地磁気逆転

03/19 一日仕事。いよいよリリースが近い。今回リリースするアプリはけっこう気合が入っているし個人的にもおもしろい仕組みのものだから、リリースが楽しみだなあ。リリースされたら自分でも使ってみたい……。

今日は記事を書こうと思っていたが、『月の光』の記事を書いて疲弊していたこともって断念。小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』で書こうと思っていたが……。おもしろいし、記事を書くぞと書けば書けるのはわかっているけれども、構造やスタイルや文脈やキャラクタ的にあまり特筆すべき部分がなくてすっと書き出せないな。漁の仕組みは面白いが。もうちょっと寝かして何か記事にするときの切り口が思い浮かぶのをまとう。

かわりに菅沼悠介『地磁気逆転と「チバニアン」──地球の磁場は、なぜ逆転するのか』読む。ブルーバックス。これはおもしろいねえ! 地球は表面の地殻、その下のマントル、その下に外核、さらにその下に内核があり、外核は電気を通す液体の金属から作られている。そこで対流がおこって電気が流れ、発生した電流は新たに地場を作り出すから、地球には磁場が生まれる。で、磁石を触ったことがあれば明らかなようにこれにはN極とS極があり、それぞれの極でくっついたり離れたりする。その性質を利用し北と南を判断したりするわけだけど、近年これが「逆転」することがわかってきた。

その原因は地球のコアとマントルの間に通常とは逆の磁束斑が生まれていくからではないかとされているが、まあそのへんはおいといて、「じゃあ磁気を頼りに移動する生物は磁場が逆転したらどうなっちゃうんだろう」という話がおもしろい。たとえば磁性バクテリアという単細胞生物は体内に持つ磁石を方位磁石として泳ぐ習性を持っている。これは、北半球では地磁気の伏角が下向きであることから、常に磁石を頼りに移動することで下向きに逃れられることが理由であると考えられる。だが、地磁気が逆転した場合こいつらはみんな敵に向かって泳いでいくわけですぐ全滅するのではないか。

だが、実は磁性バクテリアは群れで磁場の方向に一斉に泳ぐのだが、群れをよくみるとごく一部の個体はそうした「みんな」が行く方向とは別の方向に泳ぐようなのである。『彼らは、磁場の向きを変えると、また群れとは逆向きに泳ぎだします。どうやら、磁性バクテリアには、ごくまれに、他の個体と逆の動きをする個体が生まれてくるようなのです』。

こういうのを読むと「うおおおおおおおおおもしろいいいいいいいいい」と思いますね(雑な感想)。みんなおもしろいとおもうんだけど、プログラマとして長年働いていて仕事の関係者らの人たちとかこういう話をしてもだいたい「はあ……?」みたいな反応しか返ってこないのが悲しい。

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