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UbuntuとLibreOfficeで裁判文書を作ろう 解説 答弁書


被告の対応

原告が訴えを提起すると、被告には、原告が作成した訴状副本、書証の写しなどと一緒に、裁判所が作成した「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」が届きます。被告は、これに従って、答弁書を作成し、第1回口頭弁論期日に出頭する必要があります。

答弁書の作成・記載事項

1 訴状の「請求の趣旨」に対する答弁
2 訴状の「請求の原因」に対する認否
3 抗弁事実
4 送達場所の届出
5 被告又はその代理人の郵便番号及び電話番号
6 民訴規則2条が定める事項
 ⑴ 当事者及び代理人の氏名住所
 ⑵ 事件名
 ⑶ 附属書類
 ⑷ 年月日
 ⑸ 裁判所の表示

以下、裁判所が提供する簡裁用の参考書式とそのodsファイルです。

答弁書準備に時間がない場合

裁判所からの「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」は、被告側の都合を無視して送られてきますので、指定された期限、期日までに答弁書作成が間に合わない場合があります。
「やむを得ない事由」がある場合には、その旨を記載した答弁書をとりあえず提出しておき、答弁書の提出後速やかに、答弁書に記載できなかった事項を記載した準備書面を提出すればよいことになっています。

(答弁書)
第八十条 答弁書には、請求の趣旨に対する答弁を記載するほか、訴状に記載された事実
に対する認否及び抗弁事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実
に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。やむを得ない事由によ
りこれらを記載することができない場合には、答弁書の提出後速やかに、これらを記載し
た準備書面を提出しなければならない。
2 答弁書には、立証を要する事由につき、重要な書証の写しを添付しなければならない。
やむを得ない事由により添付することができない場合には、答弁書の提出後速やかに、こ
れを提出しなければならない。
3 第五十三条(訴状の記載事項)第四項の規定は、答弁書について準用する。

民事訴訟規則

答弁書の提出

答弁書は、「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」に記載された提出期限までに裁判所と原告に提出しなければなりません。原則として、期限厳守です。

答弁書と一緒に書証がある場合には、一緒に提出してもOKです。提出方法は、裁判所からは、裁判所と原告のそれぞれに送付することを指示されますが、原告の分を裁判所に提出して、裁判所から原告に送付してもらうという方法もOKです。提出方法は、裁判所あるいは原告に持参するか、郵送するか、FAXで送信するかのいずれかです。

結局、これは費用の問題なのです。訴状の請求の趣旨に、「訴訟費用は被告の負担とする。」とあるように、費用を誰が負担するのかは、最終的に判決で決まるのですが、それをあらかじめ見越してどうするか、というのを判断することになります。訴訟費用の範囲は、最終的に裁判所書記官が決めるのですが、こちらが思っている費用全部が認められるとは限らない、ということも考えておかなければなりません。

第1回口頭弁論期日への不出頭問題

欠席判決

裁判所から訴訟書類が届いたことを全く無視して、何も対応しなかった場合、第1回口頭弁論期日において、被告は原告の主張する事実を認めた(自白した)ものとみなされます(民事訴訟法)。したがって、いわゆる欠席判決(原告勝訴の判決)が言い渡されることになります。

答弁書の擬制陳述

原告の請求に対しては異論があるが、第1回口頭弁論期日には用事があって出頭できないという場合には、期日変更の申立をするか、又は、第1回口頭弁論期日前までに答弁書を提出して、原告の請求を争う旨を裁判所に明らかにして、第1回口頭弁論期日には、答弁書を擬制陳述してもらうことになります。

裁判は、原則として、指定された裁判期日に裁判所に出頭して、その期日において、口頭で弁論しなければならないことになっているのですが、答弁書を提出することによって、口頭弁論期日で弁論したことにしましょう、という制度です。

擬制陳述をしてもらうためには、口頭弁論期日までに答弁書を提出して、擬制陳述をお願いしたいということを電話などで事件を担当する裁判所書記官に連絡しておかなければなりません。

簡裁事件における弁護士以外の代理人

簡易裁判所における事件については、裁判所の許可を得て、弁護士以外の者を訴訟代理人にすることができます(民事訴訟法)。以下、裁判所提供の参考書式とodtファイルです。

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