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好きなおじさん#3 イラストレーター/グラフィックデザイナー

「狩猟採集民の絵」というタイトルをつけた、勝手で、個人的な連載をし始めて15日が経った。折り返し地点でもあるし、季節の変わり目のような気分でもあるので、あるおじさんの話をしたい。僕の会社のことを自分の会社のように考えてくれるおじさんのこと。

僕の会社の名前は「合同会社HUNT」という。この絵は、僕の会社のロゴマークを描いてみた絵なんだけど、全然魅力的じゃない。本当のロゴマークはこちら。


めちゃくちゃかっこいい。そしてやさしい。山で何かをHUNTするということがすぐにわかるし、手書きでロゴを作っていただいたがゆえの絶妙な揺れのようなものも素敵だ。何枚も何枚も清書していただいて、渾身の一枚を送っていただいた。めちゃくちゃ気に入っている。
「もっと、山と。」のコピーについてはまた別のお話になるので割愛する。そのこともいつか書くことになると思う。

このロゴマークを作った人は「たけうちさん」というお方で、冒頭に書いたおじさんはまさにこの人なのだけれど、ごめんなさいおじさんじゃないな、まあすごい人なんです。どうすごいのかをストレートに書くとちょっといやらしい感じになるから、「しいたけ占い」のようにまわりくどく書いていきますが、ちょっとついてきてください。

まずこういう話からしたいんですが、僕は「たけうちさん」のことを遊撃手っぽいなあって思っているんですね。遊撃手って野球のポジションです。小中高と野球をやっていたので、野球の例えには自信があります。間違いないです。

なんで遊撃手っぽいのかっていうと、まず動きが機敏なんです。何をするにもめちゃくちゃ早い。「たけうちさん」に会社のことや企画のことを話すと、すぐに具体的な形になるんですね。あまりに早すぎて僕の脳みそがついていかず、かなりモタモタすることもあるんですけど、でも芯を捉えてくれてる感じがあるので、僕のイメージが追いついてきたら、「あ、それがいいです」ってなるんですよね。僕のモタモタを黙って見届けてくれている感じも絶妙。思いやりがあって、気を遣いすぎてもないというか。

もう一つ遊撃手っぽいのは、どんな球にも対応するグラブ捌きを持っているところ。ショーバン、ハーフバウンド、ライナーなんでも捕ります。どんな悪球がきてもなんとかしてくれる技術を持つ、まじの守備職人。この技術力がこの人をこの人たらしめているのだと思います。

お気に入りの場所。「たけうちさん」ともう一人好きなおじさん「ふくいさん」と一緒に行った。


そして特筆して素晴らしいのが、送球。送球が一番難しいんですよ。遊撃手であれば基本、捕って、一塁手に投げないとアウトにならないのだけれど、ほんとうに難しい。

いい送球って何かというと、「相手がとりやすい球」でありかつ、走者をアウトにするために「速い球」でなければいけないんですね。ただただ力一杯投げても、一塁手が取りにくくてファンブルしてしまうかもしれない。かといって弱すぎて相手まで届かないとアウトにできない。

その点、「たけうちさん」の送球には素晴らしいものがあります。普段は相手(つまり僕)がとりやすい球を投げてくれる。優しく丁寧に。でも走者をアウトにするためには厳しい球を投げなければいけないこともあります。それは必要なことだし、僕が受け止めないといけないこと。仕事として引き受けているがゆえの厳しさ。
僕は「たのしい」とか「おもしろい」ってなんだろうって、ずっと考えているのですが、そうすると、一番大事な受け取る人の気持ちがポッカリ抜けちゃってることがあるんですね。そういうときに、ピシッと鋭い球を投げ込んでくれる感じが、「すいません!」ってなるというか、まじで甘すぎだなあ自分って思うところなんです。それって両立しないと「ほんとうにおもしろい」には絶対ならないので、受け取る側の目線を持っている「たけうちさん」の意見をめっちゃ参考にしています。自分もその目を持たないといけない。

と、まあいろいろ知った風に書いたのですが、もちろん僕はまだまだ「たけうちさん」のことを知らないです。「打者」としての「たけうちさん」のことはもう全くわからない。でも一緒のチームで守備を守っている気分ではあるんです。僕は仕事をお願いしている立場なので、どちらかというと監督でなければいけないんですけど、新米すぎて、どうやってチーム運営していけばいいのか一緒に考えてもらっているような感じです。お世話になってます。

最後に野球の例えはどうしても思い浮かばなかったのですが、この人があまりにもギフトをしまくっていることを書いておきたいです。礼儀で贈っているのではないんですよね(もちろんそれもあるだろうけど)。応援したいと思った人に贈りたいから贈るし、困ってる人には手を差し伸べてくれる。どういう行動原理があるのか、僕もまだ掴み切れていないのですが(そのときの気分もあるだろうし)、きっと何かがあるんです。贈るものもその人にとって、今必要なものを的確に贈っている感じがします。それもやっぱり送球ですよね。

こんな感じで素敵な人と一緒にやらせてもらっています。とりあえず来年の商品の販売までは一緒にやってくれそうなので、それまでにまだまだいいところいっぱい見つけて、盗むぞ〜〜。
ということで今日のNoteはおしまいです。読んでいただいてありがとうございました。次はどのおじさんについて書こうかしら。

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秋田県の阿仁という地域の絵を「狩猟採集民の絵」として載せています。 さっと見ていってください。 6月16日〜7月15日まで、毎日朝7時更新…

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