全身的な免疫力の低下を引き起こす要因

全身的な免疫力の低下を引き起こす要因

人間は様々な細菌やウイルスなどの微生物と共存しながら生きています。そういった微生物や毒物などから体を守ってくれているのが免疫です。免疫機構の中心は腸管にあり、腸管免疫が正常に働けなくなることで、様々な感染症や慢性疾患、アレルギーや自己免疫性疾患などが引き起こされます。腸管免疫が機能不全になる理由として、
・腸内細菌との共生の破たん
・消化管の炎症
・栄養欠乏
などがあります。

人間の腸管には様々な細菌が住み着き、人間と共生しています。善玉菌や悪玉菌といった言葉は皆さんも聞いたことがあると思います。善玉菌を増やすために乳酸菌やビフィズス菌を積極的に摂ることを、プロバイオティクスといいます。また消化管に元々住んでいる善玉菌を増やすために、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などを積極的に摂ることを、プレバイオティクスといいます。普段の食生活が腸内環境に大きな影響を与えるのですが、誤まった食生活が続くとこの腸内細菌のバランスが崩れ、人体にとって有益な菌が減少し有害な菌が増殖するようになります。これにより、腸内細菌の共生の破たんが引き起こされます。

また消化管の炎症は、抗生物質や消炎鎮痛薬の使用、病原菌の感染などによっても引き起こされますが、最も良くみられる原因は誤った食生活です。砂糖の過剰摂取は腸管内でカンジダ菌の異常増殖を引き起こし、これが腸管に慢性炎症を起こし、リーキーガット症候群を引き起こします。免疫機構の中心であり、栄養吸収の中心でもある小腸は、その活動のための栄養を吸収した栄養分からではなく、食べ物から得られる栄養素そのものから賄っています。その栄養素とは、タンパク質の構成要素である20種類のアミノ酸の一つ、グルタミンです。タンパク質は20種類のアミノ酸まで分解されてから小腸で吸収されるのですが、グルタミンだけはそのまま吸収されるのではなく、小腸の活動のエネルギーとして使われ、体内には取り込まれません。そこで体内で必要となるグルタミンは、他のアミノ酸から体内で合成され作られることになります。

これら小腸の栄養源となるグルタミンの元であるタンパク質や、大腸の栄養源となる単鎖脂肪酸の元である食物繊維が不足すると、小腸や大腸が正常に機能できなくなります。これが腸管内の細菌相を乱し腸管免疫を低下させたり破綻させたりする原因となりますから、毎日の食事から十分な量のタンパク質や食物繊維を摂る必要があるのです。また各種ビタミンや必須ミネラルなども、腸管が正常に活動するために必要ですし、免疫機構が正常に作動するためにもまた必要となります。ですから毎日の食事の中でバランス良く栄養素を摂るように、様々な食品を摂取する必要があるのです。(歯医者が虫歯を作ってるより一部抜粋)

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