お気に入りの曲が作れない

この記事とはあまり関係がないのだけど、音楽に関して言うと僕の場合「同じ曲やアーティストを何度も聴く」行為が難しくて困っている。

どういうことかといえば、「あ、これいい曲だな」と思ってお気に入りのプレイリストとかに入れて、何度も聴いているうちにある瞬間から「ああ、もうこの曲は二度と聴きたくないな、反吐がでそうだ」というぐらい強烈な嫌悪感がわきおこってくるんだよね。僕が10代の頃好きだった曲やアーティスト──ウルフルズやブルーハーツ、BUMP OF CHIKENやらなんやらも、20代の頃好きだった鬼束ちひろやら宇多田ヒカルやらのかつての名曲も、もはや今聴いてもまるでいい曲だと思わないどころか気持ち悪くなってしまう。

とはいえ嫌悪感が湧いてくるのはあくまでも「何度も聴いた曲」であって、新曲であれば聴けるから(時々新曲さえも嫌悪感が沸き起こってきて聴けなくなるアーティストもいるけど)マシなのだけど。しかしどんなに初回でいい曲だな、素晴らしい曲だなと思っても、40回も聴いたら「二度と聴きたくないゾーン」の曲になってしまうから、僕にとって音楽、楽曲というのはとてもつらく悲しいものでもある。素晴らしいと思ったものを何度も聴いていると、次第に自分の中に嫌悪感を巻き起こす憎むべき存在に変わってしまうのだから、これが悲劇でなくてなんなのだろう。

そのため僕は音楽を聴きたい時は「お気にいりのプレイリスト」も「お気にいりのアーティスト」も作らず、ひたすらYouTubeMusicで一度も聴いたことがない曲を流している。

もしくは、まったく音楽を聴かないか。たとえば、20代後半の2年ぐらいほぼ音楽を聴かなかったことがあった。家で動画は観ていたしゲームもしていたので別に音楽を完全に遮断していたわけでもなければ、音楽を聴かないぞと決めたわけでもなく、イヤホンが壊れたか何かで移動や作業中に音楽を聴く習慣が消失しており聴かなかったのだ。で、ある時ふと「そういえば最近音楽聴いてないし、イヤホン買ってくるか」と思って音楽をきいてみたら、音楽ってなんて素晴らしいんだ!! とものすごく感動した記憶がある。

同じような経験(数十回も同じ曲を聴くと嫌悪感が沸き起こって聴けなくなる)をしてる人をみたこともないしきいたこともないが、こんなことわざわざ人に言わないからかもしれないな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?