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学生指揮より② 「祝いのために」に寄せて

おことわり

自由に書いていいと言われたので、はちゃめちゃに書かせていただきます。

曲の見どころ

※曲の推しポイントについては各パートのnoteをご覧ください。

他の曲に比べて奏者の平均年齢が低く(ソース:自分の直感)、1年生ながら1stを担当している団員もいて指揮台からも非常に若い力を感じます。こう終盤になると、良いところ紹介され尽くされて、語彙力がない自分では「何分何秒のここの和音がエモい」、「この音だけ額縁に飾って小一時間鑑賞したい」、「ここ天才すぎてキレそう」みたいなやばいフレーズの百鬼夜行を創造しそうなので曲についての情報は割愛します。いつも曲紹介頼まれてるのに狂った文章を書いてしまうのは妖怪のせいなんです、すみません。ただ、世に出回っていない川越先生の作品であるからこそ、事前の情報なく純粋に曲そのものを楽しんでほしいと思うわけです。今回の演奏は休憩前なので、休憩中に脳内リピートさせることのできるような、でも第九が始まる頃にはなんとかリピートが終了する印象的な演奏になれば幸いです。

指揮者の頭の中は遊園地なのか?

有名なクラシックとなると、ネット上で大御所指揮者による演奏を見れたり、いまだに楽譜の改訂版が出たりしていてある種のバイアスがかかった状態でスコアをどうしても見てしまいます。しかし、川越先生の作品の場合、例えば今回の『祝いのために』は初演以来の演奏であり、聴けるのは一つの音源のみでした。こういった状況ですので、何よりも大切なのは楽譜とただ向き合い、対話を試みることでした。そう、楽譜は喋るんです!(…?)楽譜と向き合うことで音符の声だけでなく、作曲された川越先生の込めた思いさえ汲み取ることができます。今年の春の時点ではなかなか難しかったのですが、前回の定期演奏会での代指揮の経験を通して、今回の練習中には少しばかりですが、楽譜の中に先生の姿を見出すことができたと感じています。僕自身、また奏者のほとんどが先生にお会いしたことはありませんが、今回の演奏も先生の作りたかった音楽になることを確信しています。

楽譜と喋れるようになってきたのは我ながら微笑ましいことなんですが、人と喋ることがそこまで得意じゃないので、これを読んでいる団員の中には「お前、そんなこと考えてたのかよ」って思う人もいるかもと怯えています。またみなさんの前に立つ時が来れば譜面台の物陰に隠れながらでありますが、脳内の音楽ワールドどんどん開示してもっと深いレベルで音楽感を共有していきたいなと思います。秋山先生の指揮による練習中も後ろで見学しつつ、土足で先生の脳内音楽ワールドを垣間見ていました。指揮者始める前はそんな世界があるなんて想像していなかったのですが、楽しいです。指揮者やってみませんか?

不思議な生き物 指揮者

当団の学生指揮者の顔ぶれは不思議なことに僕が入団して以降そんなに変わっていません。個性も「イかれたメンバーを紹介するぜ!!!」で出てくるバンドメンバーに引けを取らないくらいには強いです。詳しい指揮者の生活については残り二人のどちらかがモーニングルーティンでも公開してくれると思うので、そちら参照してください(ふざけた文章を書いているナウなの自分だけかもしれない)。先輩方の背中ももちろんですが、後輩たちが指揮台で頑張っている姿を見ると、自分も頑張らなきゃと心の支えになっています。本当にいつもありがとう。そんな不思議な指揮者たち、奏者たち、そして練習を見てくださる外部の先生方、北大オケを守り続けてくれているOBの方々等たくさんの方と共に作る100周年の記念演奏会となります。ぜひ、お楽しみください。


P.S.次に『祝いのために』を演奏する未来の団員に向けて、演奏音源とボーナストラック「Q1:チカホは北大構内まで延伸されましたか?」を収録したいです。

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