見出し画像

直島のおばあちゃんへ

僕のルーツの半分は香川県の直島。
2歳で両親が離婚したけど 血の半分は直島なのです。
直島にはおばあちゃんがいる。
その直島のおばあちゃんが亡くなっていたそうだ。
2歳で両親が離婚した関係で父方の直島のおばあちゃんには数えるほどしか会ったことがない。けど、大きくなるまでことあるごとに気にかけてくれて連絡をくれた。
子供のころも何度か母方のばあさんと会いにいった。母親と直島のおばーちゃんは離婚してる関係上そんなに話すこともないけど、母親の母であるおばぁちゃんと直島のおばあちゃんは親交があった。
なのでおばあちゃんにつれられて直島に行ったりもした。直島の家族は温かい家族だったしみんな優しかった記憶があって 関係では血が繋がってるだけのほぼ他人の僕らにもファミリーのように優しく親切だった。

大人になって、息子と二人で直島にいった。おばあちゃんに息子を見せたくて 子供のころからでいえば30年ぶりとかでおばあちゃんの家行った。息子は車で寝てたけど 車の外から中を食い入るように見て 「アンタの小さいときにそっくりよ」といってくしゃくしゃの顔で笑ってたのを思い出す。

おばあさんは僕が帰る時に見送りに車のある坂の下まで降りてこなくていいからと玄関で分かれて 息子さん(父の兄)が車まで見送りにきてくれて「伊織が元気そうでよかったし顔を見せてくれてありがとう」と言って見送ってくれた。30年もあってない弟の離婚した妻との息子っていう対応ではないから本当に人情なのよ。

車を出して バックミラーを見ると車が見えなくなるまで何度も何度もおじさんは頭を下げてた。ばあちゃんに会いにきてくれたことが嬉しかったんだと思う。

あの家に住む人は根っからの島の人って感じで Dr.コトー診療所のドラマの世界の人のような家族でこんな家族の形もあるんだな~と子供ながらに思えるような家だった。

そんなばあちゃんのことが気になって父親に連絡したら 春ごろに亡くなったらしい。コ●ナの影響で密葬だったと。連絡できてなくて申し訳ないと。亡くなったことを今日知って あぁそうかと寂しい気持ちです。 

お墓の住所だけ聞いたので今度手を合わせにいってみます。父親とはショートメールでやりとりするだけの関係だけど身体には気をつけての一言につける呼称に悩み送信ボタンを押すの10分かかるような関係で なんか面白いものだなと。いい年した44のおっさんだけど2歳で分かれた生物学的な父親を「オヤジ」と呼ぶことも「お父さん」と呼ぶこともできずとはいえ子供のころ呼んでいたみたいに「ケンボー」(けんじって母親がそう呼んでいたから)ともええおっさんがじいさんに向かって呼べないしね。

結局何の呼称もつけれずに 身体には気をつけてとだけ。

自分が父親になると両親の別れなんてのはそれぞれの問題で子供は無関係。ただ父は一緒にいないから子供を愛して無いと思ってた。ただ同じ立場になるとそうではないとわかるし 許してるんだけど こういうのは前に進まないものです。

今日は数えるほどしか会ってない大好きなおばあちゃんを想って過ごします。
ありがとう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?