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2015年12月の記事一覧

ニキ・ド・サンファル展、悪意の浄化と最晩年にたどり着いた輝く仏陀

ニキ・ド・サンファル展、悪意の浄化と最晩年にたどり着いた輝く仏陀

大きくてツヤツヤし、ふっくらとしたポリエステルの女性像ナナで評価されているニキ・ド・サンファル(1930〜2002)の展覧会を国立新美術館でみた。本物の作品をみて感じるのは、ニキの人生の転機は、25歳、35歳、45歳と10年ごとに来たのでは、という点だ。

23歳で強い神経衰弱に悩まされ、25歳でジャン・ティンゲリーにであい芸術家を目指した。これがはじめの転機。31才のとき、銃でカンバスや作品を撃

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