感覚刺激について
発達障害の当事者の困りごとに多いのが「感覚への過敏と鈍麻」です。特に過敏なことで困ることが多いんです。
ここでいう感覚とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感に、前庭覚と固有受容覚を言います。五感の過敏や鈍麻は暮らしの中でさまざまな影響が出ますし、前庭覚と固有受容覚の異常は運動機能に影響を与えます。
訴える人が多い過敏の具体例をあげていきます。最初に「視覚過敏」の具体例をあげると次のような症状が出ることが多いです。
・明るさが全般的に苦手
・コントラストが高いと文字がチラチラする
・文字がモザイクに見える
・文字が揺れる
・視野が狭い
次に「聴覚過敏」だと
・音の聞き分けが苦手
これは、周りの音に過敏でカクテルパーティー効果が
機能していない状態
→本人には生まれつきの聞こえ方なので気づきにくい
・音を詳細に聞き取れない
→詳細な検査が必要
という具合です。
「触覚過敏」だと
・衣服のタグが肌に触れるのが不快
・化学繊維の衣服は肌に触れると痒くなる
・靴下が履けない
などが出てきて、おしゃれの幅が狭められたりすることもあります。
他にも、触覚(痛覚)が鈍麻で、怪我をしてもあまり痛くなかったりする方もいます。こうなると、病気や怪我の痛みを感じにくく重篤な状態まで気づかないというようなこともあります。
また、感覚刺激の過敏や鈍麻が当事者にとっては当たり前になっていて気づいていないことも多々あって、自助グループなどで指摘されて気づくことが多いと感じます。
こういった感覚刺激の過敏や鈍麻に対して、当事者はいろんな工夫をして対処しています。
視覚過敏の方は
・薄い色のサングラスを使う
・真っ白な背景やノートを使わずに、薄い色をついたものを使う
・字体(フォント)を「ハネ」のないゴシック体に設定する
などして、自分が読み取りやすい環境を作っています。
僕自身も上記の対応やディスプレイのコントラストを下げるようなことを発達障害の診断を受ける前からしていました(大卒から18年間システム開発会社に勤めていました)。
周囲の音に過敏な方は
・耳栓やイヤーマフ(耳を覆う防音具)などを使う
・ノイズキャンセリング機器を使う
をしたり、静かな場所に移動して話すなどの工夫をしています。
他にも感覚統合療法を受けたり、安心な場所での外遊びで感覚を育てていくような方法もあります。
この感覚への過敏や鈍麻を自分なりに上手くコントロールすることで、生活の質が上がって前向きになっていけると思います。
次回は「発達障害の特性を補うツール類」について書いていこうと思います。
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