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番外編01「歌手宇宙」解説

制作秘話を書きたくなって…

いつもはここにエッセイをアップしているのだが、今回は番外編ということで「M3-2023秋」でリリースした「歌手宇宙」という私のミニアルバムについて解説する。
なお2023年12月現在、CD「歌手宇宙」は古町MOIの出演するイベントと、大阪の「シカク」という店舗(通販あり)でのみ取り扱っているので、気になったらぜひ。

シカク在庫切れの場合は再入荷を気長に待つか、YouTubeとSoundCloudの試聴や一部フル視聴できる曲もあるので…ぜひ、それらを聴きながら読んでいただきたい。

そして既に購入済みの方は、この解説を読むことで更なる驚きがあることだろう。感想をお待ちしています。古町MOI

ジャケットアートワークについて

この画像を見てピンと来る人もいると思うが、今回のジャケは電気グルーヴの「VOXXX」に似せている。でも最初からそういうコンセプトだったわけではない。結果的にまとめ上げたらこうなった。
もともと今回「スーパーモイズ」という新しいサークルで再出発するにあたり、アイコンとなるようなキャラを考えていた。なぜかアイロンビーズで。

しかも十数年ぶりに作った

それで閃いたのが「おかしのまちおか」のキャラみたいに前髪がMになってて、左右のツインテールがSとZになってるキャラ!スーパーミルクチャンが好きなので「スーパーモイズチャン」というのはどうか。

まちこちゃんっていうらしい

そんなイメージで「どや顔で黄色い髪のキャラ、顔と赤いネクタイまでの部分」は先に完成した。
「デニムのテクスチャにこの子を貼り付けたらVOXXXみたいになる!」と思いつくまでが長かった。
デニム素材は自前のズボンから撮って使った。ちなみにイラストからデザインまで全部、古町MOIがやっている。
長年お世話になっているフリーソフト「ファイアアルパカ」さまさまである。

電気のVOXXXはとても好きなアルバムなので、今思ってみれば恐れ多いパロディーなのだが、あれよあれよという間にジャケと1曲目は全部完成していた。
まさに今作のテーマの「過集中」が発揮されたのだった。

01 宇宙に飛ばせスーパーモイズ

VOXXXといえば合成音声の「こんにちは、電気グルーヴです。」という導入で始まるのは有名。私はその真似事を、すでに2015年の1st「何奴砂漠は井原美知」と2nd「カキクケコラージュ」でやっていた。

その時は「ゆっくり声」で入れていたが、今回は本家と同じ声の主「Hanako DTalker」で入れたのがポイントだ。
またスーパーモイズ(というか私)は、鉄道テクノユニット「スーパーベルズ」を敬愛しているので、電車のアナウンス風のセリフとなった。
「歌手宇宙」というのは私がたまに発揮する能力「過集中」のことだよ…というのをなんとな〜く理解してもらおうとしている、オープニング曲。

02 ダサイケ道場

1曲目の終わりと2曲目の始まりが、つながっているように瞬時に切り替わるというカッコイイ演出が実現できてよかった。
この曲はオマケカードについてるコードを読み取ることでMVが見られる、いわばリードトラックである。
MVでは古町MOIのズンバダンス、フリスクやミンティアの実写パート、
さらには出前ピザがミクスチャーされた不思議な映像が見られるのでオマケカードをお持ちの方はぜひ見てほしい。

この曲で参考にしたのは意外かもしれないが、ORANGE RANGE feat.ソイソースの「おしゃれ番長」という曲である。

「朝も夜もカツマタ半ズボン」という歌詞が有名(?)、またポッキーのCMにも使われたメジャーな曲である。
小学生の頃にミュージックステーションでその意味不明な歌詞とパフォーマンスで衝撃を受けたのを思い出し、今年になって聴いたら見事にハマってしまい
「歌詞が意味不明っていいなぁ」と、かなり影響を受けた。

全体的に声にオートチューンをかけまくっているがボーカル補正というより、変なエフェクトとして使った。
「音楽は食べれない」という歌詞は「音楽は食べ物じゃないよ」という当たり前の概念を表現しているだけで「音楽で食っていかれない」というネガティブな話ではない。
また「サザエでございまーす!」という絶叫はアドリブで出たセリフ。
勢いのままにレコーディングはジャスト1時間で完了した。

03 ゲスいに流れた恋心feat.タナカアスカ

3年ほど前に完成していた曲で、サブスクに上げていたが今は聴けないので収録することに。
YouTubeでは知る人ぞ知る動画付きで見ることができる。

ボーカリストのタナカアスカ(通称:あげはさん)はイベントで知り合ってから、胸毛レコーズからフリーDLでリリースされた「ストアンセム」でリミックスをしてもらった音楽仲間であり、私の数少ないゲーム友達でもある。
ポケモンSVで一度通信しただけだが、私はそう思っている。

実はこの曲(通称:ゲス恋)は私の恋愛・失恋経験を元に作ったが、ただの失恋ソングでは済まなかった。恋心をトイレットペーパーに例えたり、ラブレターを破って下水に流して詰まるなど、メジャーなとこではできないような表現を敢えて、あげはさんの本格歌唱と古町の渾身のトラックで昇華したつもりだ。


この曲を作る上で参考にしたのは、これまた意外な曲。
アニメポケットモンスターの昔の主題歌、田村直美の「Ready Go!」だ。曲調は全然似てないが、共通点は歌声の力強さにある。
あげはさんに歌ってもらうことになる前、UTAU(ボカロのようなソフト)で仮歌を入れていたが、その時からパワフル系ボーカル曲をやってみたくて
「波音リツ・キレ音源」というパワー系の声で作ってみていた。

ちなみに2021年にMacBookを新調してからUTAUは動かなくなったが、作曲初期時代にはよくお世話になっていた。
様々な声の主が音源を配布しており、それをUTAUに入れると歌い出す。見た目もフリーソフトらしいシンプルさがとても好きだった。
今ではAI技術の発達などで、さらに進化したボカロや「Synthesizer V」などがあるが、UTAUの良さは「それ」では表現できないところがあるのを忘れがちである。しかし現代のVTuberの名前を見るとUTAUの多様な音源名を思い出すのであった。

脱線したが話を戻すと、ゲス恋を作っていた時期「ヒカシュー」にハマり、口琴(ビョーンという音が出る楽器)を買うという、お手本のような流れの最中だったため口琴の音も録っている。
あげはさん最終チェックで「モイちゃんの口琴の音大きすぎじゃない?」と指摘を受けたが「口琴のところだけは私の出番だから」という強引な理由で完成させたのを覚えている。

04 ニシオカーテクノ

一言で表せば「にしおかすみこナードコア」である。
私は今までにネタツイートをする際、にしおかすみこのネタである
「どこのどいつだ〜い?…あたしだよ!」というのを無意識に織り交ぜていた。
他にも小学生の頃に「エンタの神様」で見たネタはかなり刷り込まれているようだが、特ににしおかすみこの存在は強烈だった。SMの詳細は知る由もないが、なんかかっこよかったから…。

音楽面で言うと、MAXIMIZORの「CAN'T UNDO THIS!!」を参考に作った。
何故か?それはエンタで、にしおかすみこの登場する時の曲だったから。
って、単純!
俗に「ジュリアナテクノ」と呼ばれる中の有名な1曲。全然詳しくないのだが、1曲丸ごと聴いたらとても好きな曲調だったので。それも今思うと単純すぎる。

私のライブではこの曲、バブリーダンスでお馴染みの羽根扇子「ジュリ扇」を振りながら口パクや変顔をするという、ナードコアらしさ爆発のパフォーマンスができるので楽しい。
とにかく聴けばなるほどな、と思うだろう。SoundCloudで聴けちゃいます!

余談だが、現在のにしおかすみこさんは「ポンコツ一家」という介護あり自虐あり愛あり涙ありの素晴らしいエッセイ本を出したり、趣味のフルーツカービングをインスタで披露したりしている。かっこよくて素敵な女性のままでよかった。

05 ピクはみ天国

歌詞の通り、毎週火曜日20時から始まる「ピクルスはみ出てますよ?」というYouTube番組のオープニングテーマの、フルバージョンとなっている。
そして誰が聴いてもわかるのが「おさかな天国」の替え歌ということだ。
え?そうだっけ…と意外にもスルーしていた方には古町MOI賞をあげたい気分。

通称「ピクはみ」は、一般流通しないナードコアや一風変わったテクノ音楽がバンバン流れ、アンダーグラウンド感が好きなおじさん層が好むであろうトークが盛りだくさんのキャー勉強ンなる!楽しい番組なので、一見の価値あり。
歌詞に出てくるような特殊ワードが多いですが。
度々私も話題に出てきたり曲を流したりしてもらっていて、お世話ンなってます!

しかもこの曲「ピクはみ100回記念」に合わせて勝手に作って送ったんだった。
そしたら100回目配信の当日になって、配信メンバーのアボさんから「モイちゃん、これのオープニングトークのバージョン作ってほしいんだけどできそう?」と電話が来たので「はいもちろんです」とばかりに、2番から歌なしで25分くらいのバージョンに仕上げ…その日から使ってもらっているのだ。

毎度のことながら歌は自宅の勉強部屋で録っている。
少ない時間でのRecを心がけているが、最近は歌唱に熱が込められるようになったので声量がすごいと思われ、近隣住民の方々に恨みを持たれたら大変なのでそろそろスタジオで録るようにしないとなぁ。そんな独り言さえ丸聞こえなのだから。

06 MEVIUSLOOP(ダバダver.)

最後はチルアウトしましょう・・・。
タバコ(メビウス限定)の煙がふわわんと昇って消えていくようなイメージの「ローファイヒップホップ」的トラックに、私の気の抜けたウィスパーボイスのスキャットが響く。

元々これは某配信者さんに提供したトーク用BGMに、私の声を載せたバージョンなので「ダバダver.」なのだが、その方がまだBGMとして使っていないということと、私自身が気に入ってしまったという理由から収録に至った。
こういう曲調は初挑戦だったけど案外好きだな。色々作れるようになってほんとよかった。

今後も過集中!?

番外編、かなり長文になってしまい…何日もに分けてこれを書いた。
いつもは「過集中」して丸1日〜分けて2日くらいで書き上げるのだが、今回に至っては2週間以上かけて細かく分けて作業ができた。
こうやって作業時間を分散させるのも大事だが逆の「過分散」にならないようにも注意して、程々にやっていきたい。
ここまで読んでくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいだ。
今後とも、古町MOIを御贔屓に!

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