シナジー系のカードは少しデッキを考慮していることになりますが)、デッキバランスを見る目を養う機会を妨げています。一度使わずにピックをしてみる、とまでは言わずともピックの後に勝率を見てみる、などしてみると違ったものが見えてくるのでおすすめです。

ここからはどのように自分でピックの良し悪しを判断し、自身のピックを改善することが出来るのかについて考えていきます。ここまで引っ張っておいてなんですが特に難しいことは必要なく、単純に負けた試合(勝った試合でもした方がいいです)でどのように負けているのかを見る(考える)だけです。一番多いパターンとしてはハンドが尽きて負けるパターンで、それは単純にピックが軽いです。ハンドが尽きても相手のライフが5など少なければプレイングの問題もあると思いますが、20くらい残っていてかつハンドがない場合には軽いカードを取りすぎまたは重いところを敬遠しがちです。これは環境がリソース寄りだからというより、自分は軽く組む癖があるんだ、と負けた後に考えるべきです。もちろん勝ったときもそういう反省は出来ます。

ではピックが軽いと分かったときにどうするのか、という話になります。先程のハスリプをもう一度取り上げるとすれば、ハスリプを参考にしすぎると毎回同じような組み方になり、なかなかピックを改善出来なくなってきます。例えば序盤の2コスは前より取らないようにしてみる、というのが最も簡単な改善法です(これが必ずしも改善に繋がらないこともありますが、まずは試してみてどうなのかをまた見ていきます)。後はこれをひたすら繰り返していくだけで、敗因はその都度変わると思います。次は除去が腐ったな、とか、除去0のデッキはやっぱりあかん…とか。特に難しいことは何もないですが、どこが悪いのか分からないという場合もあると思うので、誰かにピックを見てもらうと違った見え方もあるでしょう。

カード評価について

先ほども少し述べましたが、ピックではカードの強さを理解していることが大切で、カードを多角的に捉えれば捉えるほどカードの評価が定まり、デッキのバランスを見る際にも活きてくることでしょう。基本的にカードの強さは強い場面での話をされていることが多く、その点だけを見ていくのは平面的な見方で、ここで言う"多角的に捉える"とは、強い場面弱い場面、下振れたり上振れたりするのはどういう状況なのか(前半は強いけど後半は弱いなど)、といった様々な観点からカードを捉えることを指します。同一方向のベクトルであれば順序づけも容易ですが、役割の異なるカードをどのように評価していくかがカード評価で難しいところになってきます。

ここでは例として生の苦悩死者蘇生について考えてみます。以下のAさんとHさんの会話を聞いてどのように思うでしょうか。

H「苦悩と蘇生どっちが強いと思う?」

A「状況によるでしょ。苦悩はピンダメージが出せて偉くて、蘇生はリソースで強い。」

H「他は?」

A「蘇生は下振れると弱くね?」

H「他は?」

A「もうねえ」

もしこのくらいのイメージしか2つのカードにないのであれば、それはまだまだ多角的に捉えることができていないと私は思います。まず下振れたケースでは、苦悩は打てないとき、蘇生は弱いカードが2枚のとき。これらの2つの要素は苦悩は打つタイミングをある程度コントロールできて、蘇生で2枚とも弱いことはほとんどなく(ピックでそもそも弱いカードは避けるかつ弱いカードを引いた場合は出さないで他の択を取ることも多い)、どちらも下振れはひどくありません。除去な分どちらかというと撃ちづらい苦悩の方が私は下振れが大きいと感じます(もちろん1コストなので他の除去よりも腐りませんが)。上振れに関しては蘇生の方が強い。Aさんが挙げていない蘇生の強みを考えてみると、デッキが軽い場合は蘇生が弱いと思われがちですが、例えば改造屋とセットキープすると苦悩のような役割を果たしつつテンポをとることができ(セットキープできなくても)、かつ序盤の安定した動きを保証してくれます。4,5ターン目の蘇生で2、3コストを加えてヒロパの代わりにそのカードをプレイできる、などという場面が多いです。改造屋やスコピのおかげで蘇生もダメージを出し得るのはカードプールの追い風です。プレイでもまたカード評価は変わってきて、そもそも蘇生はセットキープしない人の方が多かったりするのかもしれません。もしこのように蘇生を見たことがないのであれば、こういった視点もあるんだということを知るとカードを多角的に捉えられるようになります。アリーナ配信でピックの際にはカードの評価についてみなさん話すと思うので、それを聞きながら新たな視点が見えてくることも多いかもしれません。

デッキのバランスを見てピックするときに、このように多角的に理解できていると、そのカードの果たせる役割を鑑みてデッキのバランスをよくすることができるでしょう。

おわりに

今回の記事では結局当たり前のことをつらつらと書いたような気がしますが、当たり前が難しいこともあるので、平均勝利数で伸び悩んでいる方はこういったことを意識してピックに臨むといいと思います。デッキの組み方が変わればまたプレイするのも楽しくなってくるはずです。ご一読ありがとうございました👋

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