「血と灰の女王」バトル漫画だけど心理描写がすごい素敵
ヴァンパイアの真祖の一人であるドミノ・サザーランドという少女に惹かれて普通の人間だった佐神善たちが仲間になって戦う吸血鬼のバトル・アクションものなので、全体的なストーリー自体は誰がナンバーワンかを決めるという単純な構造をしておりますが、とにかく登場キャラの欲望がすごくてドロドロしてるのに無駄に泣けるし熱いしノストラジックな感動もあって、ただのバトル漫画では収まり切れない読み応えのある作品となっております。もちろん圧倒的な暴力という暴力の描写もふんだんに盛り込まれているので、例えば吸血鬼たちの殴り合っては再生してまた殺し合っては再生してさらに進化していくという迫力のあるバトルシーンも見所のひとつなのは間違いありませんけども、人間ドラマというか一人一人の登場人物にも独特の魂があって感情移入せずにはいられません。特にドミノの下僕一号として登場する狩野京児に関しては、一見すると頭のおかしい不良少年ぐらいのイメージしかありませんでしたが、ストーリーが進んでいくにつれて彼の人間性の奥深さに魅了されてしまうこと請け合いです。ほんとは頭のいい不良男のツンデレってこんな感じなんでしょうかね。最初は反目していた善とも心を開いていくところは感動せずにはいられません。