杉林を歩く。

あかるい杉林

絵について書くのって結構気恥ずかしいことだ。もう7日目だけれどまだ慣れない。まっすぐ絵についてなにかを書く気にはなれないので、少し寄り道しながらちょっとずつちょっとずつこの絵について触れていけたらいいなと思う。

「こうしたい、ああしたい」と割と大きなことを言う人がいる。世間的にそれはいいことのように思われている気がするけれど、僕はなんだかうーん、と思ってしまうタイプの人間だ。やりたいことがあるのなら、早くやったらいいじゃない？と思うから。だから「これしてます、あれしてます」という話だとか、「これやるために、これしてます」という話が好きだ。そこに行動がなければ正直ぜんぜんおもしろくない。

イチローが卒業文集にプロ野球選手になると書いていて、本当にそれが実現したので、自分の親にも「自分がやりたいことは書いたり、言ったりせえよ」と教えられたけれど、イチローはその時から行動していたからこそその夢が叶ったわけで、書いただけ、言っただけでは夢は叶わない。うるせえよと思いながらその話を聞いていた気がする。そして今も全く同じようにうるせえよと思う。

何であなたに僕の考えを言わないといけないんだろうか。僕は言わずに行動する。言ったって構わないけど、そういうことを聞いてくる人ほど僕の夢を阻害する話をしてくるものだ。嫌になるよねほんと。もちろん自分の夢の設計図がどうしようもないくらいダメな場合はある。そのときは信頼できるパートナーと話をするか、信頼できる人に話をする。それでいいし、聞いてくる人に話す必要はない。てきとうにごまかして、のんびり行きたい。どうせその人は聞いているふりをして自分の話がしたいだけである。

そういうネガティブなことばかり考えていると、もう「ことば」っていらないんじゃないか、と極端なことを考え始める。ことばなしでやってみようよ。そしたらその世界は行動だけの世界になる。なにかをやりたい、という人がいなくなって、なにかをやっている人だけの世界になる、みたいなね。

山の中にいるといろんなことを考えるけれど、僕は割とネガティブなことも考えてしまう方だ。というより、山という場所がそのときの自分の感情を素直に発散させる場所になりつつあるのかもしれない。ひとり山を歩きながら泣いたりすることもあるし、悔しいときは叫んだりする。逆に嬉しいときは独り言をベラベラ喋ったり、この絵の連載のことも山の中で思いついてひとり大はしゃぎしていた。めっちゃいいじゃん！って。

くらい杉林

杉の木の林は、秋田県にいるとたくさん見かける。何度もいろんな大人から同じ話を聞いた。この杉の木はなんやらかんやら。50年くらい前に政府が杉の木を大量に植えたらしい。その時代は杉が高く売れる時代だったのだ。今では杉はめちゃくちゃ安くなってるみたいだけれど、その時植えた人たちは、安くなるかもしれない、って思わなかったんだろうか？すごく大規模に植えているので、僕には大失敗が並んでいるようにも見えるのだけれど、そういう無茶が通る時代だったのだなあ、とも思う。

もちろん金銭的には大失敗だったんだろうけど、杉の木がめちゃくちゃ悪いかというと、そうでもないと思っている。まず杉林には山菜がいっぱい湧き出すのだ。広葉樹の林には僕の狙っている山菜はあんまり出ないけれど、この杉の林にはめちゃくちゃ出てくれる。タラノメ、アイコ、コシアブラ、ワラビなどなど。杉の木の成長度合い、伐採度合いにもよるけれど、出るところにはかなり出てくれる。最高だ。
まず、と書いたけれど、それだけしか思い浮かばなかった。花粉が出たり、山の景観が若干いびつになったりだとか、ちょっとうーんってところもあるけど、ま、いいんじゃないかな、って僕は思っている。雪が降ったら綺麗だし、そういうところもいいじゃんって思ってる。

山菜採りの終わりに見た山

さて、そろそろ今日の2000文字も終わりに近づいている。杉の木の林を歩いて、またさらに歩いて、気づけばこんなところにきた。いつの間にか景色は杉の木から大きな山並みへと変わる。ひとくちに「山」と言えども、人によって見方は大きく変わる。そして「狩猟採集民の絵」マガジンもどんどん変化しまくっている。やっぱり自分は行動だけが取り柄の人間なので、とにかく動いてから考える。動きながら考える。そして変化させていい感じの収束点に辿り着く。今の僕はこうやってひとつの記事を2000字にして、何枚かの絵を組み合わせながらみなさんに語りかけるというのがいいみたいだ。これからも変わるかもしれないし、このまま突っ走るかもしれない。でも、もっといろんな人に届けばいいなあと思いながらやっているのは変わらないので、ここまで読んでくださった奇跡みたいな方がいれば、ぜひオススメなどしていただけると嬉しいです。

ここまで読んで、絵を見ていただきありがとうございました。また明日もやってますぜ。