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火は怖い

昨晩、ボヤ騒ぎに遭遇しました。

色々教訓があったので、書きます。


発火から消火までの経緯

火元は、カセットボンベ。

キャンプや鍋で重宝する、小型のガスボンベです。


店主が料理を炙ろうとして、カセットボンベの頭にバーナーヘッドを取り付け、火を付けました。

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するとどうやらバーナー部分が壊れていたらしく、結合部分からガスが漏れ、そこに引火!!!


熱さに耐え兼ねた店主が、水道のシンクにボンベとバーナーを投げ込みました。


が、燃料そのものが燃えているので、水道の水をかけたくらいでは火が収まらない。


およそ20秒程で、火は天井近くまで勢いよく燃え上がりました。


その間、思考を巡らせる。

火元はガスボンベ=燃料=簡単には消せない

どうする?

消火器だ!

確かビルの踊り場に消火器が置いてあった!!


急ぎ消火器を取りに行く。


黄色いピンを抜いて

ホースを火元に向ける

噴射スイッチを握る

→すぐに噴射しないので、一瞬「おや?」と思いました。

→すぐ出ないからと、ホースの先を覗き込んだりしたら大変です。


約2秒後、勢いよく消火剤が噴射されました。


無事、初期消火で収めることができた。


発火前の異変

今思うと、発火前に異変があった。

料理を炙ろうとバーナー付きのボンベを手に取った店主が呟いた。

「あれ、ボンベが空になっている。まだそんなに使ってないハズなのに。」


空のボンベを取り外し、新しいボンベにバーナーを取り付けたが、その時点でなんだかガス臭がした。


「なんかガス臭いね。ボンベが爆発してボーンってなったら、が折れるよ」


呑気にこんなつまらないダジャレなど言わずに、

「危ないからやめとけ!」

と言えば良かった。


が、客の身で、ほんの少し(私にとっては致死量の半分)くらいのカクテルを飲んでいたので、陽気でアホなおっさんになっていた。

(おや?それはいつもだっけ?)


恐らく、バーナー部分が何らかの理由で壊れていたか、うまく結合できていなかったために、常時ガス漏れを起こしていたと思われる。


火を取り扱う際、道具の点検はとても大切ですね。


鳴り続ける火災報知器

テナントビルのため、火災報知器をOFFするスイッチは、施錠された管理室にあるとのことでした。

が、深夜の出来事でしたので、管理会社は連絡がつかない。

管理会社が警備会社と契約をしており、警備会社の社員がかけつけ、報知器を止めてくれました。


音に驚き、3階建てのテナントビルから、各飲食店店舗の関係者や、お客がぞろぞろと出てきて不安そうに立ち往生している。


程なく警察と消防隊が到着しました。


消防団って大事ですね

私は4年程前から、近所の町内会長さんに誘われ、消防団に入っていました。

知人からは、「お酒飲めない奴が何で消防団入ったの?」なんてからかわれました。

まあ、私も入団前は、地域のおっさんたちがお酒の団結で集まっている集団なんだろうと偏見を持っていましたが、過去の俺、バカバカ!


主に地域の自営業者が集まり、皆さん地域愛が凄い!


あまり雪が多くない地域なのですが、数年置きに多く積もることがあります。

雪が積もったある日、近所を車で走っていたら、消防団の先輩が、幹線道路沿いを雪かきしていました。

声をかけたところ、「消火栓が雪に埋まると、火災時に困るから、雪が積もると消火栓部分を雪かきするんだよ。」


手伝うことを志願したが、「仕事が忙しい若い奴はやらなくていい。俺みたいな暇なジジイがやればいいんだよ。」と。

代わりに、訓練とかそういうのはしっかり頼むよと。


男前!!!!!


幸い、4年間の消防団活動で、実際の火災現場に出動する経験はありませんでしたが、普段から、火災や災害に対する備えや、考え方を養っていた分、それを発揮することができたと思います。


だって、消火器の置いてある場所なんて、普段気にも留めませんよね。


でも、防災への意識付けを普段から心掛けることで、いざという時に、頭が回り、体が動いたのだと実感しています。


ちなみに、今の街には結婚を機に住むようになったため、友人らしい友人が少なかったのですが、消防団で知り合った近所の人たちに、とてもかわいがって頂いています。


消火後の話

火災時、店内には私たち夫婦と、20代の女性客がいました。

女性客には帰るように伝え、妻には、濡れたコートを取り換えるために、一旦帰宅するよう伝えました。

妻のコートがずぶ濡れになった理由ですが、妻は自分のコートをトイレで濡らし、それを消火に利用しようとしたそうです。

ずぶ濡れのコートで寒空を帰らせるわけにはいかないので、一旦私のコートを貸し、別のコートと取り換えて戻るようにお願いしました。


戻って来た妻の恰好は、先ほどまでのお出かけスタイルではなく、掃除婦みたいな恰好。


なるほど。


お前のそういうところ、惚れ直したよ。


「ブラック企業の跡取り婿なんだが、俺はもうダメかもしれない」第10話で触れましたが、私たち夫婦は12年程前に、家業の事務所の火災を経験しています。


「火事後の後始末の大変さ、切なさは、独りでやるもんじゃないよ」と妻。


ところで、消火器の粉って、人体に悪影響ないの?


いっぱい吸ってしまったからググっていると、

「あんた、長生きしたいの?太く短く、ギャンブルみたいな生き方なのに?」
と突っ込まれました。


うるさいわ!!!

俺だって、好きでこんな人生を生きているわけではあります


消火器の粉は、人体に無害だそうです。


それと、掃除機で吸うのはNGだそうです。


1時間程で、警察や消防隊の事情聴取が終わる。


隣の店舗の方が、デカいダスキンモップを貸して下さいました。


ダスキンモップ最強説!!!


一度掴んだ粉、決して離さない。


多分、ダスキンモップがなかったら、掃除にあと3倍時間がかかっていたと思います。


消火器の中身は細かい粉


粉は手強いです。


場を和ませようと、「こなくそ!こなくそ!」と、一生懸命ギャグを連呼しましたが、店主と妻は黙々と掃除・・・


どうやら、二人とも坂本龍馬に馴染みがないらしい。

歴史を学ぼうよ~☆


3時間程、粉まみれの店舗掃除を手伝った。


30代前半の店主。


長年飲食店に勤め、火の扱いには慣れていたハズ。

そのため、火を目の前に何もできなかったことを悔やんでいた。


怪我人無く、ボヤで済んで良かったんだよ。


独立してお店を構え半年程。こんなことで、挫けるなよ!


ビル中の店舗に、全部お詫びするように伝えました。


もしかしたら、厳しいことを言われるかもしれません。


でも、きっと、同じ飲食店経営者として、若者のチャレンジを、皆さん応援してくれるに違いないと信じています。


だから、挫けず頑張れ!!!


一体、何の義理があってそこまでするのかと誰かに聞かれたら、こう、答えようと思います。


「早く店を再開してくれないと、うちの奥さんのストレス解消ができなくなって、俺がサンドバッグにされちゃうからです。」と。


2020年1月29日

座右の銘は不撓不屈

座右の銘太郎

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