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5月29日 ふたりの画家、ひとつの家、毛利眞美の生涯

倉敷川の白鳥の雛は二羽とも残念なことに。
写真のような光景を思い起こしつつ、なにごともなかったように親鳥たちが水面にたたずむ姿を目にする朝。

しばらく、こちらに書き込むことができないが、その間も、相応に各所を訪ねたり、本を読んだりしている。

その中で、昨日、読んだ、この本に大きな刺激を受けたので、短文を。

「ふたりの画家、ひとつの家 毛利眞美の生涯」

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%B5%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%AE%B6%E3%80%81%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%AE%B6-%E6%AF%9B%E5%88%A9%E7%9C%9E%E7%BE%8E%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B6%AF-%E9%AB%98%E8%A6%8B%E6%BE%A4-%E3%81%9F%E3%81%8B%E5%AD%90/dp/4487816947/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=291R6N46OX8LC&keywords=%E6%AF%9B%E5%88%A9%E7%9C%9F%E7%BE%8E&qid=1685317210&sprefix=%E6%AF%9B%E5%88%A9%E7%9C%9F%E7%BE%8E%2Caps%2C185&sr=8-1


このタイトルだけだと最初はわからなかったが、毛利眞美さんは、大原美術館に作品が所蔵されている堂本尚郎さんの奥様で、右美さんのお母様。

ただ、あくまで一人の画家であり、一人の人として、毛利眞美さんが語られている姿勢が明確な本。
その点でも、一気に読み通す興味深い内容だったが、やはりどうしても1950年代のパリ時代から親しい交友を持つ高階館長との交遊に心揺さぶられる。


大原美術館では、やはりパリ時代を共にした芳賀徹先生をお招きしてのシンポジウムの際など、尚郎さんがお一人でひょっこりお見えになったり、有隣荘で尚郎さんの作品が展示された際には、眞美さんと右美さんが連れ立ってお越しくださり、高階秀爾館長が嬉しそうにお迎えする姿がとても印象的だった。

そんなご一家、中でも尚郎さんと、高階館長との交遊の深さや熱さは、これまでも感じていたが、この本を読んで、あらためて実感させられる。

尚郎さんが亡くなられて、はじめて館長にお目にかかった際、そのことで少しだけお声をかけさせていただいたが、いつものように少しはにかむ様な様子で淡淡として口調で受け答えされた。

ただ、この本で知らされた弔辞のシーンは、とても私などの思いは追い付かない。

ほんとうに親友だったんだなと思う。
そして、高階館長は、若かりし頃から、そうした素晴らしい表現者と深く語りあってきたからこそ、今でも、新たな創造に向かう作家たちに、ほんとうに心からの尊敬と支援の気持ちを忘れないのだなと思う。

読んだばかりなので、まだうまく自分の中に落とし込めないが、そうした交友の積み重ねが、後々まで、様々な実りを残すのですよね。

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