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バレエ音楽の夕べ

子供とふたりで、音楽鑑賞会をした。

おのおの手元にiPhone。私がオススメの音楽を聴かせて、子供がそれに関する調べ物をするという……カオス!(iPhoneだと、調べ物をしながらYouTubeを聴くことができない)

何故そんなことになったかというと、音楽の時間に聴いた【ボレロ】が素晴らしかったという話から。それで、感想を書く課題が出たのだけれど、音の聴き分けができない楽器があるそうな。

「イングリ(ッシュホルン)と(オーボエ)ダモーレのどっちかわからない」

「 (´・_・`)   」

もちろん、おかーさんにも分からないよ。

まあ、それはいいとして。「どの楽器のソロがカッコいいと思うか?」という設問があるらしいんだけど、音楽を嗜まない子に聴き分けできるんだろうか……? ソロの順番とかの説明あるのかな? でも、その説明があるなら、「どの楽器かわからない」なんてことは、起きないはず……。

ま、とりあえず、いつもの検索のお世話になろう。

結果は、オーボエダモーレでした。いつものことですが、だいたいオーボエだったよ。私のポンコツな耳にはね。

【ボレロ】は私も好きな曲なのですが、今回改めて鑑賞して、今更気がついたことがあります。本当に今更。

ずーっと、ずーっと、ずーっと、永遠に。

同じ主題の繰り返しなのね。(Aメロ→Aメロ→Bメロ→Bメロのひとかたまりで、主題と解釈してOK? 素人なので、間違っていたらごめんなさい)

それなのに、全く飽きの来ない不思議。そして、突然終わったときの荘厳さ。天才だな、ラヴェル。(今更)

余計なお世話だけれど、スネアドラムがクソキツいんだろうなと、少し心配になった。

これからしばらく、音楽の時間はバレエ音楽の鑑賞が続くそうで。

ああ、だからその取っ掛かりが【ボレロ】だったわけか。

ジョルジュ・ドンのバレエも見せてあげて欲しいけど、音楽鑑賞だけなんだろうな。もったいない。他にも【ボレロ】の名ダンサーはいるけど、私はやっぱりジョルジュ・ドンだな。群舞が男性ダンサーだけの構成っていうのもいい。

……つーか、「お母さんも、その授業受けたい。行っていい?」

「いーよー」

どうせ実現しないので、軽くあしらわれた。しかし、本当に授業に参加してみたい。今の音楽の授業って、楽しいんだな。羨ましい。

「まあ、三大バレエは、ふたつクリアしてるしね」と言うと、不思議そうな顔をされた。まさか。

「この前の定演でやったじゃん、【くるみ割り人形】」

「……あれ、バレエなの?」

「常識だろ! 司会も曲紹介で説明してたよ。聞いてなかったの?」

「しらなーい」

……オマエ、もうすこし関連事項に興味持てよ。

ちなみに、秋の演奏会のときの【眠れる森の美女】も、バレエだよ! チャイコフスキーに謝れ。

そして、幼稚園の時に、東京バレエ団の【眠れる森の美女】の公演に連れて行ってるけどな!

「バレエ音楽って、そんなにあるの?」

あるともさ! 得意分野だ!

まずは【白鳥の湖】。三大バレエの最後のひとつ。幾つかメジャーなフレーズを聴かせると、「あ、これが白鳥の湖なんだ。これって、どういう話なの?」と問われる。

「検索」

見つけたあらすじを音読する子供。

「……ともに身を投げて、来世で幸せに……バカなの? 永遠の愛を誓い直せばいいんじゃないの? なんで死ぬの? 悪魔に勝ったのに」

ここからは、私の好みによる独断である。授業で採用になるかどうか、保証はしかねる。

【ロミオとジュリエット】。実は、映画版のテーマが一番好きだ。バレエでは、寝室のパ・ド・ドゥが一番好きである。バルコニーも悪くないけど。

でもまあ、印象的なのは、【モンターギュ家とキャピュレット家】かな。再生。

「知らない」

そうですか。

「っていうか、この話知らないんだよね。どうしてあなたはロミオなのー、しか」

「検索。てか、シェイクスピアなのに、読んだことないの? ひとつも? オセロとかハムレットとか」

「ない。……(音読)……なんでジュリエットが死んだからって、毒薬飲んで死ぬの!?」

「愛だろ。つーか、修道僧(=ロレンス神父・子供が見つけたあらすじでは、修道僧となっていた)の手落ちっつーかね……。てか、シェイクスピアがわりとこの系統。バレエの悲劇も、だいたいこの流れ」

子供は顔をひきつらせている。しかし、そんなことより、母はアナタがシェイクスピアを読んだことがないという事実に驚きです。母は、小学生の時分にはシェイクスピアを読破しておりましたよ。子供向けの翻訳でしたが。一番好きなのは、【真夏の夜の夢】です。

ラノベばっかり読んでないで、こしきゆかしい文学も読みたまえよ。

【エスメラルダ】【ジゼル】【コッペリア】は、音楽の時間に取り上げられることは、なさそうだ。

ってことで、【ドン・キホーテ】。

「それってさー」

「オマエの思ってるドンキホーテじゃない」

再生したけど、聴き覚えはないらしい。

あらすじ音読……。

「なに、このひと、意味わかんないんだけど」

「多分、精神にちょっと問題あるひとなんじゃナイカナ……」

バレエ音楽は、大まかなあらすじを知っていた方がより楽しめるんじゃないかと思ったんだけど、子供にとっては「信じられん」ストーリーの連発だったようで。

……音楽の時間を楽しむことが出来るのか、心配である。余計な知識つけない方が良かったかな……。

それでも! 久しぶりにバレエ音楽にどっぷり浸かり、幸せなひと時でございました。私が幸せだったので、いい音楽会だったことにします。

先生、次は、オペラかミュージカルがいいです。



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