推し活所感:配信時間と配信外活動

 Vtuberを推していると色々なことを考えます。いや、もちろん他の推し活であっても色々なことを考えてきたんですが、特に「推す事」に関して色々考えるようになった気がしています。
 なぜかというとおそらく、「推し」本人が色んな考えを発信してくれるからなんですよね。

 どういうスタンスで活動するのか、何を思って活動しているのか、明日の予定は、今後の展望は。
 色々な考えに触れる度に、リスナーであるところの私も色々と考えます。

 最近の考え事は、配信とそれ以外の活動の時間配分についてです。
 こう書くと活動者本人の悩みっぽいな。リスナーとしてそれをどう考えていくかってことですね。

 さてさてこの間、にじさんじの統括プロデューサーの方のインタビューを読みました。

https://www.moguravr.com/nijisanji-producer-interview/

――昔から応援しているファンにとっては、「推しがさらに上の舞台で活躍してくれる」という嬉しさもありそうですね。

鈴木:ただ、一方では「配信時間が減ってしまう」といったご意見もいただいておりまして……。ユニットなど別のプロジェクトでの活動が増えるほど、個人のチャンネルでの配信が多少は減ってしまうのは避けられません。と言いつつも、各メンバーは個人の配信もがんばって続けているのですが。

「ライバーが(一人の人間として)この先長い人生を生きていくための可能性を広げる」ということを考えると、一時的に配信頻度が多少下がってしまうことは、ある程度やむを得ないと考えている次第です。当然両方のバランスが取れるよう、会社としてマネジメント面での努力を広げているのですが、ようやく様々なことにチャレンジができる機会が巡ってきたのだから、自分の活動の枠を広げるような、色々なことに挑戦してほしいと思っています。そしてそのチャレンジの結果を配信という形でみなさんに還元できるよう、何事にも全力で取り組んでくれていると思います。

『「にじさんじ」事業統括プロデューサーインタビュー
ライバーたちが長く活躍し続けるために必要なこと』より引用

 これを読んでまず思ったのは、「運営もばっちりリスナーの声を把握しているんだなあ」ということでした。
 いや、パブサした一般人の私の目にも触れるくらいなので、当然運営だって把握していて当然なのですが、公で触れるほどに重く捉えているのだな、と思った次第です。

 私はこれを読んで、にじさんじライバーは言わずもがな「配信者」であるので、配信活動を第一義に考えるのはリスナーも配信者も運営も同じと考えて良いのだと思いました。

 にじさんじでは、歌が上手い人も、ゲームが上手い人も、絵が上手い人も、文章が上手い人も、踊りが上手い人も、トークが上手い人も、演技が上手い人も、みんな等しく「配信者」からスタートします。
 私たちリスナーが彼らを知って好きになるのも、すべては配信がきっかけです。それが減って悲しい、寂しい、不満だ、と言うのはまあ至極当然のことでしょう。

 ただ同時に考えなければならないのは、「ライバーが(一人の人間として)この先長い人生を生きていくための可能性を広げる」という点です。
 ライバーは配信者であると同時に、一人の生きている人間です。エンターテイナーとしてお金を稼いで生きていく人たちです。
 そんな彼らに、何年経っても配信一本だけを武器に生きていけというのもまた酷な話だよなと思います。

 歌が上手い人も、ゲームが上手い人も、絵が上手い人も、文章が上手い人も、踊りが上手い人も、トークが上手い人も、演技が上手い人も、その「上手い」を活かす権利があり、そしてそれを活かす場は配信だけに限らないのです。
 それを活かすことが、「長い人生を生きていくため」に必要なことであると、えにからは考えているということになります。

 個人的にはこの部分を読んで、めっちゃ良い~(こなみかん)と思ったんですよね。ライバー、めっちゃ大事にされてる(ただしライブ後に拉致はされる)と思いました。ん?今何か矛盾が

 えにから自身が把握しているように、配信外の活動が増えるとどうしても配信時間は減ります。それはもう動かしようのない事実です。
 何せ1日は24時間しかないし、1年は365日しかないし、人生は長くて100年しかないです。

 配信外の彼らが精神と時間の部屋にいられればいいんですけど、残念ながら(そして喜ばしいことながら)彼らは私たちと同じ時間を生きています。
 そうした限られた時間の中で何をするかは彼らの手にゆだねられており、その決定の責任も結果も、リスナーが肩代わりしてあげることはできません。
 だから、見守りましょう。リスナーにはそれしかできないのですから……

 ……と、物わかりのいいリスナーになれというのも、また酷な話で。
 だってエンターテインメントですもん!これ娯楽!いっぱい自分にとって楽しいことしてほしい!
 いっぱい配信が見たい。好きになった時のままでいてほしい。それもまた切実な願いであり、リスナーにとっての一番大事なことでもあります。
 
 だから結局は平行線なんだと思います。上の方で言ったように、リスナーにとって配信は特別で、代替はないのです。配信が減って悲しい気持ちも正しいし、でも配信外で長く生きていく術を身に着けてほしいと思うことだって正しい。
 あ~、推しの1日だけ48時間にならんかな。そしたらもっといっぱい好きな事してもらえるのにな。

 話が逸れましたが、その平行線を少しでも近づけるのが、マネジメントを担う企業の役割でもあるのかなと思います。てことは上述のインタビューで言ってましたね。

一時的に配信頻度が多少下がってしまうことは、ある程度やむを得ないと考えている次第です。当然両方のバランスが取れるよう、会社としてマネジメント面での努力を広げているのですが、~

『「にじさんじ」事業統括プロデューサーインタビュー
ライバーたちが長く活躍し続けるために必要なこと』より引用

 どうしてもライバー個人のセルフマネジメントでは手が届かない部分もあると思うので、そこはどうにか頑張ってくれ~といちファンとしては思います。

 あと言うことがあるとすれば、配信活動自体が特定のプラットフォームにかなり依存した形であるということ……平たく言えばYoutubeが爆散したらほぼ終了、っていうリスクがあるよってことでしょうか。
 これはしばらくはなさそうなんで、あんまりリスクとしてリスナーが考えることではないかなと思うのですが、企業としては常に意識していなければならない、非常にでかいリスクです。

 常々考えるのが、配信を介して出会ったライバーとリスナーは、配信がなくなると接点がなくなってしまうということです。配信外の活動まで熱心に追っている濃いファン以外からすれば、配信時間が少なくなるということは、接する機会が少なくなるということになります。
 そして、プラットフォームが消失するということは、接する機会が全くなくなるということです。

 今のところ、Youtubeの終わりがえにからの終わりと言っても差し支えないほどに、ライバーの配信活動はYoutubeに依存しきっています。それを危惧して、色々と配信以外の活動に力を入れている面もあるんじゃないかなあ。

 しかし特定プラットフォームへの依存度を低くするために、配信自体への依存度を低くしているように見えなくもない。それは本末転倒では?と正直思いますが、はてさて。

 独自の配信プラットフォームを立ち上げられればいいんでしょうが、無料で見れて人が多くて賑わっているからYoutubeに人が集まっているのであって、独自配信プラットフォームを軌道に乗せるのは非常に難しいだろうなと思います。

 さて、Vtuber界隈は常に激動していて、安定には程遠い世界です。
 コロナ禍では巣ごもりしている人が多く、長時間配信の需要が供給を上回っている気配も感じていました。

 でも正直、今の状況でにじARKみたいな全方位長時間配信時代がまた到来しても、追える気がしないんですよね……長時間配信こそ配信者の本領であるという風潮はまだまだ根強いですが、同時にTikTokやShort動画のように、短時間で見れる動画の需要の高まりがあるのも事実です。
 需要がどこにあるかは時流によって常に変動し、活動者はその変動をいち早く察知しないと生き残れない。
 観る天国、演る地獄、という言葉が演劇界にはありますが、配信者にも当てはまるなあと思います。
 私は常に観る天国にいる側の人間なので、その地獄を語ることも慮ることもおこがましいのですが。

 いずれにせよ、ファンが推しに思うことは一つです。元気に・長く・楽しく活動してほしい!
 
 マジで心と体だけは大事にしてほしいです。
 最近多忙を極める推しへ、愛を込めて。

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