プリンセスと魔法のキスを見なさい

金曜ロードショー4週連続投票ディズニー映画放送の3週目、プリンセスと魔法のキスのオススメをさせてください。お願いします。後生だから。

題名やレッテル

本作、「プリンセスと魔法のキス」「名前は知ってるけど見たことないっすね」みたいな方が結構多い作品かと思われます。
理由としてはいくつか考えられますが、

・馴染みのない黒人プリンス、プリンセス作品だから
・そもそも原作の原作「カエルの王子」が人気のある童話ではない。
・題名がなんか直球すぎて「ハイハイ黒人でもプリンセスになれまぁす!の
ポリコレ映画でしょ」ってなる

くらいが大きいんじゃないでしょうか。
今回、この誤解を解きたいんですね。

今作のプリンセスは掛け持ちウェイトレス!?

ディズニープリンセスって結構生活に余裕があるイメージあるじゃないですか。白雪姫やシンデレラも虐げられていたとはいえ王族貴族だし、平民プリンセスのベルも賃金を得るために働いてはいない。

今作のプリンセスであるティアナは一味違います!
朝晩問わず馬車馬のように働くワーキングプリンセス!
働きすぎて母親にまで呆れられる始末。

なぜかというとティアナには夢があるから。
彼女は「戦争で亡くなったパパと約束したレストランを開く」というとても強い夢があるんですね。
ティアナはその夢のために「マジで寝る間も惜しんで働いて稼ぐ」というパワープレイをしています。
この夢を語る「Almost There(夢まであと少し)」は映像も歌も最高!
ティアナがどれだけ明るく大きく確固たる夢を持っているか朗らかに歌います。
多分ディズニー作品で最もプリンセスらしからぬ女の子なんじゃないでしょうか。

昔々 まだ願いごとの叶った頃

上の見出しはグリム童話集のトップバッターを張る「カエルの王子」の冒頭です。
この話は「お姫様が嫌々カエルにキスしたらバチクソイケメン王子になったのでいい感じになったよ」という、ほんとうにそれだけの話です。
プリンセスと魔法のキスはこの2ページ程度にしかならないような話、とそのパロディ作品を基にしたお話です。

カエルの王子の内容はともかくとして、プリキスはこの「願い事の叶った頃」というワードを非常に重視しているように思うのです。

プリンセスと魔法のキス(以下プリキス)は「夢と現実」が重要な構造となっており、「星にお願いする」という行為がキーになります。
ティアナの親友シャーロットとティアナは「願い星に祈る」という行動をとっており、この星は作中でも特別な存在です。

当作品では「夢は叶う。でも努力しないと夢で終わる」という非常にシビアなことを歌います。
これは「近代ニューオーリンズが舞台である当作品の時代において、昔話のようになんでもお願いがかなうことはないのだ」ということを対比で出しているのだと考えています。
こんな2ページにも足らんおもろくもなんともないカエルの王子に対して、大変敬意を払っているのではないかと児童文学ファンの私からすると感激しているんですよね。

聞け!ジャズだ!ここで生まれたんだ……

上の小見出しは本作のプリンスであるナヴィーンのセリフです。
ナヴィーンは他国から来た王子であり、ニューオーリンズの文化であるジャズへのリスペクトを持っていることがわかります。
このセリフは制作陣が視聴者に言いたいことではないでしょうか。

プリンセスと魔法のキスは陽気なジャズに溢れ、また音楽はティアナ、ナヴィーンと行動をともにするルイスの夢でもあります。
ミラベルのおすすめ記事でも「ディズニーは音楽にも長けている」と記載しましたが、今作も例外ではありません。
トイ・ストーリーの音楽も担当したランディ・ニューマンが担当。
ニューオーリンズという「音楽が文化に溶け込んだ土地」がミュージカルアニメーションを得意とするディズニーのスタイルとぴったりだったわけです。
ニューオーリンズの黒人音楽であるジャズに敬意を払い、黒人プリンセスを誕生させたのでしょう。なんなら「プリンセスが黒人であること」より「ジャズを使いたいからプリンセスを黒人にしておきたい」という面が強かったんじゃないですかね。
そう思えるくらい素晴らしい音楽ですよ。

最高の女シャーロット

本作品にはプリンセスを夢見る女の子が登場します。
最高の女、シャーロットです。ティアナの親友です。
彼女は街の権力者である白人ラバフの娘であり、幼少期からそれこそ「お願いをなんでも叶えてもらいながら」成長してきました。
そのせいでガチめのワガママ娘に育っています。
なんならティアナが欲しがっているレストランなんてシャーロットがラバフの首を縦横無尽に揺さぶれば手に入るでしょう。
なにしろ彼女はプリンセスになる夢を叶えるために、ラバフにおねだりしているくらいなのですから。

ここだけだとただの金持ちの嫌な奴ですが、彼女はそれだけではないものを持っているんです。
ネタバレになるので言うのを控えますが、ぜひぜひ見ていただきたい!
きっとみんなシャーロットを大好きになるはず!

声優はYes!プリキュア5でキュアドリームを演じた三瓶由布子さん。コミカルかつ明るい演技が彼女にマッチしており、一見の価値ありです。

なんか多分言いたいことは言った

もう……
見て!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
締めとかもういいんで! 見て!!


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