株式会社が決算公告を行う際に気を付ける義務とは?

株式会社は定時株主総会を終えたあと、所定の手続きを経たうえで決算公告を開示しなければならないという義務があります。
決算公告は会社法によって義務付けられているものですが、実際にはどのように運用されているでしょうか?
今回は決算公告の義務や決算公告の内容について解説していきます。

株式会社の決算公告義務

株式会社は会社法に基づいて決算公告を義務付けられています(会社法第440条)。
決算公告は自社の財務情報を株主などの意思決定者に知らせるために義務付けられており、全ての企業が遅滞なく決算公告を行わなければなりません。

▶️決算公告とは

決算公告とは、定時株主総会の後に会社が定款に定められた方法で財務諸表等の情報を開示することです。
株式会社にとって決算公告は義務であり、決算公告を怠った場合は所定の罰則が科せられます。

▶️決算公告の内容

決算公告の内容としては、貸借対照表による財務諸表が求められます。
大会社の場合は、貸借対照表に加えて損益計算書も必要であるなどハードルが高くなっています。

▶️決算公告はいつ行う?

決算公告は株主総会後、遅滞なく行うものと定められています。
日本では3月決算の企業が多いですが、3月決算の場合は6月ごろに株主総会が開かれ、6~7月に決算公告を行うというのが一般的です。

決算公告の罰則

義務付けられている決算公告を怠った場合、罰則が科せられます。
義務付けられた公告を行わなかったとき、あるいは不正の広告を行った場合は代表者である役員が100万円以下の過料に処せられます(会社法第976条)。

決算公告の実態

決算公告は会社法で義務付けられているものの、実際には必ずしも全ての企業が決算公告を行っているとは限りません。
企業にとっては決算公告の義務を認識し、コンプライアンスなども踏まえたうえで遅滞なく決算公告をすることが求められます。

▶️決算公告をしていない企業は多い?

決算公告をすることで、決算情報を開示することや公告の手続きが煩雑であることから決算公告をしてない企業が少なくないようです。

決算公告は人的コストや事務手続きが必要であり、管理体制が整っていない企業は決算公告を怠っている企業も珍しくないというのが実態です。

決算公告が義務付けられているという認識がないという企業も多いようで、企業の管理体制が整っていない企業は決算公告まで手が回らないという状態です。

しかし、コンプライアンスや株主からの信用を考えると決算公告をしないことは大きなリスクであり、決算公告を遅滞なく行うことが求められるでしょう。

▶️決算公告に関する罰則

決算公告を怠ると、「100万円以下の過料に処する」という罰則が定められています(会社法976条)。
とはいえ、罰則としては厳罰化されていないのが実情であり、多くの企業が決算公告を義務付けられているという認識していないというのが現状です。

決算公告の必要性を周知したうえで、企業が積極的に情報を開示していくべきでしょう。
決算公告を厳罰化するよりも、自発的に決算公告を進めていくべきモラルが広げることが重要です。

まとめ

株式会社における決算公告の義務について見ていきました。
決算公告は株式会社において義務付けられるものであり、株主などに財務情報を報告するために必要なものです。
多くの企業が決算公告をできていないのが現状ですが、コンプライアンスの観点からも決算公告を遅滞なく行うことが求められます。

最速転職HUPROが運営する『Hupro Magazine』では決算公告の概要について、下記の記事にてさらに詳しく解説しています。

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決算公告とは?出さないと罰則があるって本当?|Hupro Magazine

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