スーオースチン

「思い込み=マインドセット」をTURN

「2020東京オリンピックパラリンピックは、思い込み=マインドセットをかえるラストチャンス」。これは太下義之さん (三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社芸術文化政策センター長)のアジテーションであり、「マインドセットを変える」ことが太下さんの TURNなのだ。「マインドセット」とは何かを、2011.3.11「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会報告書」(国会事故調と略すらしい)の「は じめに」から次の箇所を引用し説明された。

想定できたはずの事故がなぜ起こったのか。その根本原因は、日本が高 度経済成長を遂げたところまで遡る。政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった『規制の虜 (Regulatory Capture)』が生まれた。そこにはほぼ50年にわたる一党支配と新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然 と考える日本人の思い込み(マインドセット)」があった。経済成長に伴い、「自信」は次第に「おごり、慢心」に・・・・・・・「変われなかったこと」で起 きてしまった今回の大事故に日本はこれからどう対応し変わっていくのか。・・・・・社会構造や「思い込み(マインドセット)」を抜本的に改革し、この国の 信頼を立て直す機会は今しかない。・・・・

社会的な思い込みは、国レベルでつくられる。オリンピックは国別に対 抗して一番優れたものが勝者となる、という思い込みを太下さんは東京から変えていきたいと考える。そしてこんな例を挙げられた。◉スー・オースティン (Sue Austin)の車椅子で海中散歩。とても美しい芸術表現だ。ロンドン五輪文化プログラムの一つである「アンリミテッド(Unlimited)」(障害の あるアーティストへの活動支援プログラム)。◉リオ五輪の「難民五輪選手団」(男子6人、女子4人)。国ごとではなく、同じ境遇の人たちで参加する。◉メ ダルの数は経済力に比例している。リオ五輪参加206の国と地域の内メダルをとったことがない国が三分の一もある。たとえば、ミヤンマーにメダルを取って もらうために4年間応援する県ができるとか、その県からミヤンマーに向かって直航便が飛ぶとか・・・◉職業だって変わっていく。今我々が見える職業の未来 について3つのレポートを引用し、そう語られた。◉今後AIの進化で10〜20年程度でアメリカの総雇用の約47%は自動化されるだろう。◉2011年度 にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は大学卒業時に今は存在していない仕事につくだろう。◉例えば、1964年東京オリンピックで初めて「デザイ ナー」という職業が認知された。短距離走のスタートの瞬間をモチーフにした亀倉雄策のデザインポスターが先駆と言われている。

誰 かがつくってくれた道を歩いていけると考えている、私とあなたという関係は変わらないと思っている・・・・2020はその延長ではなく、一つの価値観で解 く必要もなく、多様な道と関係にTURNしていくチャンスだと、気がつく人がいるだろう。その時自分は、まだ定義されていない場所に立っていたい。


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