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「狼月の夜」ショートショート 【400字】
「ワオーン!!」
満月の荒野で遠吠えをする、口から小さく白い呼気が揺らぐ。
「ワオーン」
遠くで俺の声に反応している奴がいる。
「生意気な奴だ」
俺は「狼月」
満月の日に生まれた凶暴な狼だ。
「腹が減ったな」今日のオカズは何にしてやろうか。
満月を眺めながら自慢の鼻をヒクヒクさせ獲物を探す。
瞬間まぶしい光に俺は目を潰された
「クッ!」
「マリモちゃん!うるさい!ご近所迷惑でしょ!早く入りなさい!」
あ、本名呼ばないで下さい。
渋々庭から部屋に上がる。
「はい、お手」
つい言われるがまま片足あげてしまった、雑巾で手足を拭かれた。
足は弱いんです優しくしてね。
「はい!お利口さん、ごはん食べようね」
尻尾ぶりぶりだ。
「待て!」
待つよ。
「よしっ!」
わーい。
俺は無我夢中でディナーを食べる。
俺の名は「マリモ」
漆黒の黒プードルだ。
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明日1月18日の満月は、寒さの厳しい冬にお腹を空かせた狼が遠吠えすることにちなんで「ウルフムーン(狼月)」と呼ばれているそうです。
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