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会社員に向かないと判明した日

私は、自営業の家で育った。

祖父も父も…なんなら親戚一同、みな技術者だった。

建設業というと、3kといわれるほど世間のイメージはよろしくなく人材難だ。実際、そのイメージは間違っていない。しかし、適性と根性さえあればきちんとした職人芸が身につき、向こう50年は食べていくのに困らないという業界でもあるのだ。

まあ、それはそれとして…私は憧れていた。

サラリーマン=安定収入に。

あいにく、私が選んだ仕事はこれまた不安定な外国語を使う仕事。が、私は心からその仕事と、じぶんについてくれるお客さんを愛していた。

だが、背に腹はかえられず安定を求めてある大手企業のOLになった。コールセンターでのヘルプデスクが私のそこでの仕事内容だった。

やはり大手企業なだけあって、田舎にしては高待遇で人間関係も悪くない。

…が、しかし。

安定収入を得られる安心感とは引き換えに、私は日に日にココロが削られていくのを感じた。会社で研修を受けても、ちっとも頭に入ってこない。それどころか…思い出すのは過去にしていた仕事の思い出ばかり。でも、他の人は楽しそうに働いてる。

私はここでなにをしてるんだろう?ロボット1号じゃあるまいし…。

とうとう限界を感じ、退職した。会社勤めは無理だとわかった。普通の会社員になれないという現実が、すごくショックだった。みんなと同じことをしようとしても、どんなに頑張ってもできない。

ならば、個人事業主として働けるよう手に職を持つしかない。







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