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#エッセイ

お猫さま

猫を飼っている。 震災の前年から飼い始めたので もう、12歳になる。 1歳前に去勢したので、 いつまでも子猫のような、おぼこい顔だ。 気分も子猫のまま。 尻尾を高々と持ち上げ、お尻の穴を見せびらかして甘える。 子どものころから、実家では猫を飼っていた。 ペットとしてではない。 田舎の漁師町では、当たり前だったと思うけど ネズミ除けのためだ。 古びたボロボロの屋根裏では、よくネズミが運動会をしていた。 猫を飼っているお宅は多かったけど、野良ネコも多かった。 漁師町だから、猫が

通勤用かばん

歳をとると、なんでも軽いほうが良い。 通勤用に使っていた、かばんのファスナーが壊れた。 通勤用のかばんの中身は、財布やスマホ、ユニフォームにおにぎり。 お茶の水筒に、エコバッグ。定期券。 ひとつひとつは軽いけど、合わせると結構重い。 新しいものを探すけど、なかなか気に入ったものが見つからない。 しょうがないので、ファスナーが壊れたバッグをそのまま使っていた。 靴店の棚に、可愛いリュックが展示してあった。 オフホワイト。 ポケットが多い。 何より軽いし、お値段も消費税分が

お猫さまとアタシ

実家にいたころは、常に猫がいた。 田舎だし、当然外飼いだった。 怪我をして帰ることもあれば、 外泊して2.3日帰らないことも、あった。 動物病院が無いから、去勢避妊もされてない。 大人たちは、産まれた子猫や子犬を平気で棄てていた。 そして、犬や猫は拾ったり、もらってくるものだった。 小学生のとき、拾った錆の子猫を飼い始めた。 学校から帰ってきて、家にいたら 弟が泣きながら駆け込んできた。 涙でぐしゃぐしゃ。 動揺で歪み、笑っちゃうくらい不細工な顔。 「猫が車に轢かれて死んで