牛乳を吐いた

   AIの発達が進んでるから、
小説は無くなるんじゃないかな。 

   低い声が耳の奥を貫く感覚に片耳イヤホンから流れていた音楽はちょうど停止した。
ちょこちょこ綴っていた文章と進まず立ち止まる主人公。自分の手で決まる主人公の運命に優越感に襲われた日もあった。

小説の中に現在進行形で存在している僕は、小説の中で何度も人を殺したことがある。
言わば、殺人鬼的存在のモブだ。
ある時は家族、ある時は友達、ある時は子ども。少年法や刑罰を受けることなく事が進み、無罪判決で日常を進んでいた。感情はうごいてなかった。無味無臭の食事を楽しむぐらいなら小説で主人公を犯したいと考えるぐらい感情はうごいてなかった。 

「小説家っていいなあ」

   中学生の時、感情移入できる本に魅力を感じていた。少しの感情移入で世界はかわる素晴らしさ。
小説で人に希望を与えたくなった。
その日はヒロインは放課後にはもう既に家にいた。

よんでくれる読者を探す旅に出た。
本を好きそうな人に積極的に声をかけ、ほぼ殴り書きの文章に目を通してもらった。褒められてモチベーションになって、好奇心でもっと書き続けていた。

「小説家って売れなかったら利益ないよ」

現実的な話を突きつける大人は小説の中で静かに殺害。 利益ではなく夢を求めていた僕は大人に微笑み子どもに破顔した。

  あ

薬に犯された日。 兄はこんな僕を観て吐き気がすると笑いながら言ってきた。そんな兄を観て僕はお前を観て薬が止まらない。と薬瓶に手を伸ばし30錠ほどの薬を胃の中に流し込み夢の中へと消えていった。理性の中に残されるほんの少しだけの小説への想いが溢れ、日記を書くつもりで小説を綴った。

「おもしろいね」

    好きな人 兼 ヒロインはそう言ってくれて、僕のモチベーションは最高にパワーアップした。
ヒロインはアハッと苦笑していたが僕自身はモチベーションに溢れすごく元気になっていた。

なんだかんだ成長し受験生を迎えた

痛い イい胃ゐ
心の中に何本もの針が並縫いをするかのように縫いついてきた。いたいのに縫われて治っていく感覚に犯された。モブ的存在の僕はヒロインが輝く姿を眺めて微笑みながらまた小説を綴ろうとした。

あ:ああああ
ああしたがくる恐怖に襲われたと相談が来た日があった。愛するヒロインからだ。
ヒロインは涙を流し 電話越しで受験への不安と家族からのプレッシャーについて語り始めた。

僕はそんなヒロインを幸せの世界へ導きたくなり 僕の小説を読んでほしい。と語りかけた。ヒロインは急にふざけたこと言うんだねと嘆くが僕はむりや(りしょつせむせし 小説を読ませた。

「ふざけた内容だね なれないんじゃない?」

ヒロインは涙を止め笑っていた。
僕はその笑い声を聞いて笑った。
なれないよ なれなあな おと

おとうさん。なれなあかな 
AIって、そんなにすごいの


母が料理の際、祖父から研げられていた包丁を何度も使用していた。僕はそれを何度も見ていたので誰もいない隙に台所からその包丁を持ち出し、ひんやりとした刃先をまな板に何度も押し込み刺した。ドンッと力強い音とバリッとまな板にちょっとした重い音がなり、ボーッと見ていた窓から白く少し茶色に汚れたまな板へ視線を向けたらまな板は少しヒビのような模様が入っていた。
さけびたくなった。さけんでしまえばらくになるきがしたのでさけぼうとしたら玄関の開く音が聞こえた。嫌でも入ってきた雑音に目を向けると強い革靴の音が聞こえ父の帰りのサイレンが聞こえたのだと認識した。 父は僕の存在を確認すると『ただいま』と一言こぼした後に『居たんだ』と
痛め 

野菜炒めを作ったのを思い出した。作りやすく簡単に作れるので僕は野菜炒めだけは積極的に作ったことがある。野菜炒めは母が体調を崩し動けない日に父に作った。父はめっちゃ美味いと褒めてくれた。父は僕に優しかったこ あわあった

棚に包丁が刺さっていた。
その棚は僕が中学1年生の日に技術の授業で造るように指示された本棚である。造るのは大変だった。難しかったという気持ちも勝つ。なぜならハンマーで釘を木の板に差し込む際、真っ直ぐ打たないとすぐにはみ出して失敗になるからだ。脆い。脆いなこの釘は。そう思いながら強く強く差し込み差し込む。この作業は嫌いだった。

傷だらけで文字だらけの本棚に目を向けた。文字は中学と時にかいた呪文と嘆き。キズは自らつけたもの。

「やみあnwdP'aとかいいから」

手紙を渡されたことがある。
もぶの僕は手紙が好きだった。
手書きで書かれる文字を見る度に僕宛てに書いてくれた手紙に思いを馳せる。僕は手紙が好きなんだ。僕は文字が好きなんだ。それたaxs/ あ。

     人の興味関心は嫌いだ。
時間が進む事に最初は興味あったものでも興味をなくしやがて目先のことにしか目を向けなくなる。僕の小説はいつからか誰の目にもとまることはなくなった。最初は僕、小説綴ってるんです。と色んな人に言葉を投げた。

「観たいな」

そう言われる度にモブである僕の存在に小説を書く人という肩書きがついたかのようでうれしかった。

でも、かけなくなった。
そしてそれと同時に興味も消えた。

    『真面目になれよ おまえ』  

小説家になりたかった。吐いた。
だって、きもちAがこころからあふれでてきて、涙にならなくなった。吐いた 味が美味しい食事が胃から食道を渡り肛門ではなく喉から溢れ出る。
気持ち悪いのにこれが溢れ出る気持ちと認知すると不思議と受け入れてしまった。

僕の声は自然と二酸化炭素になっていった。声を出すと僕は酸素が吸えなくて息が出来ない。息苦しい感覚に胸の奥が震える感覚に襲われ、僕は誰かに手を伸ばした。手を取った相手は僕の顔をみて「ふざけんな」と語りかけてきた。

「死なせねえよお前」  

赤髪短髪タレ目オトコは僕にそういった。
別に死のうと思ってないのにそう言われると思ってなかったので心外だと話すと、…作文と名付けよう。作文は嫌な顔をし、「お前は自分にまで嘘をつくようになったんだな」と、呆れていた。

空気になった気分に犯された。
登校後、僕の顔を見て挨拶をして通り過ぎていく人間を観て僕は泣きそうになった。構って欲しいわけじゃない、ただ、少しぼくをみてほしかった。

「空気になってもお前は二酸化炭素のままだな」

進行形で話を進める作文は僕の意見を聞かずに僕のことを解析していく。僕は何になりたいんだ

吐いた。吐くことが辞められない。真っ白になった息が空気のひんやりとした冷たさを感じさせ家の中でもお前は二酸化炭素だと表明されている気分になった。

「トイレが家かよ」

また僕を分析する。そうやってまた。

『あなたは正常だよ』  

正常という言葉に囚われる。
そうだ、ぼくは正常だ。
脳の奥が胃液に襲われても正常だ。

刃物を向けた。
ヒロインは驚いていた。

『どうして?』
『殺したい』
『いいよ』

なんでだよ

吐いた。胃液を吐いた。
肯定に侵された脳内と手の震えで身体がおかしくなったと自分で判断した。

「違う、お前の頭と心臓¦_がおかしい」

作文は僕の精神を警戒した。
幼い餓鬼のころを思い出した。
兄の指を切り落とそうとした。
僕の判断に兄は怒りながら蟹を食べていた。
僕はなぜこんなことをしたのか分からなかったと同時に消えない記憶へと成長した。

僕は吐いた。吐き過ぎと言われても吐いてしまう。言葉では無い。薬じゃない気持ち悪い。
「容量オーバーみたいだわお前」
そうらしい。僕の気持ちは吐くほど駄目なもの

僕は人の頑張りをモチベとして捉える人が好きだった。
「プレッシャーとして捉えるかはそいつ次第だろ」
僕は音楽が好きだった
「やがて飽きて無音生活か」
僕の中にともだちがいる
「お前」
ほ ぼく、生きている
おねがい ぼくさ、小説家になりた
なりたがっ待たあ

    今日は牛乳を飲もうかな



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