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発達障害者の自助グループの立ち上げ方と運営ノウハウ

○はじめに

発達障害についての世間での認知度は、数年前にくらべてずいぶんと上がってきました。しかし、まだまだ支援制度は不十分で、有効な対策は模索中というのが現状です。

このような中、発達障害の当事者、およびその家族は、公的支援が揃うのを待っている暇はありません。私も当事者のひとりとして、仲間達が傷つき、自信を失っていくのを見るのは本当に辛いです。その上で、現時点において、唯一、発達障害者に対してまともな支援をできるのは、「当事者たちによる自助グループしかないのでは」と感じています。

○自助グループの運営ノウハウが必要な理由

自助グループは泡のように、結成されては消え、出来ては消えています。
本当は、もっともっと多数のバリエーション豊富な自助グループがあるべきなのに、まったく足りていません。
事実、私たち『さかいハッタツ友の会』のグループも、過去、あまりにも急激に会員数が増加したため、混乱をきたしたこともありました。
そこで、私たちが経験したノウハウを、ここでお伝えすることで、すこしでも多くのグループに立ち上がってもらい、生き残ってもらいたいと考えたからです。
ポイントを押さえておかないと、必ず潰れます。

◯立ち上げ時にすること

1.主催メンバーを集める
設立にあたっては、できれば2人以上の当事者がリアルな知人である方が良い。1人で始めてしまうと、すべて1人でやることになるから。

2.主催メンバー間の合意形成
まずは創設者たちの中で、しっかりとお互いの話をする。運営の方法ではなく、自分たちの今まで生きてきた話です。その中でお互いを理解し、役割の分担などを考えていく。

3.スタートアップは宣伝が肝心
参加者がいつまでも増えなければ、1年以内で自然消滅してしまう。理想は、15人くらい。宣伝は、地元のコミュニティー誌やフリーペーパーにプレスリリースを行ない、無料で記事を掲載してもらう。
また、ハッタツ界隈のインフルエンサーにツイッターで告知を依頼したり、「こくちーず」などに登録しイベント告知をする。

4.会場の選定
会場は、交通の便が良く、クローズな環境をつくれる公共施設の会議室などがベスト。障害者団体登録をすると利用料の減免が受けられる施設もあります。平日昼だと個室のあるカフェなどでランチ会などもできます。

5.日程の決定
開催日程によって参加者の層が決まります。平日の日中だと、主婦さん、および当事者の親が集まりやすく、平日夜や土日祝だと、若年層の当事者が多く集まる。

6.主催メンバーの作業は最低限に
主催メンバーは自助グループに専任できるわけではないので、不要なことはやらない。
(不要な事例)事前申込なし、茶菓子を用意しないなど

7.グランドルールは先に作成しておく
自助グループのグランドルールは事前に作成しておく。他グループのルールを参考にするとよい。僕が使っているルールを参考にリンクしておきます。
 参考URL:https://1drv.ms/u/s!ApRelCFF_JGqgZpoJyy5Y8CD6YWJnw?e=5wNTUC
細かい運用はその都度考えていけばよい。

○1年継続できたら

1.公的機関、発達障害者支援センターや社会福祉協議会、保健所などと連携する。
2.個別の相談には乗らない。
3.症状が非常に重度、または二次障害が重い場合は、無理に受け入れない。
4.グループの人数が15名を超えるようになったら、随時グループを分割していくこと。そのために、主催メンバーは後継者を探しておく必要があります。

○最後に

自助グループは継続することが、一番大事なことです。そのためには、リーダーが孤立しないために、独走せず、衆知を集めること。今、必要なのは当事者による自助グループですから。

この記事は下記の記事を引用元にして再構築してみたものです。


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